輸出が初めての人も、以前から輸出をしている人も、製品やサービスの輸出がビジネスにいかに多くのメリットをもたらすかは知っていると思います。
しかし輸出は非常に困難な作業です。法律、書類作成、相手国の言語や文化の違いなど、考慮しなければならないことが数多くあります。
翻訳とローカライゼーションは、輸出の過程で重要な役割を果たします。
サービスや製品の輸出先が異なる言語や方言を話す国であれば、たとえ英語の知識があったとしても現地の人は自国語で購入したいと思うのが普通です。
調査によると、70%以上の消費者が母国語の情報がある製品やサービスを購入する可能性が高いと言われています。
※本コラムはOpen to Exportのコラムを元にお届けしています。
海外の消費者を惹きつける
見込み客である海外の消費者が最初に目にするものはおそらく、アクセスが簡単なウェブサイトです。
だからこそそれらの人々に対して最も関連性が高く、魅力的なコンテンツを含むページを、現地の言語にローカライズすることが重要です。
予算が限られている場合は、既存のウェブサイト内にターゲット国向けのページを作り、重要な情報をまとめて掲載してもよいでしょう。
ウェブサイトをローカライズする際には、単に言葉や意味を翻訳するだけでなく、それらを現地の文化に適合させることも重要です。
たとえば、ほとんどの国では「ホームページ」は「スタートページ」と呼ばれています。
また、消費者が検索に使いそうなキーワードを調査し、その言語に対応したSEOをウェブサイトに導入することも重要です。
ウェブサイトとは別に既存の、あるいは今後作る予定のマーケティング資料についても考え、ターゲットとなる消費者を引き付け、コミュニケーションを図る上でより効果的で費用対効果の高いものは何かを検討しましょう。
その国で開催される展示会に参加したり、現地の代理店やクライアントを訪問する予定がありますか?その際には名刺やパンフレットも翻訳する必要があります。
広告キャンペーンが輸出戦略の一部である場合、翻訳は「トランスクリエーション」となり、トランスクリエーターやバイリンガルのコピーライターが、既存の広告やお客様の仕様書をもとにターゲットとなる国向けの新しいコンテンツを作成します。
海外消費者とのコミュニケーションについて
マーケティング資料を翻訳、ローカライズし、場合によってはトランスクリエーションも行ったとして、その後海外の消費者とはどのようにコミュニケーションをとればいいのでしょうか。
ターゲット国の代理店や販売店を利用する場合でも、消費者から本国に直接問い合わせを受ける可能性があり、それらにタイムリーかつ、プロフェッショナルな方法で返答できることが重要です。
機械翻訳は電子メールや記事の「要点を知りたい」ときには便利なツールで、インターネット上で無料で利用できますが、ビジネスの場合は不出来な翻訳によって失われるものがないようにし、ターゲット国の言語にうまく翻訳されたメッセージをスペルミスもなく送信して、プロらしいイメージを与えなければなりません。
尚、会話によるコミュニケーションの場合は、「電話通訳」を利用すれば電話や会議での通訳も可能です。
法律で定められた翻訳への対応
販売するものが製品である場合、製品によってはパック情報、ラベル、説明書の翻訳が必要となり、法律に準拠する必要があります。
食品表示の場合、ほとんどの国で現地の言語での表示が必要です。したがってこの場合、翻訳はオプションではなく法的要件ですが、貿易アドバイザーなら具体的な要件確認を手伝ってくれるでしょう。
輸出用の法的文書の翻訳に関しては、翻訳を必要とする文書の種類はあなたの会社の製品、サービスおよび、輸出先国によって異なりますが、一般的に翻訳が必要とされる文書の例としては契約書や取引条件などが挙げられます。
また、国によっては「公認翻訳者」「宣誓翻訳者」「公証人による法的な翻訳」が必要になります。
適切な翻訳会社を選ぶことの大切さ
多くのLSP(Language Service Provider、翻訳会社)がさまざまなかたちでサービスを提供している中、どのように自社に最適な翻訳会社を選べばいいのでしょうか?以下を参考にしてみてください。
- まず最初に、その言語を話すスタッフや友人、親戚に頼ったり、機械翻訳だけに頼ったりすることをやめましょう
- 翻訳にはプロの技術が必要です。海外の読者を惹きつけ、コミュニケーションをとり、製品やサービスを輸出するためには、正しいメッセージと技術的、法的情報が完璧かつ、合法的に伝達されることが極めて重要なのです
- これはターゲットとする国に対してだけでなく、世界中でのあなたの評判を左右する可能性があります
- あなたの会社の目標や要件の理解に時間をかけ、あなたの会社に属す業界や製品、サービスに精通し、輸出に必要となる翻訳に最初から最後まで、あらゆる面で支援してくれる翻訳会社を選びましょう
- 「協力会社」ではなく「パートナー」と呼べるような相手です
- 理想的には自社と同じ国に拠点を置き、簡単に会うことができながらも、ターゲットとする国と強いつながりを持つ翻訳会社を選びましょう
- 同じ言語でも国よって異なる使い方をすることに対応できる翻訳会社を選びましょう
- 例:米国式英語と英国式英語、大陸式簡体字中国語と香港台湾式繁体字中国語、スペイン本国式スペイン語と南米スペイン語、ポルトガル本国式ポルトガル語と南米・ブラジルポルトガル語など
- 最初に翻訳した者とは違う、第二の翻訳者による校正(チェック)を行っている翻訳会社を選びましょう
- 用語集やスタイルガイドをお客様とともに作成できる翻訳会社を選ぶと、すべての翻訳で用語の一貫性を確保できるだけでなく、法律、技術、ブランドへの準拠も同時に実現できます
- レイアウト調整、SEO、通訳など、その他の翻訳と絡む外国語サービスを提供できる翻訳会社または、他の信頼できるパートナーを紹介してくれる翻訳会社を選びましょう
輸出に於いて翻訳は単なる一過性の作業ではなく、海外ビジネスを成功させるための入り口となるものですので、輸出の初期段階から翻訳について考え、輸出戦略や予算に組み入れ、適切なパートナーを選択することが重要なのです。
まとめ
以上、「【輸出における翻訳の重要性】について」でしたがいかがでしたでしょうか。
当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界120か国語で行います。
高い品質が求められる外国語対応や翻訳についてもしお困りでしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。