多くの経済学者は自由貿易を「世界経済の潜在力を最大限に引き出す最良の方法」と言いますが、その世界には勝者と敗者が存在します。
自由貿易は保護関税がなくても競争力のある企業や産業に利益をもたらし、消費者はより多くの商品を、より安く購入できるようになるかもしれません。
一方、人によっては自由貿易は雇用機会の喪失を意味し、国によっては重要な産業が消滅してしまう可能性があるのです。
※本コラムはLilt社のコラムを元にお届けしています
大規模な雇用機会の喪失
貿易障壁がなくなると、ある種の商品は国内で作るより海外から調達した方が安くなる可能性があるため、競争力のない産業が衰退し、雇用が失われる可能性があります。
自由貿易による失業者を他の比較優位性のある、効率的な産業に割り当てることで国全体に利益をもたらす、と多くの経済学者は主張するでしょうが、それは必ずしも可能ではなく、また現実的とも言えません。
また、そのような調整は短期的でなく長期的な取り組みが必要とされます。
たとえば、ずっと工場で働いていた人が情報技術の専門家として新しいキャリアをスタートさせるのは簡単なことではないのです。
略奪的な価格設定
貿易障壁が全くなくなると、どんなに効率的な企業であっても海外のライバル企業による略奪的な価格戦略によって損害を受ける可能性があります。
たとえば資金力のある外国企業がその製品を市場に投入すると、他の企業を市場から追い出し、独占的な地位を獲得して自由に価格設定ができるようになるということです。
自由貿易協定の中には、そのような行為が証明された場合は報復関税を課すことを認めているものがあるほどです。

脆弱性の増大
戦略的な観点からみると、自由貿易によって重要な産業が衰退すると、その国は脆弱になる可能性があります。
ある国が重要な製品やサービスを他国に依存するようになった場合、協定が破棄されるとある日突然政治的圧力が掛かり、その製品やサービス商品を購入できなくなる可能性があります。
また、近隣諸国と自由貿易協定や特恵貿易協定を結んでいる国は、その協定の他国への拡大が自国の不利益につながる場合は反対することもあります。
たとえばロシアがウクライナとの貿易協定を破棄し、ウクライナ産品に関税をかけると脅したのは、ウクライナがEUとの関係を深めようとしているためです。
新しい産業が育たない
新興国の産業は、関税の保護や税制優遇措置など、生産に影響を与える国内戦略の恩恵を受けることが多いため、このような保護がなくなると新しい産業が育ちにくくなるかもしれません。
たとえば、コストが参入障壁となる産業で成功することを目指す起業家にとって、海外の競合他社がすでに規模の経済を享受し、かつ市場へのアクセス方法を確立している場合、特定の国で製品を発売することは困難でしょう。
税金のトラブル
自由貿易は、国が国内企業から税金を徴収する上での障害となることがあります。
国境を越えた自由貿易と自由な資本の移動を認めつつも高い税率を設定している国の場合、その国のポータブルな産業が他の国に移っていってしまう可能性があります。
たとえば、農場は簡単に海外に移転できませんが、企業であれば本社を他の場所に移したり会計方法を変更することで、税制上より有利な地域で利益を計上したりすることが容易にできるようになるからです。
まとめ
以上、「【自由貿易】のデメリット」でしたがいかがでしたでしょうか。
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