グローバル対応には舞台裏で多くの作業と準備が必要です。特に新しい市場での立ち上げ準備の場合はそうです。

ローカライズ(製品やサービスの翻訳を、特定の国または地域に適応させる)プロセスに最初から対応できるコンテンツがあるかどうかが、ブランドのグローバル展開において素晴らしい結果を生むか、そこそこの結果を生むかの分かれ目となります。

ローカライズしやすいコンテンツを作るには、事前に計画を立てる必要があります。

コンテンツチーム(またはグローバル対応のためのコンテンツ制作を担当するチーム)は、初日からローカライズを念頭に置いて執筆する必要があります。

これはコンテンツを単純化し過ぎる必要があるとか、個性が欠けていないかに注意するといったことではなく、簡単に言えば、ローカライゼーションに適したコンテンツとは「よく問題になる点が事前に取り除かれたもの」ということです。

ここではローカライゼーションに適したコンテンツを作成する方法をいくつか紹介します。これにより新しいターゲット地域への展開を成功させ、グローバル対応を最適化することができます。

※本コラムはLilt社のコラムを元にお届けしています

まず原文を完璧にする

ローカライズのプロセスを開始する前に、コンテンツチームは翻訳する前のコンテンツ(原文)に十分な時間をかける必要があります。

ローカライズのために最高の状態にしておくためにも、翻訳を始める前にシンプルにまとめ、校正し、関係者の承認を得ておきましょう。

ローカリゼーションのためのコンテンツ編集に十分時間を掛けずに進めてしまうと、再度翻訳する必要が生じ、もともと必要だった時間の倍の時間が掛かってしまう可能性があります。

ローカライズに移行する前に最終的な調整を行うことで、社内の関係者を満足させることができます。あとあとになって翻訳を編集するとなると、時間とコストが余計に掛かることになるのです。

簡潔かつ、正確であること

コンテンツはできるだけ簡潔かつ、正確であるべきです。複雑な言い回しは避け、読みやすいセクションに分割し、不必要な細部を省きましょう。

コンテンツをスリム化することで、必要なものだけを残すことができます。そうすれば、言語担当者が長い文章や冗長な文章に惑わされずに済みます。

現在形と能動態を選択する

単純な動詞の時制を使うようにして、質を落とさずに読みやすいコンテンツにしましょう。現在形にこだわることでコンテンツに強く安定したトーンを与えることができます。

また、可能な限り能動態に言い換えることで、主張がより明確になります。

  • 【プロからのアドバイス】
    • 英語の場合、句動詞(英語において、「動詞+副詞」または「動詞(+副詞)+前置詞」によって構成され、特別な意味を生じ、まとまって1つの動詞のように機能する定型のフレーズ
    • "get up", "take off", "look forward to", "carry out" など)や条件文("if~")は、高品質な翻訳をするには障害となる場合がありますので、それらを動詞に置き換えることで、翻訳の誤りや矛盾を防ぐことができます

口語的、ユーモラス、慣用的な表現に置き換える

慣用句(習慣として長い間広く使われてきた、ひとまとまりの言葉・文句や言い回しのこと。ことわざ))は笑いの種ですが、ローカライズの場合は別です。

絵文字もそうですが、翻訳が難しく、エラーを起こしやすい口語体や慣用句を削除することで、より良い翻訳を得ることができます。

ユーモアのある言葉や遊び心のある言葉についても同じです。できるかぎり使わないようにしましょう。

また、一般的なルールとして、コンテンツ制作者にはブランドボイス(そのブランドらしい語り口調や文体のこと)を作り出すために口語体に頼らないようお願いしましょう。

グローバルで成功するためのコンテンツの作り方

コンテンツ制作を始める前にSEOを確認する

SEO(Search Engine Optimization の略、検索エンジン最適化)は新しい地域の潜在的なユーザーがあなたの会社を見つけるための手段です。

コンテンツが適切で、ブランドが検索されやすいように、ターゲットとする地域ごとにSEOを特定することが重要です。

事前に各言語のインターナショナルSEOを調査し、最初からそのキーワードを組み込めるようにしておきましょう。

テキストに関する詳細な文脈を伝える

言語スペシャリスト(翻訳者)は、各コンテンツの背景にある文脈も理解する必要があるため、文脈の手がかりを用意、情報提供しておくと、適切なローカライズ版の作成に大いに役立ちます。

すべてのテキストに、コンテンツの配置や見え方を示すメモやスクリーンショットを添付しておくと、良い手がかりになります。

たとえば1行の文字数が決まっているコンテンツは翻訳前にその情報を共有しておく、といったことです。

翻訳者用のコンテンツツールキットを用意する

スタイルガイド(出版物などにおいて統一した言葉遣いを規定する手引き)と用語集(特定の主題に関する語彙を音順などに排列したリスト)を作成することで、一貫性を高めることができます。

これにより、コンテンツチーム内で語彙を共有し、すべての言語で一貫したブランドの声を伝えることができます。

また、言語担当者が知っておくべき業界用語や略語を定義する良い機会でもあります。

適切な翻訳会社との提携

ローカリゼーションを成功させるための最良の指標は、言語サービスプロバイダ(LSP、Language Service Provider、翻訳会社)です。

お客様のニーズを理解し、トップクラスのローカリゼーションツールを使用する適切なパートナーを選ぶことが大切です。

このプロセスには時間がかかりますが、チームを助けてくれる長期的なパートナーを見つけることには十分な価値があります。

最後に

常にローカライズ(製品やサービスの翻訳を、特定の国または地域に適応させる)を意識してコンテンツを作成しましょう。

ローカリゼーションに適したコンテンツを用意することで、言語スペシャリスト(翻訳者)は効率的に作業を進め、本質的な部分に集中することができます。

そして、ローカライゼーションに適したコンテンツを用意する努力は、グローバルビジネスに於いて最高の結果をもたらすことになるのです。

まとめ

以上、「【グローバルで成功するコンテンツ】その作り方」でしたがいかがでしたでしょうか。

当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界120か国語で行います。

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