複数の国を相手にしたビジネスコミュニケーションには専門知識と正確さが求められます。ここではビジネス翻訳を利用することが重要である理由を5つの観点から説明します。
※本コラムはHarry Clark translation社のコラムを元にお届けしています。
目次
ビジネス翻訳の利用が重要な5つの理由
顧客とのコミュニケーションが向上する
顧客と直接コミュニケーションをとる機会の多いビジネスであれば、自国語を話せない人に多く接する必要性が高まりますが、彼らの言語で話しかけることができれば、幅広く分布する多くの消費者にあなたの製品を販売することができます。
ブランドの認知度を高める
多くのさまざまな取り組みが、企業ブランドが持つ潜在能力の基礎となります。より多くの人にアプローチすることもそのひとつです。
グローバル市場でブランドのイメージを構築するためには言語の壁を越える必要がありますが、それはビジネス翻訳を利用してこそ可能なことなのです。
医療産業なら、より大きな利益を得ることができる
医療機関ではさまざまな国の、多くの患者に対応しなければなりません。また、世界中で多くの医師が忙しく研究しています。
医学研究や患者の治療において、言葉は決して障害になるべきではありません。
医療通訳・翻訳のプロは医療文書の翻訳に於いて大きく貢献し、医師が必要とする言語で、より快適に研究にまい進できるようにします。
より多くの雇用機会を生む
多くの人が、さまざまな言語の学習に情熱を傾けていますが、学習しながら収入も得られるのであればこれほど良いことはありません。
翻訳者・通訳者は、海外とのビジネスコミュニケーションだけでなく、マーケティングやプロジェクトの調整など、規模の大小を問わず、あらゆる場面で活躍しています。
法律文書を扱える
法律文書を理解すること自体が至難の業につき、それが異国の言葉の場合はさらに複雑になります。ひとつ間違えば、文意が全く変わってしまいます。
しかしビジネス翻訳を利用すれば、弁護士、法廷速記者、裁判官など、法律の専門家のニーズに合わせて法律文書を正確かつ、簡単に解釈することができます。

ビジネス翻訳で人気の言語
それでは、ビジネス翻訳で人気のある言語を見てみましょう。
簡体字中国語
「簡体字(かんたいじ)中国語」は中国の公式な書き言葉であり、「北京語」は話し言葉です。
したがってすべての文章コンテンツは簡体字中国語に翻訳する必要があり、通訳が必要な場合は中国語のスペシャリストを探す必要があります。
中国語は、インターネットユーザーのほぼ1/5が話す、ビジネス翻訳でも最も人気のある言語のひとつとなっていますが、中国は世界第2位の経済大国であり、中国語は新たなビジネスチャンスを生み出すのに有効な言語といえます。
7億7千万人という巨大なインターネットユーザーの数だけでなく、中国は近々電子商取引が1兆ドル(約149兆円)を超える、世界最大の電子商取引市場になると言われています。
しかしほとんどの中国人は英語を話せないので、この巨大市場に参入したいのであればウェブサイトに現地の言葉をしっかり反映する必要があります。
スペイン語
スペイン語は中国語に次いで世界で2番目に多く話されている言語であり、ビジネス翻訳では人気のある言語です。
スペイン語に翻訳することで、ヨーロッパやラテンアメリカの国々で、5億人以上の人々にリーチするチャンスが生まれます。
地域や国によって話し方や語彙が異なるため、ビジネス翻訳の効果を最大限に引き出すには進出しようとする国ごとにローカライズする必要があります。
スペイン語圏の国々は、特に経済成長の観点から幅広いビジネスチャンスを提供しています。
スペイン、メキシコ、アルゼンチン、コロンビア、チリ、ペルーは、GDPの高い世界の上位50か国のリストに名を連ねています。
現在、全ウェブコンテンツの約10%がスペイン語ですが、この数字はスペイン語圏の人々の購買力が高くなるにつれてさらに増えていくでしょう。
また、スペイン語は最も習得しやすい言語のひとつと言われており、最も人気のある言語のひとつであるというのもうなずけます。
アラビア語
アラビア語はインターネット上で7番目に人気のある言語であり、ネットユーザーも増え、現在は約4,600万人がアラビア語のみでインターネットを検索しています。
Googleでさえアラビア語圏の15か国向けにドメインを開発し、言語オプションを統合しているほどです。
28か国で2億8千万人がアラビア語を話しているため、この言語を無視することは2020年までに電子商取引で200億ドル(約3兆円)に達する市場を攻略するチャンスが少なくなることを意味します。
中東は高成長地域であり企業にとって大きな可能性を秘めているため、アラビア語のコンテンツに今すぐ投資し、競争力を高めましょう。
インターネット上の文書コンテンツのうち、アラビア語はまだ2%未満に過ぎない今がチャンスです。
この言語はその性格上ビジネス翻訳ではまだあまり人気がありませんが、Common Sense Advisory(コモンセンス・アドバイザリー社)によると、「アラビア語の地域版はデジタルマーケティングにおいて重要な役割を占めており、翻訳やローカライズは他の言語に比べて難しくコストも高くつく」とのことです。
ポルトガル語(ブラジル)
2016年のオリンピックで、経済的なポテンシャルが高く、最も人気のある言語のひとつであるブラジルに注目が移りました。
3年にわたる不況と高い失業率にもかかわらず、ブラジル経済はようやく回復の兆しを見せています。
ブラジルはラテンアメリカ最大のインターネット市場であり、1億4千万人のインターネットユーザーを抱えていますが、2021年にはこの国のインターネット普及率は61%に達する見込みです。
よってブラジル向けのローカライゼーションに投資している企業は、今後数年間でさらに高いユーザーを獲得することができます。
この国のもうひとつの強みは若い世代が多いことです。ブラジル人の半数以上が30歳以下であるため、労働人口が増え、高収入と中産階級が増加する可能性があります。
インドネシア語(マレー語)
最も人気のある言語に、マレー語の一種でありインドネシアの公用語であるインドネシア語が頭に浮かぶことはなかったのではないでしょうか。
インドネシアでは700を超える言語が話されていますが、インドネシア語は唯一公式に認められており、行政、商業、メディアで使用されている言語です。
インドネシアは1億5千万人以上のインターネットユーザーを抱える、デジタルマーケターにとって魅力的な市場です。
そしてインドネシア人は重要なインターネットユーザーであり、ソーシャルメディア、特にYouTubeやFacebookに熱中しており、最も人気のある言語のひとつであるマレー語の重要性を高めています。
インドネシアでのコンテンツマーケティングは重要な成長機会を提供するため、インドネシア語はビジネス翻訳に於ける言語の中で、さらに人気が高まる可能性が大いにあります。
事実、インドネシアのeコマース市場は2016年に56億ドル(約8,300億円)に達しました。
日本語
中国に注目が集まる中、日本に向けたローカライズ(現地対応)は忘れられがちですが、日本語は今でも人気言語のひとつであり、アジアでの事業拡大を計画しているのであれば日本市場を見逃すことはできません。
日本は2015年時点で7,700万人のデジタルバイヤーを誇る国であり、小売のeコマース売上は着実に伸びています。
デジタルマーケティングにおける日本のメリットは、この国の人口の90%以上が都市部に住んでいることです。
彼らはスマートフォンでの買い物および、欧米製品が好きです。ROI(Return On Investment、投資利益率)の面では、日本語への翻訳は最も人気のある言語のひとつであり最も収益性の高いものです。
また、日本人の99%は英語が話せませんので、日本のユーザーと関わりたいのであればローカライズが必要です。
日本語にはいくつかの文字体系と複雑な文法があり翻訳が難しいため結果的にコストが高くなりますが、1億900万人の日本人のオンラインユーザー数は、日本語を取り組むに値する、最も人気のある言語のひとつにしています。
ロシア語
ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスの公用語でロシア語も最も人気のある言語です。
さらにロシア語は東ヨーロッパで需要が高いため、ロシア語に翻訳することでこれら4か国以外の人々にもビジネスを展開することができます。
つまりエストニア、ラトビア、リトアニア、モルドバ、ウクライナ、アルメニア、ブルガリア、フィンランド、グルジアのユーザーにもリーチできるということです。
約1億900万人のインターネットユーザーがロシア語を話し、その多くは英語の基礎知識を持っていますが、ロシアだけでも3,000万人がオンラインで買い物をするなど、電子商取引が盛んです。
今のところロシア人は地元のオンラインショップでの買い物を好み、なかでも中国のサイトが人気を集めていますが、ロシアのオンライン市場は、特に履物、スマートフォン、タブレット、コンピューター、家電製品、電子機器、子ども向け商品、化粧品、香水、家具を販売する外国人にとってのチャンスであることに変わりはありません。
フランス語
翻訳で最も人気のある言語のひとつであるフランス語は、経済力のある国々では公用語となっています。
フランス語のウェブサイトがあれば、フランス、カナダの一部、モナコ、ベルギー、スイス、ルクセンブルク、カリブ海の一部のユーザーにリーチできます。
これらフランス語圏の国々はすべてeコマースのローカル市場で一貫した成長を遂げており、3,600万人のフランスのインターネットユーザーがオンラインで買い物をし、年間平均2,100ドル(約31万円)を費やしています。
尚、フランス語圏には経済が成長しているアフリカの国、たとえばルワンダ(アフリカで2番目にビジネスがし易い国)、コートジボワール、コンゴ民主共和国なども含まれています。
ドイツ語
ドイツ語は1億人以下の話者しかいないにもかかわらず、インターネット上で最も人気のある言語のひとつに数えられています。
W3Techs(World Wide Web Technology Surveys)によると、最も訪問されたウェブサイトの5.6%がドイツ語であることが分かっています。
重要な経済圏の国々、たとえばドイツ(EU最大の経済大国)、オーストリア、ルクセンブルク、スイス、ベルギーなどではドイツ語が公用語となっています。
ドイツのeコマース市場はヨーロッパで最も成長が速く、2017年には650億ドル(約9.7兆円)を超えると予想されています。
Amazonと地元の大手、Otto(オットー社、独通信販売、電子商取引企業)がドイツのネット市場を二分しているため、中小企業が単独で活躍するチャンスはほとんどありません。
つまり最も人気のある言語のひとつであるドイツ語にウェブサイトをローカライズしないということは、まったく売れないことを意味するのです。
まとめ
以上、「【ビジネス翻訳が重要な】5つの理由」でしたがいかがでしたでしょうか。
当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界120か国語で行います。
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