【ローカライゼーション】で避けるべき9つの翻訳エラー

翻訳外注ノウハウ

多くの企業は、翻訳についてあまり深く考えていません。

そのくせに旅行先で看板やメニューの小さな間違いに気付いたりすると、「#変な翻訳」などとSNSに投稿して笑いのネタにしたりします。

笑うだけで済めばよいですが、企業キャンペーンの翻訳でミスをすると、大きな損害が発生する可能性があります。

HSBC銀行のタグライン(ブランドが標榜するメッセージを短い言葉で端的に表現したもの、企業のロゴマークに隣接して書かれている言葉のこと)「Assume Nothing(固定概念を超えていく)」が世界的に「Do Nothing(何もしない)」と誤って翻訳され、ブランド再構築に1000万ドル(約13億円)を費やしたのは有名な話です。

翻訳ミスがビジネスを台無しにすることは通常ありませんが、評判に影響を与えることもあるのです。

ここでは、貴社が次のプロジェクトで翻訳サービスを必要とする場合に避けるべき、一般的な「翻訳エラー」をいくつかご紹介します。

※本コラムはLilt社のコラムを元にお届けしています

あまりにも直訳的である

直訳し過ぎると、良くて「不格好」、最悪の場合「見られたもんじゃない」という感じになってしまいます。特に、キャッチフレーズは直訳になりがちです。有名な失敗例をいくつか挙げてみます。

  • ペプシのスローガン「Pepsi brings you back to life(ペプシはあなたを元気に戻します)」を「Pepsi brings dead ancestors back from the grave(ペプシはあなたの先祖を墓から蘇らせる)」と中国語に訳した例
  • 「シュウェップス・トニック・ウォーター」をイタリア語に訳して「シュウェップス・トイレ・ウォーター」になってしまった例
  • クアーズのキャッチフレーズ「Turn it loose」はスペイン語に訳すと「下痢に悩まされる」になる例

ご想像の通り、これらの「#変な翻訳」は消費者やユーザーにとって興ざめ、混乱、場合によっては気分を害することにもなります。

このような大きなミスは、消費者やユーザーが「(販売者に)自分たちの価値が認められていない」と誤解することにつながり、売上低下やブランドロイヤルティの低下を招きかねません。

文化的ニュアンスが欠落している

翻訳が文法的に正しくても、重要な言語情報が欠落していることがあります。これは、翻訳者がその誤りを識別するための、文化的なノウハウを持っていない場合に起こります。

例えば、有名な翻訳ミスに次のようなものがあります。

  • スウェーデンの掃除機メーカーエレクトロラックスは、英語市場で「Nothing sucks like an Electrolux(エレクトロラックスほど最悪なものはない)」というスローガンを使用しました(本当は「Electroluxの製品よりよく吸い取れる掃除機はありません」の意だった)
  • イケアの製品名は、翻訳ミスで有名です。「Fartfull workbench」はスウェーデン語で「速い」を意味する言葉からきていますが、英語では笑いを誘う傾向(「おならがたくさん」の意)があります。
  • スターバックスの「ジンジャーブレッドラテ」は、ドイツ語でも英語と同じように「latte」という単語をそのまま使っています。しかし、英語やイタリア語では「ラテ」はミルクと理解されますが、ドイツ語ではもう少し露骨な意味のスラングになります。

技術的には正しいのですが、二重の意味を持っていたり、響きが悪かったりするため、これらの翻訳はターゲットとする市場には通用しなかったのです。

誤ったトーンを使っている

翻訳は、間違ったトーンやスタイルで行われた場合にも失敗することがあります。

「中国の新聞社の金融記事を英訳したところ、米ドルの値下がりを引き起こした」のは有名です。元の中国語の文章はカジュアルな金融概観であったのに、英訳は権威的で思慮分別のないものになったため、読者に誤った印象を与えてしまったのです。

翻訳文は良い出来だったかもしれませんが、元の文章のスタイルを理解していなかったために、悲惨な結果を招いてしまったのです。

自動(機械)翻訳に頼っている

ブラウザで簡単に利用できる自動(機械)翻訳は、多くのウェブブラウザがページ上のコンテンツを翻訳するためのサービスとして提供しているものです。

これらはたしかに素晴らしいものなのですが、それだけに頼ると大きなエラーを引き起こす可能性があります。

最近、スペイン産業省のウェブサイトでは、”Dolores del Campo “というスタッフの名前を “Pain of field(野原の痛み) “と自動(機械)翻訳してしまいました。

もちろんこのサイトだけが問題というわけではありません。昨今、機械による自動翻訳の誤りは、私たちのオンラインの世界では当たり前になってきています(そして、イライラさせられます)。

自動(機械)翻訳はコスト削減の手段にはなりえますが、良いユーザー体験を与えるものであるとは言えず、セキュリティ面にも不安が残るシステムにただ盲目的に信頼を置いていることになるのです。

文化的に不適切な画像を使っている

画像、ビジュアル、アイコン、絵文字などは、常にターゲット市場を意識して選択する必要があります。

ローカライゼーションの失敗で有名なのは、プロクター・アンド・ギャンブル社がパンパースの日本での販売を開始した際、コウノトリが赤ちゃんを運んでいるイメージをそのままパッケージに使用したことです。

日本にはコウノトリの物語がないため、そのイメージがうまく伝わらず、日本の親御さんたちは困惑したそうです。

ローカライゼーションで避けるべき9つの翻訳エラー

ユーザー調査をしていない

翻訳はターゲットとなる地域のリサーチと密接に関係していますので、新しい地域で新しいキャンペーンを行なう前に、その市場を徹底的に理解する必要があります。

これには現地の習慣、社会通念、ユーザー行動、テクノロジーの使用状況などが含まれます。

例えば、ペプソデント(アメリカの歯磨き粉ブランド)社は必要な市場調査を行わなかったため、「歯を白くする」というキャッチフレーズで東南アジアでの販売に苦戦しました。

その後の調査で、東南アジアでは地域によってはビンロウの実を噛んで歯を黒くする社会習慣があることがわかり、全く逆の効果があったことがわかったのです。

地域差の把握ができていない

言語は非常に多様であり、場所によって異なることがあります。特に、スペイン語やアラビア語など、地域によって話者数が大きく異なる言語では、その傾向が顕著です。

だからターゲット市場を専門とする翻訳者を見つけることが重要です。そうしないと地域ごとの翻訳で重要な語彙や言語的規範が欠落する可能性があるのです。

アメリカン航空は、メキシコでレザーシートを宣伝する際、「Fly in leather」というスローガンを「Vuela en cuero」と表記しましたが、これはスペイン語圏の一部の地域では「裸で飛ぶ」という意味になります。

この意味はラテンアメリカ諸国では一般的ではありませんが、メキシコのお客様には間違いなく失言だったようで、このように地域差を見抜けなかったために、トラブルに巻き込まれた例もあるのです。

プロの翻訳者以外が翻訳している

企業がコスト削減のために、外国語が堪能な従業員に翻訳をさせようとすることがありますが、これは一般的にあまり良い考えではありません。言語能力と翻訳能力は同じではなく、すぐに失敗する可能性があるからです。

パーカー社(ペンメーカー)は、自社のペンのスローガンである「It won’t leak in your pocket and embarrass you(ポケットの中で(インクが)漏れて恥ずかしい思いをすることもない)」をスペイン語に翻訳する際、「It won’t leak in your pocket and impregnate you(ポケットの中で漏れて(あなたを)妊娠させることはありません)」という大きな失敗を犯しました。

この「embarrass(恥ずかしい)」と「embarazar(邪魔する、当惑させる)」の基本的な間違いは、プロの翻訳者ならすぐに気がつくはずです。

特に視認性の高いコンテンツでは、プロの翻訳者を活用する翻訳会社との連携が必須となります。

校正をしていない

「#変な翻訳」は一流のメディアサイトでも起こりうるのです。

NPR(旧National Public Radio、ナショナル・パブリック・ラジオ、アメリカ合衆国の非営利団体の公共放送用番組の作成・配布を行なう)は2018年の「Year of the Woman(女性の年)」についての見出しで、誤って「El ano de la mujer(女性の肛門)」とスペイン語に訳してしまいました。

「n」の上にあるチルダ記号(~)を見逃し、代わりにスペイン語で”あの場所”を意味する言葉を書いてしまったのです。

プロの翻訳者にチェックしてもらった結果であっても、正しい校正を行わないとこのような小さなミスが起こり得るということです。

最後に

翻訳は御社のグローバル展開に不可欠な要素ですので、プロ翻訳者による翻訳とレビュー(チェック)に時間をかけることで、「#変な翻訳」のいくつかを回避することができます。

長い目で見れば、高品質の翻訳が御社の時間とお金を節約し、ブランドの評判を維持し、顧客を驚かせる良い結果を生むことにかもしれません。

まとめ

以上、「【ローカライゼーション】で避けるべき9つの翻訳エラー」でしたがいかがでしたでしょうか。

当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界120か国語で行ないます。

高い品質が求められる外国語対応や翻訳についてもしお困りでしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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