インターネット上で最も使われている言語は?

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インターネットは物理的な場所でなく仮想空間に過ぎませんが、それを使用する人口から現実の世界について知ることができます。たとえば、インターネット上の言語を見ると、そこは妙にアンバランスであったりします。

インターネットを利用することのメリットを否定することはできません。ソーシャルメディアが言論を毒することに世界中の人々が疑問を抱いている今日でさえ、私たちの時代に於けるインターネットは決定的な発明であると言えるでしょう。

世界のどこにいても、インターネットにアクセスできる人なら誰とでも、数秒でコミュニケーションができる。ということはつまり「インターネットは世界を小宇宙化したようなものであり、そこには人口統計が正確に反映されているはず」と思うかもしれません。

しかし、インターネット上の言語を実際に見てみると話は違ってきます。なぜなら、インターネット上には「英語の存在」という問題があるのです。それはつまり「インターネットに掲載されるコンテンツは英語が完全に支配している」ということです。

なぜそうなるのでしょうか。単に英語を話す人が多いからなのでしょうか?インターネット上のこの言語の異常性について調べてみました。

※本コラムはBabbel社のコラムを元にお届けしています

インターネットで最も使われている言語

インターネットにおける言語の使用状況には2つの尺度があり、それぞれに異なる結果を示しています。

インターネットを利用する人の数は、世界の人口をある程度正確に反映している上位10言語で比較してみるのが参考になるでしょう。

世界で使われている言語世界に占める割合インターネット上で使われている言語世界に占める割合
1)英語15.0%1)英語25.4%
2)中国語15.0%2)中国語19.3%
3)ヒンディー語7.2%3)スペイン語8.1%
4)スペイン語6.9%4)アラビア語5.3%
5)フランス語3.8%5)ポルトガル語4.1%
6)アラビア語3.7%6)インドネシア語/マレー語4.1%
7)ロシア語3.6%7)フランス語3.2%
8)ベンガル語3.6%8)日本語2.9%
9)ポルトガル語3.2%9)ロシア語2.6%
10)インドネシア語2.6%10)ドイツ語2.2%
※人口推計は出典により大きく異なります。
※世界人口の合計はEthnologueから、インターネット人口の合計はInternet World Statsから取得しました。

インターネット上では英語圏のユーザーが圧倒的に多いですが、インターネットがまだ比較的初期の段階にあることを考えればこの数字はさほど驚くようなものではありません。

また、この数字は今後数十年の間に大きく揺れ動く可能性があります。実際、2000年から2018年の間にインターネット上の英語ユーザーの数は約650%も増加しました。

極端な数字に思えるかもしれませんが、これでさえ、同じくインターネット上のユーザーの数が中国語では2,391%増、アラビア語では8,616%増であることと比較すると見劣りします。

さらに、「各言語のコンテンツがどれだけインターネット上にあるか」というW3Techsの統計を見てみると、そこにはまた違った傾向があることがわかります。

インターネット上のコンテンツで使用されている言語世界に占める割合
1)英語54.0%
2)ロシア語6.0%
3)ドイツ語6.0%
4)スペイン語4.9%
5)フランス語4.0%
6)日本語3.4%
7)ポルトガル語2.9%
8)イタリア語2.3%
9)ペルシャ語2.0%
10)ポーランド語1.7%

この数字が正確であると仮定すると少し混乱してしまいます。なぜなら、世界でもインターネット上でも、第2位の言語である中国語がトップ10に入っていないからです(中国語はポーランド語に次ぐ順位でした)。

また、この順位は徐々に変化していると思われるでしょうが、実は過去10年間でほとんど変化していません。なぜでしょうか?

なぜインターネットで使われる言語はほとんどが英語なのか?

なぜ、世界で使われている言語とインターネット上のコンテンツで使用されている言語にギャップがあるのか、すぐにはわかりません。

インターネットの初期の歴史は米国に大きく根ざしており、英語が優位であったことはたしかにあるでしょう。実際、1990年代のインターネット上のコンテンツは、その80%が英語だったと言われています。

その後英語のコンテンツは大幅に減少しましたが、それでもインターネット上のコンテンツの半分以上を占めておりその勢いは衰えていません。

このように英語の優位性が持続していることは、もしかしたらインターネットにおける「より構造的な英語への偏り」を示しているのかもしれません。

たとえば、インターネット上の大企業はほとんどすべて英語を優先しています。グーグル、アマゾン、フェイスブックはすべてアメリカを本拠地としているため常に英語が最優先です。

これがすなわち「インターネット企業が英語以外の言語を受け入れる努力を怠ってきた」ということではありませんが、少なくとも「どの言語にリソースを投じる価値があるか」を判断した人たちはいた、ということでしょう。

また、インターネット上の言語の動向は、世界で使われている言語より大きな事実を反映している可能性があるかもしれません。

世界共通語である英語を使う国の数は膨大です。ネイティブスピーカーは約3億6千万人しかいませんが、他のどの言語よりも世界の多くの人が勉強しているのが英語です。

グローバルな市場にアクセスするためには、英語をある程度理解することは必須なのです。

インターネット上で最も使われている言語は?

英語以外の言語がインターネット上に増えることは重要か?

「歴史は勝者によって書かれる」という有名な言葉がありますが、「そしてその歴史はおそらく、英語で書かれている」と付け加えてもいいかもしれません。

Guardianの記事でデジタル言語格差について調べたところ、アフリカ、アジア、東欧の国々を表現するのに一番よく使われているのが英語であることがわかりました。

これはインターネットという巨大な存在の一面に過ぎませんが、英語ユーザーがいかにインターネット上で世界を定義しているかを示していると言えます。

インターネット上にもっと多くの、様々な言語で書かれたコンテンツがあれば、より多くの世界の声を聞くことができることでしょう。

Googleならウェブページを一瞬で翻訳するツールを実装できますが、それがこの英語依存を解消し、多角的な視点を持つことにつながるわけではありません。

では、どうすればこのデジタル言語格差を解決できるのでしょうか。

世界で1億8000万人以上の話者を持つヒンディー語でさえ、インターネット上のコンテンツのたった0.1%しか占めていないとなると、このデジタル言語格差から抜け出せないようにも思われます。

しかし、それは必ずしも正しいとは言えません。

インターネットの言語に関するある調査によると、「英語はインターネット上の共通語としては消えつつある」とのことです。

この研究によると、アラビア語、ヒンディー語、中国語を話す人の増加により、最終的には英語の数をしのぐことになるそうです。ただし、この研究は6年前のものなので、最近の傾向も加味するとその予測は当たっていないようにもみえます。

英語以外の言語がインターネット上で増えるスピードは、予想以上にかなりゆっくりとしたものなのかもしれませんが、そのような変化をゆっくり待っていられないというグループもあるようです。

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、フランス語の将来構想の中で、オンラインでのフランス語の利用を増やす必要性を特に訴えています。

ウィキペディアをとても活発に利用している人たちのなかには、ウィキペディアをより多くの言語で提供するためのコンテンツ作りに邁進している人もいます。

デジタル言語格差を埋めるにはとても大きな文化的変化が必要ですが、これらのような活動が大きな動きの第一歩となる可能性があることは確かです。

インターネットという存在が世界の言語的多様性にとって、吉と出るか凶と出るかはまだわかりません。

Wikitonguesのように、言語を記録することで絶滅から救おうとしているプロジェクトもある一方、インターネット上で定期的に使用される言語は全世界言語の5%以下でしかないという試算もあります。

つまりそれはインターネット上ではこの5%が世界の大部分をカバーしているということですが、もちろんそれがすべてではありません。

全人類が単一の言語を話すようになるのか、それとも大量の言語をその絶滅から救うことができるのか。

言語の未来は、一部の限られた人たちだけでなく全世界をつなぐインターネットの能力に大きく依存する可能性があるのです。

まとめ

以上、「インターネット上で最も使われている言語は?」でしたがいかがでしたでしょうか。

社会という現実世界とインターネットという仮想空間の両方に於いて、英語がもっともメジャーな言語であることは周知の事実ですが、それは単純にその使用人口に起因するものでなく、インターネット企業の多くがアメリカ発祥であることも一因で知り目から鱗が落ちたのではないでしょうか。

また、英語以外の言語については、現実世界とインターネットでは使用する人口も比率も異なることには驚きです。

インターネット上で使用される言語が今後どのように変化していくのかわかりませんが、おそらく英語ひとつで全てが済むということは未来永劫ないでしょう。

言語はその国の文化であり歴史です。それぞれの国の言葉に対するリスペクトを忘れず、海外進出や海外取引をする上での翻訳には細心の注意を以てあたる必要があります。

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