海外マーケティングにおける翻訳の役割とは?

翻訳外注ノウハウ

この記事では、海外マーケティングにおける翻訳の役割、企業における翻訳の現状、そしてマーケティングの観点から翻訳をどのように改善できるかを説明します。

企業がより国際的になり、新しい国・市場の開拓が必要になるにつれ、翻訳はそのビジネスにとってとても重要なものとなります。

なぜなら、ホームぺージや製品パッケージなど、さまざまな場面で翻訳が必要となり、なかでもマーケティング資料の場合は一字一句そのまま翻訳するのではなく、新しい国や市場にインパクトを与えるために文章を洗練させる必要があるからです。

※本コラムはAcolad Websiteのコラムを元にお届けしています

なぜ多言語でマーケティングを行うのか?

新しい市場で足がかりを得るためには、消費者にまずは企業の存在を認知してもらわなければなりません。そのためにメッセージを聞いてもらい、企業名を覚えてもらうためには、マーケティングとコミュニケーションが効果的でなければなりません。

しかしすべてをゼロから始める必要はありません。もしあなたの会社が製品やサービスに関する興味深い資料を大量に作成していれば、新しい市場でそれを利用することができます。

そしてそれら既存のコンテンツをすべて翻訳する必要はなく、新しい国や市場に関連するものだけを翻訳すればよいのです。

既存の資料の翻訳とローカライズ(現地最適化)は、新しいコンテンツを作成するよりもはるかに低コストで済みます。短いブログ記事でも作成に数日かかるのに対し、プロの翻訳者は1日平均2,000語を翻訳することができるので、既存のコンテンツを翻訳することはかなり合理的なのです。

尚、新しい市場に参入する場合、どの言語で新しい国・市場に対応するかを決定する必要があります。

英語はネット上で最も広く使われている言語であるため、ある意味「世界共通語という妥協の産物」です。しかし、人はできれば母国語でビジネスを行ないたいと考えており、母国語でのメッセージにより敏感に反応するため、世界共通語である英語よりも対象国の言語が優先されるのです。

英語に関するもう一つの課題は、SEO(検索エンジンの最適化)対策です。英語は最も広く使われている言語であるからこそ、検索結果の上位に表示されるための競争はより厳しくなります。しかし対象国の言語を使用すれば、検索エンジンでより上位の検索結果に名を連ねることができる可能性があります。

新しい市場に参入する場合、製品やサービスにはマーケティング・コミュニケーションのサポートが必要です。口コミだけで認知される製品はごくわずかです。

新たな国や市場でターゲット層を獲得するためには、多言語でのマーケティングが必須の成功条件なのです。

多言語マーケティングに必要な翻訳をどのように行なうか

多言語マーケティングを行なう方法は4つあり、それぞれに長所と短所があります。詳細は以下のとおりです。

ターゲット国の言語が使える社内・グループのスタッフが行なう場合

マーケティング関連の翻訳で最も一般的な方法は、ターゲット市場で働く従業員を利用する方法です。この場合、企業は現地に何らかの組織を持っている必要があります。

現地文化に精通した、ターゲット国の言語を母国語とするスタッフが、マーケティング対象の製品についてもっともよく知っていることは間違いなく大きなメリットです。しかし自分の主業務と並行して翻訳を行なうことにはそれなりに問題があるでしょう。

さらにこの方法には大きな課題もあります。それは、スタッフにマーケティングの知識がない場合、クリエイティブな翻訳コンテンツをどう作成するわからない可能性があるということです。

翻訳に掛かる時間も、プロの翻訳者と比べるとずっと長いものになるかもしれません。翻訳する量が多い場合などは通常、翻訳会社が行なったほうがはるかに短い時間で済むのです。

強み

  • 現地の文化や言語に関する知識
  • 企業、文化、製品に関する知識

弱み

  • リソースの問題(キャパシティや時間、主業務との兼ね合い)
  • マーケティング・コミュニケーションのスキル不足の可能性

マーケティング会社が行なう場合

企業は、国内外を問わず、マーケティングをマーケティング会社に委託することが多いものですが、マーケティング会社が自社で翻訳者を抱えていることはほとんどないため、翻訳はフリーランスや翻訳会社に委託することになります。

この場合、マーケティング会社がクリエイティブ面を担当し、翻訳をフリーランスの翻訳者か翻訳会社が担当することになりますが、このケースの紛れもない強みはマーケティング会社の専門性です。

マーケティングの専門家はさまざまなターゲット層に対応する方法を知っていますし、もちろん検索エンジンマーケティングの裏技も熟知しています。

しかしこのようなかたちで翻訳だけプロの翻訳者や翻訳会社を使うことになると、言語に関する問題が発生する可能性があります。

なぜなら、翻訳が数あるクライアントとのプロジェクトのごく一部として処理されるため、翻訳技術の活用が不十分であったり、活用されなかったりするのです。

翻訳技術を十分に活用しない翻訳は、直訳的になったり、原文が持つ洗練された文体や語調が翻訳文に反映されない可能性があるのです。

また、プロジェクトごと翻訳の部分だけ相見積もりをとり、毎回取引先(翻訳者、翻訳会社)を変えていると、企業のコミュニケーションの一貫性を崩すことにもなりかねません。

強み

  • トップクオリティのマーケティングノウハウ
  • 適切な声のトーンの把握

弱み

  • 翻訳者の志向性、技術の未活用、継続性のなさ
  • 翻訳が正しく伝わらない

翻訳会社が行なう場合

多言語マーケティングの翻訳を、翻訳会社に直接委託するのも有効な手段です。この方法の強みは、言語の専門知識と現地の文化に関する知識です。

翻訳会社は翻訳者の大規模なネットワークを持っているので、世界中から現地の翻訳者を確保することができます。

課題は、翻訳会社が「顧客企業のサービスをより深く理解する」という必要があることでしょう。つまり、理解に必要な時間が加わるため、翻訳と編集に時間がかかるということです。

強み

  • 現地に精通した翻訳者
  • プロフェッショナルな翻訳品質

弱点

  • 顧客企業やその製品・サービスに関する知識不足

社内の翻訳チームが行なう場合

最も稀な方法として、企業内の翻訳チームが多言語マーケティングの翻訳を担当することもあります。この方法の長所は、すべての言語を一貫したメッセージで発信することができることです。

翻訳チームがマーケティングチームと連携することで、ブランディングのトーンも一定に保つことができ、マーケティングチームが求めるメッセージに的確に翻訳で対応することができるこの方法は、多言語マーケティングでは最も効果的です。

ただし、この方法の課題は価格です。翻訳チームを社内に持つことは高額な投資となります。そして費用対効果を維持するためには、継続的に大量の翻訳を行なう必要がありますが、独立採算で翻訳チームを維持できるほど大量の翻訳を行なう企業はごくわずかです。

強み

  • 質の高い翻訳と一貫したメッセージ
  • マーケティングチームとの連携

弱点

  • 費用対効果を高めるために、非常に大量の翻訳が必要
海外マーケティングにおける翻訳の役割とは?

良い海外マーケティングとは?

もしターゲットに響く良い海外マーケティングを目指すのであれば、本当にフォーカスすべきは翻訳の部分ではないのです。ターゲットに訴えかけることが目的なら、クリエイティブな解釈と工夫を凝らした、翻訳する前の文章こそ必要なのです。

ただ元の文章を一言一句そのまま翻訳しただけのものは、テキストに強い効果を与えるために脚色し過ぎたクリエイティブ同様、おそらくターゲットに影響を与えることはないでしょう。

翻訳の目的は通常、「元のメッセージをできるだけそのままのかたちで別の言語で伝えること」ですが、マーケティング文章には現地の読者にアピールするニュアンスが必要であり、それを可能にするのが翻訳におけるクリエイティブな解釈なのです。

新しい国や市場には、そこの対象にぴったりと合うように微調整されたメッセージが必要です。

より良い多言語マーケティングを目指すには、ターゲット層を知ること、そしてターゲットに合わせたメッセージを発信することが大前提となります。

ターゲット層を知ることには、現地の習慣、検索習慣、文化に関する知識も含まれますが、この点を重視すれば新しい市場によくある落とし穴にはまらずに済みます。言葉や用語の中には、特定の言語圏で問題になったり、タブーになったりするものがあったりするからです。

多言語マーケティングでは、本国市場と同様、指標とモニタリングが重要です。新しい市場では特に初期の段階では、どのような施策が有効で、どこに改善の余地があるのかを把握するのがよいでしょう。これにより、新しいターゲット層にどのようなメッセージを訴求するか、という重要な情報を得ることもできるからです。

多言語マーケティングで翻訳会社が提供できる付加価値

最新の翻訳会社はさまざまな方法で企業の海外マーケティングを支援します。

広範な翻訳者ネットワークにはターゲット層にアピールするクリエイティブな翻訳ができる、マーケティング分野を専門とする翻訳者が含まれています。

また、このネットワークにはターゲット言語でゼロから新しいコンテンツを作成できる人材も含まれています。翻訳者、編集者、コピーライターが、言語とクリエイティブの両方の専門家として同じ屋根の下にいるのです。

また、海外SEO(多言語検索エンジン最適化)対策も付加価値のひとつです。このネットワークにはSEOの技術やツールを習得した翻訳者がおり、例えばホームぺージの翻訳では検索エンジンに最も関連性の高いキーワードを選択することが可能です。

また、翻訳技術を使うことで実現するコスト削減も覚えておくとよいでしょう。例えば、検索エンジンマーケティングでは専用の用語集が優れたツールになります。

そこに蓄積されたキーワードを自社のコンテンツ制作や検索エンジンマーケティングに活用したり、翻訳者が翻訳やクリエイティブな文章を作成する際に活用したりすることができるのです。

用語集を多面的かつ多様に活用することで検索エンジン対策が改善する可能性が高まるため、企業が多言語でマーケティングを行なう際に専用の用語集を利用するメリットは明白です。

さらに、既存のマーケティング資料をローカライズ(現地最適化)する場合は翻訳メモリ(原文と翻訳文を一対としてデータベース化し、その内容を自動的に繰り返し利用することで翻訳を支援する翻訳支援ツール)が非常に有利に働きます。

繰り返しの多いコンテンツであれば、翻訳メモリを使用することで翻訳コストを削減することができるからですが、クリエイティブなテキストでは繰り返しを敢えて避けテキストをユニークなものにする傾向が強いため、マーケティング文書に於けるコスト面でのメリットは同じではありません。

翻訳会社はマーケティング文書のクリエイティブな翻訳だけでなく、動画制作の専門家も有しています。また、動画やホームぺージコンテンツ制作の専門知識を有している場合もあります。

変化する世界において、翻訳会社は市場のニーズの変化に適応しているのです。

優れた海外マーケティングの条件とは?

新しいターゲット層にアピールするための国際的なマーケティングを企画、運営する場合、すべては包括的なブリーフィングから始まります。

ターゲット層、ブランディングのトーン、キャンペーンやメッセージの目的などを、翻訳やその元となるクリエイティブ文書の制作者たちに詳細に伝えるにあたり、情報が多過ぎるということはまずないので、可能な限り包括的な指示を出すべきです。

企業にとって初めての多言語キャンペーンであれば、母国市場で使用されている資料の例を含めると効果的かもしれません。スタイルやブランディングのトーンについて、より正確なイメージ形成に役立つからです。

また、企業の多言語マーケティングが広範囲に及ぶほど、関係者のコラボレーションと対話が重要になりますが、お互いの理解が深まれば深まるほど、その協力関係は実りあるものになるはずです。

最後に

企業の規模や戦略によって海外マーケティングを実施する方法は様々です。そしてどのアプローチも長所と短所があるため一概にどれが正しいとは言えません。

翻訳会社は多言語マーケティングに大きく役立つサービスを提供しているかもしれません。ただ、多くの人がそのことを知らず、せっかくの知見を使わずに放置しているだけなのです。

翻訳会社は翻訳以外にも、さまざまな方法でクライアントを支援することができるということです。

まとめ

以上、「海外マーケティングにおける翻訳の役割とは?」でしたがいかがでしたでしょうか。

当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界120か国語で行ないます。

高い品質が求められる外国語対応や翻訳についてもしお困りでしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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