翻訳とは、簡単に言えばある言語(原文)から別の言語(翻訳文)へ意味を伝達することです。
翻訳は何世紀もの間コミュニケーションの手段として使われ続け、この技術がなければ世界はまったく違ったものになっていたでしょう。
しかし残念ながら翻訳が本当に注目されるのは、それがうまくいかなかったときだけです。なぜならうまく翻訳された文書は、読んでいる人にそれが翻訳されたものであると気付かせないからです。
それが原文ではなく翻訳された文書であることを示すサインはあるのですが、また別の機会に。
翻訳という職業があまり世に知られていないため、ビジネスに於ける翻訳者の貢献度の高さは目に見えないことが多いのですが、その結果、翻訳者や翻訳技術そのものについての多くの思い込みが生じています。
本当の翻訳とはなにかを知りたい、または翻訳サービスのご利用をお考えの方はこのコラムを参考にしてください。このガイドを読めば翻訳サービスを正しく利用することができるようになるでしょう。
※本コラムはalmTranslations社のコラムを元にお届けしています。
目次
翻訳者と翻訳の役割についてのいくつかの誤解
- 外国語を話せる人なら誰でも、どんな文章でも自動的に翻訳ができる
- 翻訳とは、元の文章の一字一句を、別の言語に置き換えただけのものである
- 翻訳者なら外国語を理解できるので、元の文章の美しさを別の言語で完璧に伝えることができる
- 翻訳はGoogle翻訳で十分である
現実は
- 翻訳者はすべてではなく、特定の分野の専門家です
- 彼らのスキルは何年もかけて身に付けてきたものであり、翻訳する言語に関する十分な知識を持ち、文法、文化や習慣を理解し、文章力も優れています
- 翻訳では言葉だけでなく、コンセプト(概念)も重要です
- たとえば慣用句や言葉遊びなどは必ずしもうまく翻訳できるわけではありません
- しかし直訳ではない代替案があるはずであり、翻訳することは可能です
- そのようなレベルの洞察力は、プロの翻訳者でなければ持ち得ないものです
- マーケティングや視認性の高い文章は、専門家が書き、コピーライターが完成させることが多いものですが、彼らは基本的に自国の市場に向けた文章の専門家です
- 文章の翻訳にも同様の扱いが求められますが、加えて必要なのは、読み手がその文章を自分たちのために書かれたものだと感じられるようにローカライズ(現地化)することです
- そのためにはターゲットとなる市場や習慣、文化を理解している翻訳者が必要です
- それはちょうど「インターネットを調べて書かれた旅行ガイド」と「現地の人がその経験をもとにして書いた旅行ガイド」を読み比べるようなものですが、後者のほうがそこに含まれる体験談など、ずっと本格的で正確なものになるのは言うまでもありません
- Google翻訳(および類似の自動翻訳、機械翻訳)は、かなり簡単な文章の概要を理解する必要がある場合には便利な無料のツールですが、クリティカルな内容を含むビジネス文書、技術文書、マーケティング文書には絶対にお勧めしません

翻訳依頼に役立つヒント
一般的な内容の文書を翻訳したい場合
無料の翻訳ツールは、その能力の限界を正しく理解している限り、ドキュメントの概要を理解するのに適しています(ただし、言語によってその正確さに違いがあることにはご注意ください)。
基本的な理解を得るには最適で、情報提供のみを目的としたコンテンツ(社内文書、手紙、メール、メッセージ)に使用する上では概ね問題ありません。
しかし、条件がそうでない場合は、以下のようなプロの翻訳会社に依頼することをお勧めします。
そうすれば翻訳された文章をチェックする人も費用も不要になりますが、配布物や出版される文書の場合は特にそうすべきです。
専門用語を含む、技術、医療、法律など専門的な翻訳が必要な場合
この種の翻訳は、経験豊富な翻訳者に依頼することを強くお勧めします。翻訳に於いて必要となるのは次のような内容です。
- 業界、規制、文化の違い、専門用語、一般的なライティングスタイルに関する深い知識
- 適切な資格、確かな経験、そしてサンプルや事例を提供できること
- 正確さと適切な文体の使用
- この種の翻訳では、広告やマーケティングコンテンツのように美しい文体を重視する必要は必ずしもありません。どちらかといえばデリケートな内容の、正確な情報を提供することが目的です
- この種の翻訳では最初に翻訳した人とは別の、ふたり目の翻訳者による最終的な校正が必要であり、医学やライフサイエンスに関する文書を翻訳する場合はさらなる品質保証のチェックも欠かせません。それが規制上の要件であることも多いのです
ウェブサイト、パンフレットなど、オンライン、オフラインマーケティングコンテンツで視認性の高い翻訳が必要な場合
新規市場への参入、参入済みの海外市場に於けるプレゼンス向上あるいは、顧客との強固な関係構築などの目的で翻訳を検討する場合、以下の点に留意する必要があります。
- 企業によっては社内に外国語マーケティングコンテンツを制作するチームがあったり、専門のコンテンツライターに依頼して企業の理念やメッセージを反映し、さらに顧客にアピールするものを作る場合もありますが、これらはすべて製品やサービスの宣伝になります
- マーケティングに使うキャッチコピーの翻訳には、オリジナル(元の言語で書かれたキャッチコピー)と同じレベルの注意が必要であり、自国の市場向けに書いたものをそのまま翻訳しても、他国では通用しないかもしれません
- ターゲットとなる顧客は、それぞれに異なる期待、願望、経験を持っているため、もしあなたが自国市場のようにターゲット市場を知らないのであれば、より正確な翻訳コンテンツを用意することは不可欠です。そうしなければそれは的外れなものとなり、期待外れの結果で終わってしまうでしょう
- 文化の違い、好み、期待などをより深く知ることは、海外市場での成功を目指す企業にとって大きな糧となりますが、翻訳会社ならお客様、マーケティングチーム、ウェブ開発者と上手く連携しながら、最適な言語ソリューションを提供することができるでしょう
翻訳会社を利用すべき理由
「翻訳会社は翻訳者とお客様のただの仲介者だ」とよく誤解されますので、もし翻訳会社に信頼性を求めるのであれば「ISO17100認定」の会社を選ぶことも一考に値します。
この規格は翻訳業界に特化したもので、翻訳プロセスや品質が試行錯誤、成果を上げていることを保証するものです。
また、ATC(Association of Translation Companies)などの有名な業界団体のメンバーであることも確認しましょう。業界団体には優れた資格と評判を持つ企業が加盟しているものです。
翻訳会社は長年に渡り、さまざまな言語での何千ものプロジェクトを通じてその経験を積み重ねています。
翻訳サービスは毎年成長を続けている分野ですが、これは企業が翻訳の価値を認識し、新しい市場や機会を開拓するために、翻訳予算を積極的なものに設定しているからなのです。
- その他翻訳会社を利用するいくつかのメリット
- 翻訳会社は翻訳に必要なソフトウェアに投資することで、御社の代わりに翻訳に掛かるコストを削減した上で、翻訳の一貫性と正確さを確保できます
- 翻訳会社には常に、翻訳専門のリクルーター、プロジェクト・マネージャー、アカウント・マネージャー、社内翻訳者、ローカリゼーション・エンジニアがいます
- 翻訳会社は厳格なテストを実施しつつ、優秀な翻訳者を積極的に採用していますが、これはお客様との取引の有無に関係なく、継続的に行われているものです。お客様が期待するのは翻訳の品質であり、それ以上でも以下でもありません。翻訳会社はその基本を理解し、手を抜くことなく、一貫して良い品質を確保するために努力しています
これらはすべて、翻訳会社がほかより劣ることのない翻訳を提供するための投資に他なりません。
まとめ
以上、「【翻訳がなぜビジネスに於いて重要】なのか?」でしたがいかがでしたでしょうか。
当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界120か国語で行います。
高い品質が求められる外国語対応や翻訳についてもしお困りでしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。