以前は国際ビジネスに参入できなかった多くの国々で、貿易障壁が緩和されたことにより数え切れないほどの製品やサービスのカテゴリーに於いて中小企業に大きな成長のチャンスが生まれました。
チューリッヒに本社を置くコンサルティング会社KOF Instituteによると、地球上の人口のうち国際市場に占める割合は、わずか30年前は15〜20%であったものが2000年代最初の10年間には95%に達していたとのことです。
このような機会があるにもかかわらず、多くの中小企業経営者は、国際ビジネスで使われるさまざまな事業戦略に関する独特の用語に戸惑っています。
たとえば、transnational(トランスナショナル、国境を越えた,一国の利害にとどまらない、多国籍企業の)を、グローバル企業を表現するために使われるよく似た用語と同じと解釈する人もいます。
実際、越境(トランスナショナル)はグローバル市場で企業が使用する4つのビジネス戦略のうちのひとつを示しています。
越境(トランスナショナル)は、他の3つの要素を取り入れたハイブリッド戦略であり、国際(インターナショナル)戦略とは全く異なるものなのです。
※本コラムはbiz fluentのコラムを元にお届けしています
国際および、越境ビジネス戦略
企業が国際および、越境ビジネス戦略にまつわる問題に対処するために用いる、主要な経営戦略は以下の4つです。
- 国際ビジネス戦略
- 多国籍ビジネス戦略
- グローバルビジネス戦略
- 越境(トランスナショナル)ビジネス戦略
国際ビジネスとは?
基本的には輸入業者と輸出業者のことです。国際ビジネスは、事業を展開している相手国への直接投資は行いません。
国際ビジネスは、製品やサービスを現地市場向けに限定的にカスタマイズすることもありますが、一般的にはカスタマイズが優先されることはありません。
財務、営業、経営に関するすべての決定は母国の本社で集中的に行われますが、国際ビジネスの典型的なモデルは近隣諸国へ輸出する小規模なメーカーです。

多国籍ビジネスとは?
多国籍ビジネスはしばしばマルチドメスティック戦略(multidomestic strategy、企業が海外に進出する場合、それぞれの国を一つ一つ多様な存在と考え、国毎に対応した製品、マーケティング、生産戦略などをとること)と呼ばれ、事業を展開する相手国に直接投資を行います。
意思決定の権限は相手国の担当組織に委譲されますが、各担当組織は現地市場の好みに合わせて製品やサービスをカスタマイズします。
グローバルビジネスとは?
グローバルビジネス戦略を採用する企業は、地球全体を一つの巨大な国内市場であるかのように事業を展開します。
グローバル企業は強力な中央集権的経営管理を行い、事業を展開するすべての国で標準化された均一な製品または、サービスを提供します。
多国籍企業と同様、グローバルビジネスもそれが適切と考える場合は相手国への直接投資を行います。
しかし投資に関する意思決定はすべて母国本社の経営陣が行い、その主目的は現地市場の嗜好への対応ではなく規模の経済を実現することにあります。
越境(トランスナショナル)ビジネスとは?
越境(トランスナショナル)戦略は、国際的なビジネスモデルやグローバルなビジネスモデルと同様に、中央管理構造を採用しています。
しかし越境(トランスナショナル)戦略が国際戦略と異なるのは、「コントロール」の対象が、現地市場の事業部門の活動を調整し事業部門間の統合的・相互依存的なシナジーを実現することであることです。
各担当組織はそれぞれ得意とすることに特化して組織に貢献します。たとえば中国のある事業部門が製造を担当し、インドにある別の事業部が技術サポートを担当する、といった具合です。
越境(トランスナショナル)の包括的なテーマのひとつは、現地市場への適応性です。そのため越境(トランスナショナル)企業は現地市場の状況に柔軟に対応することに積極的な傾向があります。
また、現地市場向けに容易にカスタマイズできる標準的な製品やサービスを開発したり、一部の越境(トランスナショナル)企業はこれをさらに推し進め、世界中に戦略的に分散したミニ工場で作られたマスカスタマイゼーション製品を製造しています。
まとめ
以上、「【国際ビジネスと越境ビジネス】二つの違い」でしたがいかがでしたでしょうか。
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