COVID-19の大流行が始まって以来、世界は文字通りオンラインにシフトしています。
このパンデミックはアジャイルテクノロジー(俊敏な開発)と柔軟なプロセスにより、新しい働き方を深化、構築しました。
またそれは顧客への対応、ベンダーとの協業、コラボレーションの方法などビジネスのアプローチも加速させました。
そうしてグローバル化した世界では、明確で簡潔なコミュニケーションが重要であることが明らかになった結果、より強い存在感を示し、より多くの人々にアピールするために翻訳が重要視されるようになったのです。
この記事では、今後期待される翻訳業界のトレンドについてご紹介します。
※本コラムはOptimational社のコラムを元にお届けしています。
目次
機械翻訳とポストエディットの利用が進む
機械翻訳は翻訳業界に於いてますます重要な位置を占めるようになりました。この翻訳業界に於けるトレンドは今後も続くでしょう。
当然ですが企業は、機械翻訳による短納期の実現と、翻訳者を雇用するよりも機械翻訳したほうがその後の編集料金や期間を大幅に削減できることに惹かれています。
機械翻訳ポストエディットとは?
機械翻訳とは、機械翻訳ツールにテキストを入力し、そのエンジンが新しい言語に翻訳することです(たとえばGoogle翻訳など)。
しかしその結果である翻訳の品質は、60~90%の間で精度が変化します。そこでこの機械翻訳したテキストを翻訳者または翻訳会社に渡し機械翻訳の後処理を依頼します。
処理を依頼された翻訳者または翻訳会社は、原文との相違点をチェックし、翻訳をプロフェッショナルなレベルにまで引き上げますが、この一連の作業を機械翻訳ポストエディットと言います。
組織はあらゆる言語で効果的にコミュニケーションをとりつつも、誤解が生じる可能性をできる限り低くしなければなりません。
2019年の市場規模は5億5,050万ドル(約739億円)と言われており、機械翻訳の普及は確かなものであり、翻訳者による慎重な修正との組み合わせにより今後も成長を続けるでしょう。
トランスクリエーションと翻訳によりグローバル展開するブランドが増加
「パーソナライズされたユーザー体験の創造」はここ数年、業界を問わず大きなトレンドの一つとなっています。
トランスクリエーションは「翻訳」と「創造」を組み合わせた造語で、翻訳業界ではこの考え方に様々なかたちで取り組んでいます。
トランスクリエーションと翻訳により、企業は自社のコンテンツを新しい市場や消費者向けにローカライズ(現地化)することができます。
さらに、企業がこの新しい文化的な視点を持つ新たなターゲットとなる消費者とより密接に関わることができるように、アイデアを適応させのに役立ちます。
翻訳におけるトランスクリエーションとは?
トランスクリエーションとは主にマーケティング翻訳のことを指し、翻訳とコピーライティングの境界線上に位置します。
翻訳者は企業のマーケティング資料の本来の意図を汲み取り、新しい市場や消費者に伝えることを任務としますが、その際は名称、アイコン、画像、製品名、さらには版下全体が変更されることもあり得ます。原文の意図以外、神聖なものは何もないのです。
消費者がよりユニークでパーソナライズされた体験を求めるかぎり、トランスクリエーションと翻訳サービスの需要は高まり続けるでしょう。
技術や物流の進歩により企業は世界中の人々にリーチできるようになりましたが、それぞれの市場や消費者の違いを認識した上でコミュニケーションを図ろうとする企業は、その恩恵を最もよく受けることができるでしょう。
eラーニングプラットフォームの台頭
COVID-19以前からeラーニングサイトが存在していたのは確かですが、このパンデミックによりオンライン学習の導入がまったく新しいレベルにまで押し上げられました。
学校に通うことから特定のトピックについて新しい知識を得ること、さらには新入社員研修まで、eラーニングツールの最大の魅力は、誰もが場所を問わずにコンテンツにアクセスできることです。
オンライン学習が一般的になりつつある今、受講者がコンテンツに興味を持ち、そこから学ぶ機会を可能な限り多く提供することがeラーニングツールに求められています。
それこそがeラーニングが翻訳業界の主要なトレンドのひとつとなっている理由です。
映像翻訳・字幕制作サービス
Forbesによると、オンライン教育サービスの市場は2025年には3,250億ドル(約43.5兆円)に達する可能性があるそうです。
これは、組織がコンテンツをカスタマイズし、さまざまな視聴者にアプローチする大きな機会があることを意味しますが、動画の翻訳と字幕はそのために重要な役割を果たすでしょう。
今日、オンラインコースは英語のみで提供されていることが一般的ですが、これでは潜在的な視聴者を限ってしまうことになります。
しかしこれは同時に、動画翻訳サービスを積極的に採用する企業にとって絶好のチャンスであることを意味します。
つまり、2021年は映像翻訳者や字幕制作者のニーズが高まり、この翻訳業界のトレンドは今後も続くと思われるのです。

翻訳・通訳サービスの需要の高まり
U.S. News and World Reportが発表した「Best Creative & Media Jobs of 2020」において、通訳・翻訳者が1位にランクインしましたが、これは驚くべきことではありません。
実際、U.S. Bureau of Labor Statistics(米国労働統計局)は2019年から2029年にかけて、通訳・翻訳者の雇用が20%成長すると予測しており、これは全職業の平均をはるかに上回る勢いです。
医療翻訳とVRI
COVID-19の大流行を受け、医療通訳サービスは外科医に於ける需要が急増しています。
通訳サービスのメリットはVideo Remote Interpreting(ビデオ遠隔通訳)技術または、(その頭文字を取り)VRIによっても後押しされますが、この技術は電話通訳と現場での通訳のギャップを埋めるものです。
ビデオ遠隔通訳のメリットは以下の通りです。
- 文脈や非言語的な手がかりを加味することができる
- 顔の表情で理解度が確認できる
- 関係者全員にとってよりスムーズな会話が実現できる
- オンデマンドで利用できる
- 費用対効果が高い
仕事、学校、そして医者など、私たちの日常生活の多くが遠隔地にシフトしつつある今、VRIは間違いなく存在し続けるでしょう。
翻訳技術の未来はまさにここにあり、まだ始まったばかりです。今後、そしてその先の未来が楽しみです。
多言語SEO戦略の策定
オンラインに於ける国際的なプレゼンスを高めようとする企業は、多言語SEOの専門家を継続的に探しています。
多言語SEOは拡張性があり、費用対効果の高い戦術です。
「大多数の人々は英語を話さないにもかかわらず、この世界にはすでに英語のコンテンツがあふれている。しかし他の言語では十分とは言えない」とNeil Patel(ニール・パテル)氏も言っていることからもわかるとおり、多言語SEO戦略は長期的には良い結果をもたらすことができるのです。
多言語SEOとは?
多言語SEOとは、ウェブサイト、eコマース、動画コンテンツといったコンテンツを、複数の言語でSEOに最適化することを指します。
多言語SEOは特定の言語で、コンテンツのオーガニック(自然)検索結果を増加させることを目的としています。
多言語SEOの最適化戦略には、以下のようなものがあります。
- オンページSEO(内部対策)
- コンテンツのローカライズ、キーワードの最適化、代替テキスト/メタデータの翻訳、など
- オフページSEO(外部対策)
- 多言語リンク構築、ソーシャルメディア・ローカライゼーション、レビュー翻訳、ローカルSEOなど
- テクニカルSEO(サイト構造最適化対策)
- 言語とロケーションのターゲティング、Webサイト分析、その他
【最適化のヒント】多言語SEOサービスを探すときは、プロのSEO翻訳者または多言語SEOエージェンシーと一緒に作業することを忘れないでください。これを怠ると結果が出ず、進展がない可能性があります。
まとめ
以上、「翻訳業界【最新トレンド】トップ5」でしたがいかがでしたでしょうか。
当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界120か国語で行ないます。
高い品質が求められる外国語対応や翻訳についてもしお困りでしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。