海外進出をお考えですか?多くの企業がすでに進出しています。
企業は何十年も前からグローバルに事業を展開し、その成功の度合いもさまざまであり、どの会社にも当てはまるパターンがあるわけではありません。
あなたの会社は海外進出に適していますか?外国でビジネスを行うことの長所と短所を知っている人に助けを求め、決断する前に十分注意するようにしましょう。
※本コラムはbiz fluentのコラムを元にお届けしています
目次
グローバル企業とはなにか
グローバルという言葉は文字通り、世界的な、あるいは世界中という意味です。だから「グローバル企業であれば、世界中でビジネスをしているに違いない」と思われるでしょう。
しかし現実的には、世界のすべての国と取引をしている企業はほとんどないでしょう。グローバル企業とは「自国以外の、少なくともひとつ以上の国でビジネスを行っている企業」のことです。
一か国に進出するだけでも大変なことです。誰かがあなたに注文した製品をフランスやボリビアなどに発送すればたちまちグローバル企業になれる、というわけではありません。
グローバル企業になるには、その国の人々に製品や会社を紹介する必要があります。どの国から始めるか、どのように紹介するか、相当なリサーチが必要です。
その国に社員を送り込み、実際にその国を見て、その国の人と話をして、合うか合わないかを判断してもらう。
もちろん、グローバルに展開することを決め、ある国で成功すれば、当然他の国にも進出しようとするので、グローバル企業は数か国に拠点を持つことが多くなるでしょう。
グローバル企業の事例
グローバルという言葉が使われるようになったのは近年のことですが、グローバルにビジネスを展開することは決して新しいことではありません。
たとえばCoca-Cola(コカ・コーラ)は、1886年当時はまだ駆け出しの企業でした。
第二次世界大戦の頃には50年の歴史を持つようになっていた同社は、誰もが楽しめるようにと商品価格を5セントに抑えることに成功し、どこに駐留している米軍兵士にも5セントで提供すると決めました。
そして現在では世界200か国以上でコーラやスプライト、ファンタなどの清涼飲料水やダイエット飲料のみならず、ミネラルウォーター、アイスティー、ジュース、ビタミン入り飲料、大豆飲料など、3,800種類以上の製品を販売しています。
コカ・コーラの成功の大きな理由は、各市場を個別に見て、その地域の文化や嗜好に合った飲料を提供するという戦略でした。
特定の市場向けに新製品を作ったり、その国の人々が好むように手を加えたりすることさえもあったのです。
コカ・コーラ以外にも、ホスピタリティ企業のHyatt(ハイアット)やHilton Hotels(ヒルトンホテル)、情報技術企業のCisco(シスコ)やAdobe(アドビ)、メーカーのMonsanto(モンサント)や3M(スリーエム)、金融サービス企業のAmerican Express(アメリカン・エキスプレス)などがグローバル企業として活躍しています。誰もが知るインターネット検索会社、Google(グーグル)の存在も忘れてはなりません。
これらの全く異なる企業に共通しているのは、フォーチュン誌の2016年10月号「the 25 Best Global Companies to Work For(働きがいのあるグローバル企業ベスト25)」にランクインしていることです。
会社が自分たちを大切にしてくれていると感じ、個人的・職業的な成長を気にかけ、CEOに至るまでオープンなコミュニケーションの仕組みを持ち、仕事と家庭の時間のバランスを保つよう促してくれることを従業員は挙げています。
これらの例から、ただ大きな成功を収めるだけでなく、その実現に貢献した従業員の幸福を犠牲にすることもなく、グローバルに事業を展開することが不可能ではないことは明らかです。
「楽しい」という言葉が社員から何度も出てくるように会社を働き易い場所にすることは、長い目で見ても社内の摩擦や高い離職率に悩まされることなく、グローバルな事業展開と成長を支える優秀な社員を確保する方法なのです。
これらの企業は今日、数多くの国で事業を展開する巨大企業ですが、そのすべてが小さなスタートアップから始まったことを忘れてはなりません。
コカ・コーラはジョージア州アトランタのダウンタウンにある一軒のドラッグストアでささやかにスタートしました。
グーグルはスタンフォード大学の二人の大学院生、サーゲイ・ブリンとラリー・ペイジの研究プロジェクトとしてスタートしたのです。
グローバル企業として成功するためには、ゆっくりと、ひとつの国毎に進めていくことです。
グローバル企業のメリット
The U.S. Small Business Administration(米国中小企業庁)の報告によると、世界の消費者の96%は米国外に住んでいます。
グローバルに展開することのメリットは、手を広げることで売上と利益を増加させることにあるのは明らかです。さらに自国以外の国に拠点を置くことには、他にもさまざまなメリットがあります。
顧客基盤の拡大
他国での販売により、顧客基盤が大幅に拡大します。
「自社製品が自国内ではすでに飽和状態にあるが、進出先の国ではそうでない」という調査結果があれば、未開拓の潜在顧客層を手に入れることができます。
自国の顧客にはおなじみの商品でも、海外の顧客にはまったく新しい商品なのです。
運営コストの削減
新しい国の人件費や製造コストが安ければ、営業コストを削減することができます。これは会社の収益に大きな違いをもたらすでしょう。
季節の違いを利用できる
季節性のある製品の場合、つまり特定の季節に売上が急増する場合、自国と逆の季節の国に進出することにより、年間を通じて高い売上レベルを実現することができます。
製品投入をコントロールする
また、進出先ですべての自社製品をラインアップする必要はないことも覚えておきましょう。まずは季節商品だけで、大々的な広告を打ち、存在をアピールすることもできます。
シーズン終了後は他の商品を次々と投入し、その都度メディアで話題にしていくのです。
この新たな市場は貴社の製品ラインアップを知らないので、その市場で最も意味のある製品だけを販売することができます。
高い成長率を維持する
これまで急成長してきた企業が、自国での成長が止まってしまった場合、他の国に進出することで成長を再度軌道に乗せることができます。
新たな雇用を創出する
外国市場に参入する際は、あなたの会社を代表する従業員や代理店が必要です。
現地にオフィスや製造施設を持つにせよ、単なる代理人(代理店、エージェント)にせよ、その国で雇用を生み出すことになります。
これはその国の経済に貢献することになり、あなたの会社をより魅力的なものにします。
グローバル企業の落とし穴
海外進出はバラ色の未来ばかりではありませんので、進出を検討している国について十分に調査し、好ましくない事態を最小限に抑えることが重要です。
規制や技術の違い
国によってビジネスに関する規制が異なるように、他の国でも雇用法や税法が異なるため、事前に理解しておく必要があります。
進出を決めた後でこのような問題に驚かされるような事態は避けなければなりません。
インフラの問題
多くの国には、自国のような信頼できるインターネットや携帯電話のサービスがありません。特にアフリカなどの発展途上国では、通信サービスが不安定であったり、全く存在しなかったりします。
現地にオフィスや製造拠点を設ける場合も、代理店を置く場合も、進出先でインターネットや携帯電話の通信が可能かどうか必ず確認してください。
ウェブサイトの開設、ソーシャルメディアへの投稿、その国の代理人とのコミュニケーションに必要です。
海外では道路事情や交通事情など、移動に問題がある場合もあります。たとえばヨーロッパ諸国の古い街並みには狭く曲がりくねった道しかなく、駐車場もほとんどありません。
一見魅力的ですが、従業員や代理店にとってはビジネスを行う上で悪夢となる可能性があります。
フランス語は話せますか?
英語でビジネスをすることを前提にしないでください。英語を話す人もいますが、多くの人は学校で英語を習ったわけではなく、母国語でビジネスを展開しています。
メールの送信からソーシャルメディアでの宣伝まで、ビジネスを行うために使用するソフトウェアがその国の言語に対応しているかどうかを確認してください。
進出する国が決まったら、自分自身や一緒に進出する人たちのために、言語学習をすぐに開始しましょう。
自国ではないことを強く自覚する
海外進出すると、文化が理解できないために本当に奇妙な場所に降り立ったような気分になることがあります。
たとえば「箸を茶碗に立てたままにしておく」という単純なことが中国では無作法と見なされることがあります。また、ドイツでユーモアを交えた商談をすると商談が成立しないこともあります。
さらに、インドでの商談では決して「ノー」と言ってはいけません。"We'll see(そのうちに、ね)" や "I will try(努力してみるよ)" を選ぶようにしましょう。
専門家や専門組織、その国に進出している知人に、あなたが検討している国のやり方が自国と比べてどのように違うのか聞いてみましょう。
グローバル企業になるには
コカ・コーラが海外市場に進出する際、その国や人々について、集団としての好き嫌いまで含めて徹底的に調査しました。
その結果その国で売れそうな商品とそうでない商品、また、現地の習慣に合わせた接し方などをよく理解することができました。
一にリサーチ、二にリサーチ、とにかくリサーチするのみ
グローバルに展開する前にリサーチし過ぎたということはありません。
どの国から始めるか?他の人がグローバル展開を始めたときどのような経験をしたのか?専門家や専門組織にコンタクトして彼らが持っている情報をすべて貪ることです。
専門家や専門組織は多くの組織と関係を持ち、その地域に進出する企業を支援しています。
地域の組織に連絡を取り支援を求める。多くの場合、現地のスタッフも調査を手伝ってくれるのですべてをあなたがやる必要はありません。
進出先の国に現地チームを作る
進出したい国を選んだら、その国の人を探して手伝ってもらいましょう。
彼らは自分の国のことをよく知っていますし、外国人の創業を支援することをビジネスにしていることも多いのです。
そして現地のチームが与えてくれる情報やフィードバックに必ず耳を傾けるようにしてください。これは当たり前のことのように思えますが、企業がグローバル化する際に最も犯しやすい失敗のひとつです。
現地のチームを雇ったはいいが、そのチームから出された提案を軽視してしまうのです。
「私が見た企業の最も残念な間違いのひとつは、海外市場に対応するために非常に有能で賢い現地人を採用しながら、戦略的決定をする際に彼らの意見を考慮しないことだ」
ビジネスコンサルタントのNataly Kelly(ナタリー・ケリー)氏はHarvard Business Review誌で書いています。また、会社の幹部は現地のチームの意見を聞かずに、彼女の意見を聞くこともあったといいます。
もしかしたらこのアドバイスは、あなたがビジネスについて学んできたことに反しているように思えるかもしれません。
しかしだからこそ他の国のことを「外国」と呼ぶのです。自国でしかビジネスをしたことがない人にとっては、外国人のやり方は奇妙に映るかもしれません。
ゆっくりでいい
アイデアを思いついたらすぐに行動に移したくなるのが人間の性です。しかしあなたのビジネスが今日あるまでにどれだけの時間がかかったか、考えてみてください。
今、あなたは異国の地に足を踏み入れ、苦労して手に入れた利益を危険にさらすことを考えているのです。
徹底的に調査し、他の進出企業やグローバル展開を支援する組織から助言を求め、適切な現地チームを編成するために必要な時間をかけましょう。
1-2-3プランに従う
専門家や専門組織は、三つのステップからなる計画でそれをシンプルにしています。
- カウンセリングを受ける
- バイヤーを探す
- 融資を受ける
といった内容ですが、各ステップにおいて様々な支援の方法が提供されていると思います。専門家や専門組織のウェブサイトにアクセスし、必要な支援について問い合わせてみてください。
そうすれば「あなたの製品を買いたい」という新しい顧客でいっぱいの市場に、いつの間にか声をかけていることになるかもしれません。
まとめ
以上、「【グローバル企業とは?】事例、メリットと落とし穴」でしたがいかがでしたでしょうか。
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