言語の起源

翻訳外注ノウハウ

一つの原始言語がゆっくりと進化し世界各地に運ばれたもの、それが言語の起源(である可能性がある)という説があります。全く違う言語にもかかわらず、その中に似たような言葉があることがその証拠だと。

その説が正しいかどうかは別にして、果たして言葉というものはその元となった原語と全く違うものになるほど、劇的な進化を遂げることができるのしょうか?

本コラムでは言語の歴史を辿りながら、その起源について考えてみたいと思います。

※本コラムはサイト「The Great Courses Daily」に掲載された記事を元にお届けしています

いつ始まり、どのように進化してきたのか?

言語が15万年前から存在するのに対し、残念ながら文字はわずか6,000年前に出現したに過ぎないので、最初の言語についての証拠を見つけることはほとんど不可能です。

ではもし異なる言語間で同じ音の単語があれば、それらの言語が同じ起源から来たことを示すことになるのでしょうか?

例えば「tik」と言う言葉。現在では全く異なる印象を与える言葉の起源にこの「tik」はなり得るでしょうか。アメリカ先住民の言語群を研究する言語学者の一派がこの問題に取り組んでいます。彼らは多くの単語を原形に復元してきました。

このような言語学者はアルゴンキアニスト(アルゴンキン族研究者)と呼ばれ、彼らは言語の起源を探ろうとしています。

「tik」の進化

アルゴンキアニスト(アルゴンキン族研究者)たちは、「one」と「finger」という言葉を再構築し、その語源は「tik」であると結論付けました。

その裏付けのひとつは「人は指で1を数える」という考え方。そしてもうひとつの根拠は「いくつかの言語では今でも似たような言葉が使われている」からのようです。

例えばスーダンのディンカ語で「1」を「tok」と言い、トルコ語の「one」に似た「only」という単語は「tek」です。

また、古英語では指に似た「toe」を「tahe」といいます。日本語では「te」は手であり、これも指に関係しています。エスキモー語では、人差し指を意味する単語は「tik」です。

果たしてこれらはすべて同じ起源なのでしょうか?

書き言葉と話し言葉

言語の起源はおよそ15万年前にさかのぼります。しかし言語学的証拠が存在するのは、文字が始まった約6000年前からです。

結果的に、主流といえる言語の歴史は言語学者が研究している時代よりもずっとあとの、証拠となり得る文字や推測に基づいて発見されました。

尚、岩などに彫られた文字などは、多くの言語の起源が同じであることを証明する一方、言語グループが異なる場合はそれぞれ異なる起源があることも示しています。

原始哺乳類と原始言語

ルヘルン氏は生物学的進化を利用して言語の進化を説明していますが、彼はこう主張します。

「ほとんどの科学者が原始哺乳類の存在を認めておりそれが後にコウモリ、猫、人間へと進化していったにもかかわらず、原始哺乳類の化石は発見されていない。」

「しかし原始哺乳類の骨を発見する必要はもちろん、猫やコウモリが完全に別の種に進化する前の他のすべての生き物は発見される必要は別にない。」

「このようにある種を哺乳類に分類するためにその進化の過程すべての化石を必要とするわけではないのに、なぜ言語にはそれが必要なのか?哺乳類の最初の種が復元できるのならなぜ最初の言語が復元できないのか?」と。

これ主張は一見論理的ですが、突発性が果たす役割を無視していると言えます。

日本語と英語は同じ起源?

「原始哺乳類」論を適用すれば、日本語も英語もその起源は同じであると言えるはずです。

「もっと」という意味の「mō」、「そう」という意味の「sō」、「ない」という意味の「nai」、「モノ」は「一つ」という意味など、裏付けとなる例もあります。

そしてこのような例は多くの言語のペアに適用することができます。たとえばタイ語で「fii」は「火」、「taii」は「タイヤ」、「rhim」は「リム」という意味です。

このように同じ起源とは思えないような言語でも、非常によく似た単語があるのです。統計学的に言えば、世界6000言語の中でこのような事象が散見されるのはごく普通のことなのです。

では、異なる言語間に於ける系統的な類似性はどうでしょうか。

言語の起源

共通の言語的限界

どの言語にも限界というものがあります。たとえば一度に16個の子音を持つ言語や、7個の母音がただ後に続くだけの言語は存在しません。

また、言語の音に多様性を持たせることができているにもかかわらず、言語にクリック(吸着音)を使用するという例もあります。

これも原始世界説の支持者が「すべての言語の起源が単一である」ことを証明するために用いる議論です。

問題は、「類似性」や「ティック」「共通の言語的限界」や議論だけでは、すべての言語の間に同じパターンが存在することを証明するのに十分ではないということです。

十分な証拠や普遍的なパターンがなければ、同じルーツに由来する言語の起源を証明することはさらに難しくなります。

言語の起源に関するよくある質問

Q:言語はどこから来たのですか?

言語は約15万年前、コミュニケーションが必要な人類によって始まりました。文字が使い始められるより以前の言語に関する証拠がほとんどないため、言語の起源については議論が続いています。

Q:すべての言語の起源は何ですか?

すべての言語の起源は同じという説もあります。動物と同じように徐々に進化し、徹底的に異なる言語に変化したという主張です。しかしすべての言語の起源が同じと考えるにはもっと多くの証拠が必要です。

Q:地球上で最初の言語は何だったのですか?

地球上で最初の言語はすべての言語の起源であるかもしれないし、今はほとんど使われていないわずかな言語がそれで、すでに死語であるかもしれません。

言語は15万年前のものですが、文字は6000年前からなのでそれ以前の言語に関する証拠がないため、残念ながらこの質問にお答えできません。

Q: 言語はどのように始まったのですか?

言語の起源は、おそらくコミュニケーションの必要性です。

もしかしたら、最初の言葉は遠吠えや鳴き声に過ぎなかったかもしれませんが、やがてそれらは進化して人間の体系的なコミュニケーション手段を形成するようになったのです。

ソース:Origin of Language: When Did It Start and How Did It Evolve?

まとめ

以上、「言語の起源」でしたがいかがでしたでしょうか。

「一つの原始言語が現代のすべての言語の起源である可能性があるが、証拠となる記録がないため証明することが難しい」また「各地で突発的に発生した可能性も否めない」との論調で残念ながら今もまだ研究段階にあるとのことですが、「言語の歴史は、言語によって記された記録がないために探求できない」というのは皮肉や矛盾といった言葉を想起させてくれる、とても興味深い内容でした。

いつか遠い未来にタイムマシンが発明され、時間の壁を越えることができたら、過去に戻って言語の起源が判明するのかもしれませんね。

尚、【徹底解説】世界の言語、その使用人口と使用状況でご紹介しましたが、世界では現在7,139種類の言語が使用されていて、そのうち約40%の言語が絶滅の危機に瀕しており、その多くは話者数が1,000人以下となっています。

わずか23の言語が世界人口の半分以上を占めている現代ですが、この記事のような研究がなされていること忘れることなく現代の言語、現在まで残った言語を大事にしいきたいと思います。

最後に、もし外国語対応でお悩みでしたらどうぞお気軽にお問い合わせください。