【翻訳外注ノウハウ中級編】ときどき翻訳に対応する方は

翻訳外注ノウハウ

翻訳外注におけるヒントをお伝えし続けている本シリーズですが、今回は「翻訳しなければならない」という事態にときどき陥る方にとって使い勝手の良い構成にしています。

内容に沿って判断しながら、成果につながる翻訳方法を実現してください。

場当たり的な翻訳対応を続けてよいのか考えてみる

「ときどき翻訳しなければならない」自体に陥る方がやりがちなのが、毎回同じプロセスを最初からたどり直すという負の無限ループです。

翻訳対応【初級編】~はじめて翻訳に対応する方へ~でお伝えしたとおり、翻訳対応のはじめの一歩は「自分で翻訳するのか誰かに翻訳を頼むのか決める」ことですが、「誰かに翻訳を頼む」ことにした場合、そして周囲に外国語の堪能な知人が居ない場合または、居たとしても気軽に頼めない場合はインターネットなどで翻訳外注先を探すことになると思います。

  • 翻訳_英語
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概ねこのようなキーワードでインターネットを検索して、表示された広告もしくは、検索サイトの1ぺージ目ないし2ページ目かせいぜい3ページ目あたりまでに表示されたなかからいくつか選んで見積もりを依頼してみる。

そして出揃った見積金額を比較してもっとも安いところに発注してみる。おそらくこのようなかたちで翻訳外注先を決めていた、もしくは決めるのではないでしょうか?

同じ会社に長く勤めていて、いつだったか憶えていないくらい前のことだが前回も翻訳する必要が生じた際に担当したのが自分だった、という人であればもしかしたら、前回の翻訳外注先の名前、連絡先、翻訳依頼した結果やメールのやりとりなどを記憶、保存していてまた同じところに頼むことができるのかもしれません。

しかし今回のコラムのタイトルにあるような「ときどき翻訳しなければならない事態に陥る」組織では、担当者が変わったり過去の記録が十分に保存、共有されていない傾向があり、毎回同じプロセスを最初からたどり直すことになりがちです。

残念ながらこのようなやり方を続けていては何度も初心者のようなことをやり続けることとなり、いつまで経ってもより良い翻訳を得ることのできるステージにたどり着けません。

前回の翻訳外注では特に大きな問題は無かったと聞いている、だとしてもそれはたまたま良い翻訳外注先に巡り合えただけだったのかもしれませんし、そもそも記録が残っていなければその評価自体が正確性に欠けるものです。

よって「ときどき翻訳しなければならない」自体に陥る方にまず必要なのは、腰を据えて翻訳対応というものに取り組むという姿勢です。

「ときどきしか必要ないのに面倒だ」「次に担当するのが自分とは限らない」「よりによってどうして自分が」などと消極的になるお気持ちはよくわかりますが、今目の前にあるルーティンワークもフロンティアである先人たちが築いた礎があってこそです。

「よし自分がこの会社(組織)の翻訳への取り組み方を一新させてやる」「翻訳外注については自分がこの会社のフロンティアとなる」そんな覚悟と夢を持って、翻訳外注フローを構築してみてはいかがでしょうか。

過去に試した方法で良いのか考えてみる

「翻訳外注フローを構築する」と言っても決して大袈裟なことではありません。やるべきことは次の3つです。

  • 社内情報を集約する
  • ポリシーを持って翻訳外注先(候補)にコンタクト、比較して外注してみる
  • 外注した結果を記録して次に生かす、社内に共有する

たったこれだけです。それぞれ具体的には次のとおりです。

社内情報を集約する

過去に翻訳したものが社内に残っていないか(英語版のホームぺージがすでにある、中国語のパンフレットがある、なども含まれます)調べて、集めてみることです。

過去に翻訳したものというのは、あなたの組織に於ける翻訳資産です。資産は利活用することによってその価値を高めることができます。

過去に翻訳を外注したことがある人が居ないか、聞いてまわることも大切でしょう。その方の経験や評価はあなたの組織や翻訳を外注する意図にフィットしたものである可能性が高いからです。

もしかしたら意識の高い先人のひとりが「用語集(組織で使用されている専門用語の翻訳辞書)を作っているかもしれません。そのようなものを見付けることができたら大発見です。

これからあなたが取り組む翻訳外注フローの構築に欠くことのできない大切なパーツになることは間違いありません。

いずれにせよあなたの組織が一度でも過去に翻訳を外注したことがあるのであれば、いえ、まずはあるのかどうか、そして外注したことはなくとも翻訳というものに取り組んだことがあるのか、確認してそれに関する情報を集めてみてください。

ポリシーを持って翻訳外注先(候補)にコンタクト、比較して外注してみる

次に行なうのは翻訳外注先となる可能性のある候補のいくつかにコンタクトすることですが、その際に伝えるべきしっかりとしたポリシーについて考えてみてください。

これはあなたの組織が過去に翻訳したことのあるなしにかかわらず必要なことです。

翻訳対応【初級編】~はじめて翻訳に対応する方へ~でお伝えしましたが、翻訳対応に於いてもっとも大切なのは「そもそも何のために翻訳するのか?」という翻訳の目的についてまず考えることです。

そしてその目的という明確なゴールを念頭に、

  1. コスト(翻訳料金
  2. 品質(翻訳の仕上がり、精度)
  3. 納期(翻訳にかかる時間)

これら3つのバランスについて考えることです。翻訳の目的に最適なのは

  • コストなのか?
  • 品質なのか?
  • 納期なのか?
  • コストと品質のバランスなのか?
  • 品質と納期のバランスなのか?
  • コストと納期のバランスなのか?

といった具合です。

「金額にはこだわらない。とにかく最高のものを」と言ってくださるお客様は稀ですが、「限られた予算内でできるかぎり高い品質を」または「品質については譲歩するのでとにかく低コストで(翻訳を)調達したい」といったお客様は数多くいらっしゃいます。

いずれにしても大切なのは、あなたの組織が翻訳を外注する上で重視しているポイント、つまりポリシーを明確にして見積もり依頼の段階で外注先(候補)に共有することです。

それに対してどれほどの選択肢があるかを説明し、それぞれのメリット・デメリットについても隠すことなく開示した上で、数多くのアドバイスや提案と共に見積もりを提示してきたか、そのような対応結果を元に翻訳外注先を決めれば、まずは大きな失敗をする危険性が著しく下がることは間違いありません。

外注した結果を記録して次に生かす、社内に共有する

翻訳外注が成功か失敗かを決定付けるのは、翻訳する目的が達成できたかどうかです。

  • 売上をアップしたい
  • 販路を拡大したい
  • 認知度を高めたい
  • 詳しく知りたい

など翻訳する目的はさまざまですが、それらを達成することに貢献できたかどうかが翻訳外注の成否を分けるのです。

Aという言語で書かれたものが、正しくBという言語になった、というだけでは翻訳とは言えません。それは機械的な単なる言語転換(置換)です。人間(プロ翻訳者)と機械(自動(機械)翻訳)のもっとも大きな違いがこの部分です。

よって翻訳を外注し、納品されたあとはそれがあなたの組織が翻訳を外注した目的に沿ったものかどうか、その内容(品質)を厳しくチェックしてください。

もしあなたの組織内に十分な確認を行なえる人が居ない場合は、別途料金が必要ですが別の翻訳会社にチェックを依頼することもできます。

また、リスキーではありますが、それに十分な機能を備えている懇意の取引先に見せて意見を聞いてみるのも手です。ホームぺージであれば一旦公開してしまって、ユーザーの指摘を受けながら修正していくのもよいかもしれません。

いずれにせよ納品されたものをそのまま使う、ではなくその内容を正しく評価して資産化し、次に生かすことをしっかりと行なってください。

外注先名や担当者名、連絡先といった基礎情報はもちろんですが、メールのやりとりや納品された翻訳ファイルおよび、それを修正した場合は修正記録付ファイル、できれば担当したあなたの寸評やコメントも付記した上で「次にもし誰か翻訳を外注する人がいたら、この内容を参考にしてください」と社内共有すれば、あなたの組織の翻訳資産は急激に増え、その価値も高まることは間違いありません。

より良い翻訳対応をするにはどうすべきか考えてみる

翻訳外注フローを構築するとあなたの組織特有の翻訳対応の仕方、翻訳外注のノウハウといった翻訳資産が蓄積されます。その場合も常に

  • このまま(翻訳対応の仕方)で良いのか?
  • もっと良い(翻訳、翻訳外注の)方法はないのか?
  • コストを維持して品質を上げるには?
  • 品質を維持したままコストを下げるには?

といったことを思案し、思い付いたことを試行するようにしてください。

翻訳会社に問い合わせてみるのも手です。課題を共有し、解決法について相談してみる。それに対して真摯に対応してくれたかどうかは、翻訳外注先を選別する上でも良い指標となります。

たとえばホームぺージ。「英語版のホームぺージを作る」と一概に言っても、ホームぺージに含まれるコンテンツはさまざまです。

利用規約や経営者メッセージ、リリースや株主へ向けたページなどはマーケティングに大きな影響を及ぼすため、翻訳する目的を達成するためにはとにかく品質にこだわる必要があります。

一方、製品スペックやリンク表示させているSNSページなどはカジュアルな内容であり、その翻訳精度がウェイトを占めることが少ないため、自動(機械)翻訳を使って翻訳してしまってもよいかもしれません。

契約書の場合はどうでしょう。長文で固苦しい文言の羅列で定型文の多い契約書の翻訳は一見すると熟練のプロ翻訳者ではなければ難しいように思われます。

しかし近年のAIの活用による自動(機械)翻訳の精度向上により、決まった文言、定型文の多い契約書との相性が意外によく、期待よりも良い翻訳を生成することも知られ始めています。

契約書専門の自動(機械)翻訳を開発している専門業者や翻訳会社もあるので、それらを使ってみることで翻訳の品質を維持したままにコストを下げることができるかもしれません。

翻訳は「Aという言語で書かれたものをそのままBという言語に変換する」といった単純作業ではありません。翻訳は作文と同じようなクリエイティビティが求められるものです。

元となる文章を提示して「とりあえず翻訳してくれたらいい」ではいつまでも経っても翻訳する目的に沿った、成果につながる翻訳を得ることはできません。

「翻訳=○○」といった固定概念を捨て、より良い翻訳対応をするにはどうすべきかを常に考え続けてみてください。

まとめ

以上、「【翻訳外注ノウハウ中級編】ときどき翻訳に対応する方は」でしたがいかがだったでしょうか。

翻訳対応【初級編】~はじめて翻訳に対応する方へ~でお伝えしましたが重要なことなので繰り返しますが、翻訳でもっとも厄介なのは、工業規格のような一定の評価基準がないことです。

同じ翻訳でもある人からは最高の評価を得、別の人からはやり直しを命じられることもままあるのです。なぜなら、翻訳はクリエイティブな作文という作業であり、それは読み手(お客様)の嗜好によって好き嫌い、つまり評価が大きく分かれるものだからです。

ときどき翻訳しなければならない事態に陥るあなたはすでにこのことをご存知かもしれませんが、主業務の合間に急に生じることの多い翻訳対応(翻訳外注)は得てして面倒な副業務としてぞんざいに扱われがちです。

不定期であれば尚更で、できるだけ時間をかけず低コストで済ませてしまいたいという思いから”やっつけ仕事”として処理されがちです。しかし考えてみてください。

あなたの組織のブランド、ロゴ、ロゴマーク、キャッチコピー、スローガン、プレスリリース、マスコットなどを決めるときに”やっつけ仕事”で済むでしょうか?

それらは半永久的に使われます。半永久的に世の中に流布されます。半永久的にあなたの組織の評価を決定付ける要因となって、世間の人に認知されるのです。翻訳はそれらと同じなのです。

目的があって行なわれる翻訳ですが、その目的の下、翻訳は誰かのためにされるものです。ゆえにその誰か、つまり読み手の琴線に触れる、読み手を動かすものでなければ翻訳した意味がないと言っても過言ではありません。これが「とりあえず翻訳すればよい」が誤りである証左です。

当社では今あなたが抱えている、翻訳に関するあらゆる相談事に無料でご対応しています。翻訳の目的や期待する成果など、その内容によって当社以外の方法や業者もお勧めしますので、安心してどうぞお気軽にご連絡ください。

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