Debra Johnson(デブラ・ジョンソン)氏とColin Turner(コリン・ターナー)氏は、その著書「International Business(国際ビジネス)」の中で、「グローバル化のトレンドにより、企業は海外事業を展開するための戦略を考えざるを得なくなる」と述べています。
また、その要因としてマーケティングのグローバル化、国内市場の限界およびそこからの脱却、海外市場の差異を利用すること、などが挙げられています。
しかし海外に進出したからといって、より高い収益が保証されるわけではありません。多くの企業は海外進出を選択する際に、共通するいくつかの障害に直面するのです。
※本コラムはLilt社のコラムを元にお届けしています
マーケティング
製品のメッセージや目的、機能を伝えるためには現地の伝統や習慣に従わなければなりませんが、言葉の壁、食文化の理解、適切な販売方法など、海外でのマーケティングには様々なハードルがあります。
また、どんなに優れたマーケティングプランでも、うまくいかないこともあります。Michael White(マイケル・ホワイト)氏は著書「A Short Course in International Marketing Blunders」の中で、スイス政府のPRキャンペーンが計画通りにいかなかった例を紹介しています。
スイス政府がスイスの田園風景をイメージさせるために、グラスファイバー製の牛50頭をニューヨーク市内に設置するために送ったのですが、この牛がとても燃えやすいことが住民に知れ渡ってしまい、多くの市民は飾りそのものよりもそれに火を点けることに夢中になってしまったのです。
経済性
対象国の経済についても考慮する必要がありますが、政治的な腐敗や不安定さ、政府の種類、労働力の質などが(障害の)要因として挙げられます。
先進国で教育水準の高い労働力を持つ国は、政情が不安定で政府が腐敗している国よりも一般的にコストが掛かるため、企業は特定の業務をアウトソーシングする際にはコストと安定性のトレードオフについて分析するのが一般的です。
財務
多国籍企業は為替リスクや法人税といった障害を乗り越える必要もあります。
「International Business Finance(国際ビジネス金融)」の著者であるMichael Connolly(マイケル・コノリー)氏は、「海外企業との取引に於いては、先物取引または、先渡契約を結ぶことでリスクに対処すべきである」と述べています。
また、コノリー氏は先渡契約はカスタマイズされた契約だが、先物取引は標準的な契約であると説明しています。
どちらの契約も、スポットレート(直物取引、スポット取引)による為替取引で多額の資金を失うことを防ぐことができるものであり、さらに交渉にどれだけの費用がかかるかを事前に知ることができるものです。
このほかにも各国の法人税の支払や、どの国、どの業者が一番得なのかを見極めることなど、金銭的な障害もあります。
物流
外国に製品を持ち込んだり、あるいは外国から持ち帰ったりすることも、国際ビジネスでは共通の障害です。
ほとんどの場合、企業は現地の道路や地域に精通した現地の業者を探します。また、現地の業者はその国で最も安く、信頼の置ける輸送方法を知っていることが多いものです。しかしながら信頼できる業者探しは大変な作業です。
多国籍企業の多くは、在庫がタイムリーに到着するよう、信頼できる追跡手段を持っていることを業者に期待しています。
また、品質管理も物流に於ける障害のひとつです。たとえばある種の工場基準が、外国では自国よりも低いといったことがあるかもしれないからです。
マテル社(米おもちゃメーカー)は、中国の工場で生産された、有害な鉛を含む塗料を使用した玩具の回収を余儀なくされ、この教訓を痛感しました。
まとめ
以上、「【国際ビジネスに於けるさまざまな障害】とは?」でしたがいかがでしたでしょうか。
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