貿易障壁が緩和されるにつれ、中小企業経営者はグローバル市場への進出によって事業を拡大し始めています。

しかしグローバル市場と国内市場の違いは、文化や言語、競争慣行、原材料のサプライチェーン、製造や製品仕様、物流、政治や法制度の違いなど、企業の海外事業のあり方に影響を与えるものです。

グローバル市場への進出ですべての企業が直面する基本的な課題は、これらの違いに対応するために最も適切なビジネス戦略を選択することです。

※本コラムはbiz fluentのコラムを元にお届けしています

世界市場に対する4つのアプローチ

グローバルビジネス戦略とは、「グローバル市場に於いても自国内での事業戦略をそのまま用いる」ものから「現地市場に組織を設立、事業を展開して現地市場に完全に没入する」ものまで、様々なビジネス戦略を含む包括的な言葉です。

グローバル企業が一般的に採用しているグローバルビジネス戦略には、国際戦略、多国籍戦略、グローバル戦略、越境戦略の4つがあります。

国際戦略

国際戦略を採用する企業は通常、グローバル市場の違いに合わせて国内の事業戦略を変更することは行いません

国際戦略は、自国内の事業戦略をそのままグローバル市場に適用したもので、すべての意思決定は母国の本社で一元的に行われます。

国際戦略の典型的な例は、対象国の代理店やその他、仲介業者を使って自社製品を外国に輸出する企業です。

多国籍戦略

多国籍企業は、それぞれの国に適した地域密着型の事業戦略をとっています。

現地法人は親会社から独立した自律的な組織として、企業全体のガイドラインの範囲内で運営されています。

投資や製品開発についても現地法人が自主的に決定し、マーケティングや販売戦略についても、その国の文化に根ざしたものを追求します。

その戦略は他の国のグループ会社の戦略や、親会社の国内事業戦略とはかなり異なる場合もあります。

スイスに本社を置くネスレは、地球上の至る所に自律的な現地組織を持つ多国籍企業の元祖と言われています。

国内事業戦略とグローバル事業戦略の違い

グローバル戦略

グローバル戦略は国内事業戦略のバリエーションのひとつで、グローバル戦略を採用する企業は世界市場を「巨大な国内市場」として扱います

同じ製品を、同じマーケティング戦略で、すべての国で販売します。

戦略的な製品開発、投資、マーケティングの決定のほとんどは世界本社と呼ばれる部門に集約されますが、グローバル企業は一般的に現地市場の意思決定を現地市場の担当組織に委ねます

アップルのような多くのグローバルエレクトロニクス企業はグローバル企業として活動していますが、彼らは世界共通のマーケティング、コミュニケーション戦略を用いてすべての市場で同じ製品を販売しています。

越境戦略

越境企業は、国内戦略とグローバル戦略のハイブリッド戦略を追求します。

中央集権的な「管理方法」は、国際事業戦略やグローバル事業戦略に典型的に見られる「トップダウン」の方法とは全く異なるものです。

越境的な垂直的管理とは、それぞれに専門化したグローバルな組織の活動を同期し、完全に統合されたグローバル企業を実現することです。

たとえばドイツの担当組織が研究開発と製品開発を行い、アイルランドと韓国の担当組織が製造を行う、というようなことです。

規模の経済と範囲の経済

最適なグローバルビジネス戦略を選択するためには、大規模生産の効率を最大化する「規模の経済」と、現地市場の嗜好に対応する「範囲の経済」との間で妥協点を試行することが必要です。

国際事業戦略、グローバル事業戦略は規模の経済を重視し、多国籍戦略は範囲の経済を重視し、越境戦略はその両方を実現しようとするものです。

中小企業者は一般に、規模の経済を最大化する国内事業戦略を採用し、資本の許す限り範囲の経済を重視するというグローバル戦略を採用し、現地市場の選好に対応することによってグローバル市場に参入します。

まとめ

以上、「【国内市場とグローバル市場】事業戦略の違い」でしたがいかがでしたでしょうか。

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