国際ビジネス参入戦略

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ビジネスが成長、拡大するにつれ、経営陣は新たな市場に参入するか否かを決定しなければならない局面に立たされることがあります。

国内市場が確立された後に国際市場に目を向け、国外進出を検討することは理にかなっていますが、国内ビジネスから国際ビジネスへの移行は複雑であり、その詳細を理解していない企業は国際市場に参入する際に苦労する可能性が高いものです。

※本コラムはLilt社のコラムを元にお届けしています

国際市場進出戦略

国際市場進出を目指す企業は、参入戦略として以下の三点について検討する必要があります。

  1. 調達
    • 新地域で商品を自ら製造するか、既存の生産拠点から新地域に輸送するか、あるいは新地域で商品を購入、再加工して販売するかを決定しなければなりません。その結果によって市場参入に掛かるコストが変わってきます。
  2. マーケティング
    • どのような市場に参入するのか、どのようなセグメントが最も重要なのか、マーケティング戦略はグローバルなのか地域限定なのか、など新地域でのマーケティング戦略が必要です。
  3. オーナーシップ
    • 新規事業は既存会社の一事業として行うのか、それともグローバル・パートナーを探すのか。また、ライセンスやフランチャイズで運営するのか。買収できる外国企業やジョイントベンチャーの機会はあるか?といったことも検討が必要です。


これら三つの重要な要素はすべて、企業が国際市場に参入するためのさまざまな方法、すなわち「参入戦略」にセットとして組み合わされます。

市場参入戦略のフレームワーク

市場参入戦略とは、組織が新しい市場に参入するための計画方法を包括するものですが、国際市場への最も一般的な参入戦略は以下の通りです。

  • 輸出
  • ライセンス供与
  • 提携
  • 買収
  • フランチャイズ
  • ターンキー方式(一括請負契約)/グリーンフィールド方式(未開発地域の開発)

輸出

輸出とはある国から他の国へ商品を直接販売することですが、輸出には直接輸出(仲介者を介さず、本社から直接商品を販売する)と間接輸出(仲介者に商品を販売し、その仲介者が海外市場での販売に責任を持つ)があります。

間接輸出は一般的に企業にとってリスクが低いですが、国際マーケティングが経営戦略の重要な部分を占めるようになると予想される企業には、直接輸出のほうがお勧めです。

いずれにせよ輸出は国際市場に参入する最も早い方法であり、企業の知的財産を保護することができますが、物流や輸送によって製品に追加コストがかかり、プロセスも複雑になる可能性があります。

また、輸出の場合は新しい地域で生産することはないので資本投資はほとんど必要ないものの、輸出を成功させるためにマーケティングに多大な投資をする必要が生じます。

輸出は国際市場を開拓するための良い試金石となり、商取引のオンライン化はプロセスの合理化に役立ちますが、成功するには営業・マーケティングチームを用意する必要があります。

ライセンス供与

ライセンス供与は、自社の戦略、技術、商標を使用して外国企業が事業を行ない、特定の条件の下で自社製品の生産を許可するものです。

ライセンス供与は、企業が生産設備を一から構築することなく新しい地域で物理的に事業を行なえるという点で物流上のメリットもあるものです。

ライセンス供与の成功は主に所有権や機密情報の取り交わしに掛かっており、場合によっては企業の戦略的優位性を危険にさらす可能性もありますが、両者を保護するために契約内容を調整することも可能です。

ライセンシー(ライセンス供与先)は資本の一部提供やリスクの一部負担、ライセンス自体に関する手数料支払い、独立した収入源の提供などをライセンス料というかたちで支払いますが、ライセンス供与のデメリットは、事業と知的財産の両方に対するコントロールが失われることです。

提携

提携は、ジョイントベンチャーや戦略的提携とも呼ばれ、二社以上の企業が「国際市場に於ける新たな機会への投資」に合意した場合に生じます。

提携により関係者は、資金面だけでなく研究開発、重要な情報、既存の経験といった点でもリソースの共同蓄積が可能となります。

提携は企業が国外地域の既存企業に接触し、新しい機会を提供する場合によく生じるものですが、これにより企業は国際市場への物理的な参入地点を得ることができ、パートナー企業には既存市場に於ける新たな機会がもたらされます。

提携は関係する企業がそれぞれ異なる方向に進みたいと思うようになったり、契約が解消されることによりそれまで共同で事業に当たっていた企業が新たなコンペチターになったりすることで困難に陥ることがあります。

また、国によっては外国企業が特定の市場で100%所有権を持つことを避けるため、市場参入にはその国の既存企業との提携やジョイントベンチャーを形成する必要があります。

いずれにせよ国際市場への進出を決定する際には、各国の法律を調べるのが一番です。

買収

買収とは、新地域の既存企業を買収し(親会社の)子会社として統合することです。

すでに国外に進出している競合他社やサプライヤー、関連企業を買収することは、自社の製品を新しい市場に導入するための理想的な方法といえます。

また、現地のビジネスを買収することは、国際市場に参入する最も手っ取り早い方法のひとつです。

企業文化の統合は困難であり、買収企業の生産を自社の戦略に合致させるためには時間がかかることがありますが、買収した企業にはその地域の文化や市場、戦略に関する知識があり、すでに確立された経営や企業構造があるため、そのメリットは大きなものです。

特に各市場に特化した製品に注力する戦略であれば、買収は新製品の開発や企業ポートフォリオの拡大のための新たな機会をもたらします。

国際ビジネス参入戦略

フランチャイズ

フランチャイズとは、潜在的な独立事業主に対して、企業の戦略、ビジネス形態、技術を利用してフランチャイズを運営する権利を提供することです。

フランチャイズはライセンス供与と似ていますが、ライセンシー(ライセンス供与先)が独自のビジネス手法を持つ場合があるのに対し、フランチャイズは通常、企業の標準的な業務のパッケージ全体を提供します。

フランチャイズは母体企業が半独立のビジネス・オーナーとリスクを共有でき、企業秘密をより良く保護できますが、フランチャイズの成功はフランチャイズ・チームの意思決定に大きく依存することになります。

また、フランチャイジー(加盟店)は投資する資本金を持って母体企業との交渉に当たり、母体企業はそれを以て海外フランチャイズに対する支配権の一部を放棄します。

参入方法の選択

国際市場に進出する方法を選択する場合、企業がどのようなアプローチで進出を目指すのかは三つの判断に帰着します。

まず一点目は「調達」です。既存の工場から国外に直接輸出するのか、それとも進出先で何らかの生産体制をとるのか。

もし国外での生産を行なうための設備投資を望まないのであれば、既存の工場から製品を輸出することになりますが、通常製品を国外で生産することに前向きな企業であれば、多くのオプションを選択することが可能になります。

次の判断ポイントは「所有権」です。国外生産された製品をどの程度まで自社でコントロールするかを決定する必要があります。

リスクを軽減するために支配権の共有を望む企業は、ライセンス供与、フランチャイズ、提携、などを選択肢として検討することになります。

一方、経営管理を強化したい企業は買収や直接輸出のほうが、より有利な選択肢と考えるでしょう。

さらに、ターゲットとする国際市場や利用可能な資本金も考慮する必要があり、この特別な決定の多くは、最後の判断ポイントである「マーケティング」の結果次第になります。

マーケティングと国際ビジネス

国際ビジネスに参入する際、マーケティングは重要な鍵となります。

その地域の法律、規制、ルール、そして新しい部門や子会社が扱う必要のある労働文化や新しい顧客層を知ることは非常に重要です。

また、国外で事業を行う場合、政府、規制、その他の法的な問題が発生する可能性もあります。

どのような国際市場に参入するのか、その市場の重要な側面についても正確に判断する必要がありますが、そのためには現地のアドバイザーを導入するかどうか、どのような形態で導入するかを検討する必要があります。

ライセンス供与、フランチャイズ、提携、買収などでは、相手が現地の文化や習慣に溶け込んだ既存の経営構造や販売・マーケティングチームを持っている可能性が高いので、マーケティングの移行に役立ちます。

身近な国際ビジネス参入の事例

スターバックスが中国に進出する際、大きなハードルとなったのは中国の文化が他の飲料よりもお茶を好むということでした。

そこでスターバックスは店舗を「仕事や家とは関係なく気軽に立ち寄れる社交場」として売り出すことに注力したところ、このコンセプトが中国市場の共感を呼び、お茶が盛んな中国市場進出で成功を収めました。

マクドナルドはすでに多くの国でフランチャイズに関するオプションを提供していますが、外国の新しい顧客にアピールする小さな変化が成功に大きな影響を与えることを学んだ企業です。

たとえばフランスではバゲットをメニューに取り入れ、フランス人が小腹が空いたときに何度も利用できる、コーヒーショップのような場所として売り出しましたが、これがマクドナルドを中途半端な市場から大きな成功へと導く結果になりました。

Citgo(シットゴー石油公社、米 石油関連企業)は、富士通(日本企業)と戦略的提携を結び日本市場でのシェア拡大に貢献しました。

富士通のITサービスにおける高い評価とCitgoの広範なリソースの蓄積とグローバルな評判を活用するために、特定の製品を共同ブランド化することにしたのですが、このような契約は両者にとって有益であり、Citgoが将来導入するかもしれない他の製品についても日本でのブランド認知度を高める機会にもなったのです。

中国・サウジアラビア市場への国際進出

中国やサウジアラビアといった特定の国の市場に参入しようとする企業は、合弁事業、戦略的提携、パートナーシップを形成するビジネスパートナーを探す必要があります。

なぜなら、これらの国などでは外国が100%出資する(外資100%の)国際ビジネスは許可されないからです。

中国の家庭用品市場に参入したとき、イケアは成功しましたがホーム・デポ(米 住宅リフォーム・建設資材・サービスの小売チェーン)はうまくいきませんでした。

ホーム・デポはDIYの道具屋で、消費者がすでに自宅を修繕する方法を知っていることが前提でしたが、中国の新中間層は当時そのような知識を持っていませんでした。

一方イケアは、消費者が自分で完成させられる製品の担い手であることを示し、家具のあり方についてのガイドラインを提供することで中間層にアピールし、成功を収めることができたのです。

まとめ

以上、「国際ビジネス参入戦略」でしたがいかがでしたでしょうか。

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