初めてGoogle翻訳を使ったときの、その翻訳結果の興味深さを覚えていますか?
自動翻訳(機械翻訳)は本当に長い道のりを歩んできました。そして、自動翻訳(機械翻訳)の進歩のおかげで、どんなウェブサイトでも簡単に翻訳することができるようになりました。
これは自動翻訳(機械翻訳)に命を吹き込むために働く、すばらしく才能豊かな言語専門家の努力の賜物であることを忘れてはなりません。
人間の翻訳者が細心の注意と専門知識をもって翻訳すれば、費用は多少高くなりますがより高い品質の翻訳を得ることができます。
一方、自動翻訳(機械翻訳)は、ユーザーレビューやコメント、ソーシャル投稿など、大量かつ重要度の低いコンテンツに活用するのに適しています。
プロジェクトの目標や意図に応じて、コンテンツの翻訳には、自動翻訳(機械翻訳)と人間翻訳の2つの選択肢があります。
本コラムではそれぞれの長所と短所を紹介し、お客様のビジネスにとって最も有益な決断ができるようにします。
※本コラムはサイトSmartling社のブログに掲載された記事を元にお届けしています
目次
自動翻訳(機械翻訳)対 人間翻訳
瞬時に翻訳することができる自動翻訳(機械翻訳)は、AIの活用により日々飛躍的な進歩を続けています。
1949年に始まった自動翻訳(機械翻訳)は、ロシア人スパイを監視するためのツールとしてだけでなく、冗談や道案内まであらゆるものを翻訳する身近な手段へと進化を遂げましたが、そこにはまだ改善の余地があります。
自動翻訳(機械翻訳)
コストとスピードの最適なバランスに位置取り、経費の心配をすることなく大規模な文書翻訳を迅速に行うことができます。しかし、だからといって、自動翻訳(機械翻訳)が常に適切であるとは限りません
プロ翻訳者による人間翻訳
特別な配慮やニュアンスが必要なプロジェクトに最適です。有能な翻訳者は、ブランディングを意識した上であなたの大切なコンテンツに取り組み、元の意味を捉え、その感情やメッセージを新しい作品として本質的に伝えます
配慮と専門知識が求められることから少し高い料金を支払うことになりますが、人間翻訳ならより質の高い結果を得ることができます。
また、自動翻訳(機械翻訳)は、ユーザーレビュー、コメント、ソーシャル投稿など、大量かつ優先順位の低いコンテンツに活用するのに適しています。
自動翻訳(機械翻訳)を導入したほうが良いケース
- まだ大きな収益をもたらしていないビジネスの、一部分のコンテンツを翻訳しようとしている場合
- 事業拡大や市場のテストには着手しているが、人間翻訳という複雑なプロジェクトに取り掛かるにはまだ時期尚早と考える場合
- 翻訳するコンテンツがあまりクリエイティブな内容でなく、ガイドラインや指示といった基本的なものである場合
人間翻訳を導入したほうが良いケース
- スピードより正確さを優先するプロジェクトの場合
- 生身の人間とコミュニケーションがとれることが魅力的、または重要である場合
- ローカライゼーション(現地化)が必要でコンテクスト(文脈)を含む、質の高いコンテンツである場合
自動翻訳(機械翻訳)の長所と短所
ビジネスにおけるあらゆる決定と同様に、自動翻訳(機械翻訳)にも長所と短所があります。比較検討してみましょう。
自動翻訳(機械翻訳)の長所
AIを活用したニューラル機械翻訳(NMT)と呼ばれる技術のおかげで、自動翻訳(機械翻訳)は日々大幅な改善がなされています。
NMTは人間の話し方を学習し、独自のロジックで単語やフレーズの正しい翻訳を決定することができます。まさに未来です。
- 自動化と人工知能(AI)は成長し続け、翻訳を進化させるために不可欠な要素となっていること
- 自動翻訳(機械翻訳)は、仕事の割り振りやコンテンツのレビュー、修正、可否の決定など、ローカリゼーションに求められる基本的な反復作業を、より多く行うためにAI技術を用いています
- これによりプロジェクトに必要な工程を費やす時間が節約でき、収益にも貢献します
- 単純に、自動翻訳(機械翻訳)を使えばコストが削減できること
- クリエイティビティーな翻訳が求められるコンテンツで、プロ翻訳者による人間翻訳が必要でない場合など、自動翻訳(機械翻訳)を使うことでコストを低く抑えることができます
- よって予算が最優先なら、自動翻訳(機械翻訳)が最適かもしれません。ただし、重要なコンテンツを無料の自動翻訳(機械翻訳)サービスを使って翻訳することには注意が必要です
自動翻訳(機械翻訳)の短所
自動翻訳(機械翻訳)を使うことが常に正しい選択であるわけではないことを理解しておく必要もあります。プロ翻訳者による人間翻訳が必要となる場合もあるということです。
- 自動翻訳(機械翻訳)は、プロの人間翻訳者の翻訳および調査能力を完全に代替することはできないこと
- 自動翻訳(機械翻訳)は、それが最適なプロジェクトであったり、翻訳したあとに人間がその内容をチェックするのであれば使える可能性があります。
- 一方、人間の翻訳者は、コンテンツの本当の意味を理解するために深く掘り下げることができ、どのように翻訳するかについて、その他情報に基づいて判断を下すことができます。
- 重要なコンテンツの場合、自動翻訳(機械翻訳)を使うことは適切ではないこと
- 成約率を意識し、販売の可能性を求めたマーケティング活動である場合、コンテンツはできるかぎりその文脈が明確、正確である必要があります。
- なぜなら、不正確なコンテンツと見込み客に思われてしまったら、それはあなたの会社への不信感につながり、販売の足を引っ張ることになるからです。
- 自動翻訳(機械翻訳)はまだ文脈というものを理解できないこと
- 翻訳における文脈(文章の趣旨の理解)の重要性についてはご存知のことと思いますが、残念ながら自動翻訳(機械翻訳)は、文脈というとても繊細な言葉の機微を拾い上げるには適していません。単語によっては、翻訳に大きな誤差が生じることもあるのです。
- 一方、プロの人間翻訳者は、図といったビジュアルやその他様々な言語資産、ツールを活用し、お客様が大切にしているブランドの基準を守り、正確に翻訳し、コンテンツのメッセージを一貫して伝えることができます。
人間翻訳の長所と短所
プロの翻訳者による人間翻訳は、高い予算と少し長い時間を必要とするかもしれませんが、翻訳した結果がその価値として現れます。
人間翻訳の長所
プロの翻訳者による人間翻訳の最大の長所は、その翻訳の正確性です。
- プロの翻訳者は、言語学の複雑さを理解し、自分の経験や勘を働かせて翻訳することができること
- 彼らは言語に向き合い、分解し、創造性を発揮して、翻訳に興奮というものを注ぎ込むことができます。
- その結果コンテンツに説得力が増し、動きが出るようになるのです。
- プロの翻訳者と共同で作業にあたることもできること
- 自動翻訳(機械翻訳)とは異なり、プロの翻訳者は人間であるため、電話やスカイプで会話しながら翻訳プロジェクトの複雑性や詳細について議論することができます。
- 結果的にあとで翻訳を修正する回数も少なくて済み、大切な翻訳の目的を見失う可能性も低くなります。
- プロの翻訳者による人間翻訳を使えば、プロジェクトの成約率が高まる可能性もあります。
- よって成約率に直結するようなプロジェクトなら、プロ翻訳者による人間翻訳を使うべきです。
人間翻訳の短所
自動翻訳(機械翻訳)に完全に取って代わられるにはまだ至っていませんが、場合によっては自動翻訳(機械翻訳)のほうが良いこともあります。
- プロの翻訳者による人間翻訳は、多くのリソースを必要とすること
- これは、企業によっては大きなデメリットとなります。プロの翻訳者による人間翻訳は、自動翻訳(機械翻訳)と比べて完成までの時間が長く、コストも掛かります。
- よって文脈(文章の趣旨の理解)の正確性を必要としないプロジェクトであれば、自動翻訳(機械翻訳)の方が適しているかもしれません。
- しかしローカリゼーションには、メッセージを最適なかたちに変形させ、これまでには居なかった新しい、特定の相手にアプローチするという役目があります。
- プロの翻訳者による人間翻訳なら、コンテンツをマッサージして、言葉にできない成分を取り込み、より深く響くようにすることができます。
- しかし自動翻訳(機械翻訳)では残念ながらそれは不可能です。
最後に
AI技術の進歩に伴う精度向上により、自動翻訳(機械翻訳)の進化には目を見張るものがあります。低コスト、短納期、そして何よりも便利で手軽という点で自動翻訳(機械翻訳)の貢献度の大きさは否めません。
しかしそれが果たしているのは現時点ではまだ「転換」「置換」という作業であり、「表現」や「成果」という翻訳に本来求められるところまでは到達していないことは、業界関係者だけでなくユーザーであれば誰もが認めるところです。
翻訳は単なる言語転換ではなく、コピーライティングと同じような創造性が求められるものです。
元の文章に含まれる趣旨やその文脈を理解、そこを十分に汲み取った上で、置き換える言葉が存在しないこともある別の言語に変える必要があるのが翻訳です。
よって翻訳にもし文章としての成果や求めるのであれば、人間翻訳をお使いになることを当社は強くお勧めします。
ただし、繰り返しお伝えしているように、翻訳の目的(翻訳したものに求める成果)によっては、人間翻訳と自動翻訳(機械翻訳)を賢く使い分けることが肝要です。
まとめ
以上、「【自動翻訳と人間翻訳】どちらが良いのか?」でしたがいかがでしたでしょうか。
当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界120か国語で行います。
高い品質が求められる外国語対応や翻訳についてもしお困りでしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。