固定観念と無縁の国は世界中どこをみてもありません。人は皆、その国の料理や観光、芸術から得られる情報をもとに、その土地やそこに住む人々について意見を述べるものです。

ただし、それらのすべてが卑屈で根拠のない、いい加減なものであるわけではありません。実際、あるサイトで「日本人を表現するのに最適な言葉」を尋ねたところ、驚くほど肯定的な結果が出ました。

本コラムでは、欧米人が日本人を表現する際によく選ぶ言葉を紹介します。

※本コラムはジャパントゥデイ社の記事を元にお届けしています

礼儀正しい

1位は「礼儀正しい」でした。日本の伝統的な挨拶でされる「お辞儀」は、誰もが聞いたことのある行いでしょう。

現在では日本でも握手をすることが一般的になりましたが、その際にも一度だけでなく何度もお辞儀をすることが多いものです。

欧米人の感覚からすると、握手やハイタッチ、肩を叩くことよりも、このお辞儀のほうがよほど礼儀正しいように見えます。

もちろん、「礼儀正しい」という言葉には良い意味だけでなく、悪い意味も含まれています。長い付き合いがあるにもかかわらず(お辞儀をするのは)丁寧過ぎるように思えて相手と距離を感じてしまう、という意味です。

時間厳守

日本は時間管理をとても重視しています。

JRをはじめ地下鉄や電車は驚くほど時間に正確なことで知られていますが、1分でも遅れると社会全体に悪影響を与えることになってしまいます。

このため、電車が遅れた場合も乗客が会社に提出する遅延証明が発行されますが、それは利用者が会社に悪い印象を与えないための配慮でもあるのです。

親切

丁寧という言葉が持つマイナス面とは異なり、親切は純粋にポジティブな言葉です。

日本語には「やさしい」「おもいやりのある」という言葉がありますが、これらには「他人のことをよく考える」という意味です。他人の家を訪問する際に手土産(食べ物など)を持参する習慣などは良い例でしょう。

「親切」は日本人を表現する言葉の第三位ですが、これは世界の誰がみても優秀な結果です。

はたらきもの

「働き者」という言葉は、日本人の思考を分類する一般的なものであることに間違いありません。

家族よりも仕事が優先される日本の文化を知る外国人が、日本人を表現する言葉としてこれを選ぶのもうなずけます。

日本語には「過労死」という言葉もあります。

契約上の退社時間を過ぎても何時間も働き続け、契約社員でない場合はその分の残業代さえ支払われないこともよくあります。また、たとえ契約社員であっても定時で帰るのははばかられるような雰囲気さえあるのです。

尊敬に値する

「丁寧」「尊敬」または「他人に対して敬意を表する」という言葉も、ポジティブな意味で日本人を表現する際に選ばれる言葉です。ただし、それはまれに距離感を抱く結果につながります。

日本では偶像崇拝(神像や仏像への崇拝)が蔓延しているため、敬語が少し過剰になる場合があります。そして、西洋人の多くは、日本人の「年長者に敬意を払う」という考え方を少し常識外れとも感じています。

日本では年齢を重ねるほど賢くなり、より敬意を持って扱われるようになるでの、家族でもない限り自分より年上の人にくだけた言葉を使ったら大変なことになります。

また、たとえ親戚であっても、年長者にふさわしい正式な言葉遣いを(若い人に)求める人もいるのです。

恥ずかしがり屋

日本人は全体的にとても恥ずかしがり屋であるという印象ですが、このために礼儀や敬意を重んじるのかもしれません。

確かに、外国では口数の多い日本人観光客を見かけることは滅多にありません。ただしそれは全く別の理由からかもしれません。

日本人の多くは自分の外国語能力を心配し、外国人と話すときに間違った英語を使うことを恐れています。英会話教室が日本で盛んになったのはつい最近のことでもあるのです。

日本人を表現する言葉トップ10(外国人調べ)

知的

「アジア圏の人は頭脳明晰である」という固定観念は確かにあります。

それが事実かどうかは今回のアンケートとは関係ありませんが、良い意味での褒め言葉であることは間違いないでしょう。

ちなみに頭脳明晰であることを日本語では「かしこい」と言いますが、英語で同じ意味の「スマート」は用いないほうが良いでしょう。「スマート」は日本語では「痩せていて魅力的な人」という意味になるのだそうです。

「かしこい」と「スマート」はお互いに決して相容れない形容詞というわけではありませんが、知的な人に「知的ですね」と言おうとしているのに「スリムでセクシーですね」と伝わると、日本の友人を混乱させることになってしまいます。気を付けましょう。

群れる

女性はいつも群れで移動すると言われていますが、日本人にもそのような傾向があるようです。

日本で英語教師を目指す人になにかアドバイスをするとしたら、「(生徒たちの)グループ活動を増やしなさい」です。

アメリカではグループワークは嫌われることが多いのですが、日本の生徒はグループワークが好きです。一人で意見を言うより、仲間と意見を出し合ってグループで決めたほうがいいと言うのです。

30人の日本人の子どもたちがいるクラスで一人で立って英語の教科書を読み上げようとする人はあまりいないでしょう。しかし全員を3人ずつのグループに分け、順番に読ませれば活気あるクラスになるのです。

形式的

日本は礼儀正しい国として知られています。これは、マナーと言葉の両面で現れています。

日本語は相手によってさまざまな形式に使い分けられます。これは、日本語を学ぼうとする人にとって面倒なことであり、特に外国人と日本人の場合、友人との間に誤解を生む原因にもなりかねません。

アメリカ人なら「もう数年の付き合いがあるのに、なぜ(日本人の)友人がいまだに自分のことを「デービッドさん」と(さん付けで)呼ぶのか不思議」と思うかもしれません。

日本人の友人はもしかしたら、二人の間に距離を置こうとしているわけではなく、もしかしたら「さん付けはもう止めようよ」と相手が言ってくれるのを待っているのかもしれません。

日本人にとって「確認もせずにいきなり敬語をやめるのは失礼にあたる(呼び捨て)」ことを知りましょう。

清潔

日本人旅行者が、キャンプ場や休憩所の周辺に落ちているゴミを、自分が捨てたわけでもないのに拾っているのを見たことがある人は多いでしょう。

この習慣から(日本人を表現する言葉として)「清潔」がランクインしたのでしょう。

日本の学生は、自分たちの学校を自分たちで掃除していることをご存知ですか?用務員ではなく、生徒自身がゴミ袋を運び、階段を掃き、廊下を雑巾で拭き、毎日30分もかけて掃除しているのです。

店先の歩道や道路もほとんどの店主が掃除しています。

公共の場所を清潔に保つことを仕事とするのは、欧米諸国とは明らかに異なる考え方です。アメリカの大都市にはガムやゴミが散乱しています。

最後に

欧米人の目から見た日本の印象は、「リラックスして楽しいことが大好き」という目線からすると少し物足りないかもしれませんが、全体的にはとても良いものだと思います。

個人的な見解ですが、日本を表現する言葉としては他にも「集中(力)」が挙げられるかと思います。放課後に3時間も野球部が練習したり、良い大学に入るために塾に通ったり、無給の仕事を増やしたり、日本人は目標を見つけてそれをやり遂げる傾向があります

ほかにもっと魅力的なことがあっても、趣味や仕事に没頭する日本人の姿は本当に立派だと思います。

まとめ

以上、「【外国人調べ】日本人を表現する言葉トップ10」でしたがいかがでしたでしょうか。

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