ロシアの人形で遊んだことがありますか?正式名称を「マトリョーシカ人形」というそれは、大きさの異なる木製の人形を組み合わせて作ったものです。
多文化コンテンツの制作はこれと同じで、全体の中の小さな部分に焦点を当てながら、より深く掘り下げていくものです。
グローバルとローカルを両立させる多文化コンテンツの成功事例について、知っておいていただきたいことは次のとおりです。
※本コラムはAccelingo社のコラムを元にお届けしています。
目次
「言語」と「言葉」の選択は慎重に行う
差別化を図る上で重要なのは言語です。たとえば、ターゲット層に適切な言語を話せば、ライバルに差をつけることができます。
あるメッセージを他の言語に翻訳すれば多文化コンテンツマーケティングになる、ともし思っているとしたらそれは的外れです。
ターゲット層とつながるには、あなたのメッセージを適切なトーンで伝えなければなりません。ドイツ語やフランス語、その他の言語に翻訳することはほんの始まりに過ぎません。
多文化な視聴者に向けてコンテンツを作成するのですから、プロの翻訳サービスに頼らないわけにはいきません。文化の象徴やトーン、価値観や慣用句のニュアンスを理解している翻訳者が必要なのです。
私のお気に入りの記事のひとつに、2011年の Socialnomicsの記事がありますが、この記事ではマーケティング翻訳の失敗について触れています。
たとえば酪農協会の「Got Milk?(牛乳飲んだ?)」キャンペーンが「Are You Lactating?(授乳中ですか?)」になったのは、慣用語に対応せずに単純にAtoB翻訳してしまったせいです。
正確なローカライズと実用性のバランス
Thunderbird International Business Reviewに掲載された研究で、Nitish Singh博士らは、ドイツ、ブラジル、台湾、フランスの400人のオンラインショッパーを対象に調査を行いました。
参加者はそれぞれ、文化的なカスタマイズのレベルが異なるウェブサイトに誘導されたのですが、その結果ローカライズに重点を置いたサイトとそうでないサイトでは買い物客の反応に大きな違いがあることがわかりました。
ローカライズされたコンテンツがより便利でアクセスしやすい、と参加者は感じたのです。
この結果からも、国際的な事業展開を目指す企業は各市場の関心事に文化的に配慮したかたちで対応する必要があることがわかります。
もちろん、すべてのオンラインコンテンツを完全地域密着型でローカライズする必要はありません。コストも手間も掛かり過ぎるし、単に不要でもあるからです。
それよりもむしろ、ローカライゼーションとそれに掛かるコストの絶妙なバランスを追求すべきです。
グローバルなメッセージにローカルのアイデアを加える
経験豊富なマーケティング担当者は、多文化コンテンツマーケティング戦略の成功は、現地の文化を理解し、それに対応した質の高いコンテンツを制作することにかかっていることを知っています。
しかし、中東の投資家やドイツのエンジニアに対してあなたのブランドを魅力的に映すにはどうすべきなのでしょうか?
また、複数の国にまたがり、非常に魅力的で区分けされた多くの文化を持つヨーロッパに、どのようにアプローチすればよいのでしょうか?
鍵となるのは、ローカルなアイデアとグローバルな戦略を組み合わせることです。
インターネットの世界的な普及にもかかわらず、多くのユーザーは、自分たちについての、自分たちによる、自分たちのためのローカルなウェブサイトを好みます。
消費者が興味を持つ話題について、消費者自身の言葉で語りかけることで、消費者はあなたのブランドに関心を持ち、あなたのメッセージを広めてくれるのです。
よく知られているのは、「80/20ルール」です。
あなたのコンテンツのうち80%を占めるミッション、価値観、そして全体的なブランディングに近いコンテンツは、すべての市場において普遍的であり続けることができますが、残りの20%はその文化に合うようにローカライズする必要があるということです。
本当のイメージを選ぶ
2014年のスーパーボウルで放送された、家庭での異人種カップルを描いた"Good for Your Heart"はSNSで好評を博しました。
この多文化コンテンツマーケティングは、一般的にはあまり知られていない異人種間の家族を普通の設定で表現し、大きな成功を収めました。
国勢調査の最新データによると、異人種間のカップルは10%です。
Cheerios(チェリオ、ゼネラル・ミルズ社のシリアル)が成功したのは、白人の家族というシリアルのCMの既定路線に乗らなかったからです。
ブランド親和性、コンテンツシェア、信頼性という点で、このコマーシャルはCheeriosにとって大成功でした。可愛らしい女の子と素晴らしい脚本があったことも見逃せません。
この年のもうひとつの成功例は、コカ・コーラ社の「America the Beautiful」で7か国語展開、父親が二人いる家族が登場するものでした。
タイム誌の酷評もありましたが、全体としてその信ぴょう性が多くの視聴者に受け入れられました。
多文化コンテンツマーケティングは常に変化している
情報化時代のマーケティングのほとんどの側面と同様に、コンテンツのローカライゼーションの成功は、企業がいかに拡張性と適応性を備えているかにかかっています。
翻訳を外注すれば、ローカリゼーションの能力を高めながら、ポートフォリオ全体のブランドの基準を一貫させることができます。
そしてその後、より多くの予算が確保できるようになれば、特定のセグメントに対してメッセージを拡大すればよいのです。
私たちはあなたのメッセージを、世界中の聴衆を魅了するようにブラッシュアップできるだけの経験や組織、スキルを持っています。
また、私たちはあなたが今はマトリョーシカのもっとも外側の部分にしか予算が割けないことも理解しています。
そして私たちはこの先もあなたの使命と価値観に忠実に従い、あなたが多文化の聴衆とより強く、深い関係を築くためのお手伝いをします。
まとめ
以上、「【多文化コンテンツに関する】5つのインサイト」でしたがいかがでしたでしょうか。
当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界120か国語で行います。
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