成功する【グローバルビジネス】戦略の作り方

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国内から世界へ進出するには、単に生産を拡大して新しいスタッフを雇用すればよいというわけではありません。世界は複雑かつ多様であり、商品とサービスの市場はそれぞれ異なっています。

成長する企業は財務、ブランディング、成長目標を考慮したグローバルビジネス戦略を立てる必要があります。成功するグローバルビジネス戦略とは、ひとつの市場にとどまらず、世界に於ける潜在的な成長を見越したものです。

※本コラムはAston Universityのコラムを元にお届けしています。

グローバルな目標を設定する

グローバルビジネス戦略は、なぜグローバル展開が望ましいかを説明することから始まります。グローバル展開には労力、時間、資金がかかるため、この説明をプランのすべての箇所に含める必要があります。

また、外部向けの戦略文書にグローバル展開の根拠を含むことも重要です。これまでは社内向けの戦略ドキュメントを整備することが多かったでしょうが、現在および将来の投資家やビジネス・メディアに関心を持ってもらうためにも一般向けの文書が必要なのです。

世界規模の企業戦略を追求する明確な理由はいくつかあります。普遍的なニーズを満たす、新しい製品やサービスを持つ企業は、そのイノベーションがどのように業界に革命をもたらすかを詳しく説明しなければなりません。

新興産業のスタートアップや中小企業は、厳選した海外市場に、スピーディーな成長機会を見出すことができるかもしれません。業界のリーダーの世界的な成長が、競合他社の事業や財務破綻による衰退を伴なうこともあります。

また、海外企業による買収や他社との合併に伴ない、グローバル戦略文書が必要になる場合もあります。

事業戦略計画では通常、少なくとも3〜5年先の収益、コスト、その他の検討事項を予測します。グローバル戦略は特に、企業が複数の市場での成長を考えている場合はより複雑になります。

この複雑さとはつまり、経営陣がそれぞれの新しい市場における成長、衰退、停滞といったシナリオを検討する必要があるという意味です。

また、グローバル戦略は潜在的な競合他社や消費者の嗜好の変化も考慮する必要があります。これらの課題は「なぜグローバル化するのか?」という問いに対する、より詳細な答えを導き出すことに役立ちます。

競合他社を研究する

海外に進出する理由が明確になったら、次は進出予定地域のマーケットリサーチです。自動車メーカーや携帯電話メーカーなど特定の地域に於ける有名企業は知っていても、賢く投資するに必要な深い知識は持ち合わせていないかもしれません。

最初は自社のターゲット層に最も適した都市、国、地域を特定するのがよいでしょう。また、比較や将来的な拡大に備え、ターゲットと似たほかの市場の情報を収集してもよいでしょう。

マーケットリサーチを行なうには、対象となる各市場のリーダーと新進企業を特定する必要があります。この調査では売上高、株価、最近の動向、その他の統計を考慮しながら完璧にまとめたものを作る必要があります。

リサーチが完了したら、あなたの業界にとって市場が飽和状態にあるかどうかを明らかにする必要があります。多くの企業が参入している市場の場合、競合他社として新たに参入しても犬死となる可能性はゼロではありません。

例えば、南米への進出を考えている化粧品会社なら、競合が少ないことからアルゼンチンよりもコロンビアをターゲットにしたほうがよいかもしれません。

売上の前年比と利益情報は、ある産業がその市場で上昇傾向にあるのか、それとも下降傾向にあるのかを示すものです。特定の産業の収益が最近伸びている市場では、グローバルな目論見が成功する可能性が高くなります。

国際的な成長戦略は、経済状況や市場の飽和によって対象国全体の収益が減少している場合、頭打ちとなる可能性があります。大企業でも中小企業でも、特定の産業が底を打ち、「安く買って高く売る」チャンスを得られる国を検討するのがよいでしょう。

ターゲット市場のビジネス・インフラを把握することで、その国に於ける競争環境を理解することもできます。また、サプライヤー、天然資源、専門知識を持った従業員、といったネットワークを確立することで、新天地への参入を容易にすることができます。

専門的なサービスや流通ネットワークがない市場は、進出企業の参入コストを増大させますので、企業はそれがわかった時点でターゲット市場のフィクサーやコンサルタントを特定し、ビジネスの拡張支援を求めたほうがよいでしょう。

新しい市場を知る

新しい市場に参入する企業によくある間違いは、自社のアイデアを異文化に移植してしまうことです。オフィスを構え、マーケティング・テキストを異なる言語に翻訳し、製品を投入しても成功する保証はありません。

世界中の消費者は、同じようなニーズを持っていても、異なる文化や歴史にもとづいて買い物をします。最良のグローバル戦略文書は、企業がいかにして新天地にパラシュートで飛び降りるかではなく、いかにして異なる市場に適応していくかが述べられているものです。

経営者や起業家は、見込みのある市場についてまず、現地での支援者開拓からから始めなければなりません。この開拓は、企業の人材紹介会社にコンタクトを取り、ターゲットとなる国の翻訳者、ビジネスを専攻している学生、業界の専門家を見つけることから始めることができます。

このような専門家は、オフィスの場所、スタッフの配置、既存スタッフにはコストが高過ぎるサプライヤーなどについて、足を使って調べます。また、対象地域の企業コンサルタントと連携し、適応上の問題点を洗い出すこともできます。

グローバル戦略プランでは、自社が自国内の消費者を想定していることにも触れる必要があります。自国市場の消費者にアピールする広告には、省略形や文化的な表現がよく使われますが、これらの基準は異なる基準を持つ外国市場向けにはうまく翻訳できないかもしれません。

また、特定の言葉、色、画像、音に対する文化的な感性も考慮しなければなりません。企業がどの程度の文化的適応を必要とするかは、ターゲットとする国のクリエイティブの専門家に相談するとよいでしょう。

優れた国際展開計画とは、無名のブランドがどのように業界のプレーヤーに成長するのかを説明するものです。21世紀の今、新しい消費者にリーチするためにはソーシャルメディアへの関与が重要です。

小売業者や顧客志向の新興企業は、ポップアップ・イベントを利用してブランドの話題作りをすることができますが、企業は広告の可能性を求めて経済新聞や専門媒体とも関わるべきです。

また、企画段階でフォーカス・グループを実施することで、企業の製品やサービスをテストしてもよいでしょう。

新しい市場の法律や税制の調査

新しい文化を学び成長の可能性を見出すことは、グローバル戦略開発の楽しいところです。しかし、国際的な成長に於ける落とし穴には、それぞれの新しい市場の企業法務や税制を議論した際に気付くものです。

新しい国へ進出する企業にとって、重要な基本事項は新しい市場でどのような存在感を示すかということです。

自国市場と同様に、顧客に直接出荷したり、国際輸送に長けた第三者企業と提携したり、新市場に拠点を設立したり、といったうちのいずれかを選択することができます。

簡単なものから難しいものへと順にリストアップしてみましたが、いずれの場合でもターゲット業界に於ける実現の可能性について、ある程度の調査が必要です。

海外市場に拠点を開設することにした場合、ビジネス上の多くの法的検討事項が発生します。外国企業はその市場に拠点を開設する前に、特別なライセンスや証明書を手配する必要がある場合もあります。

また、新しい拠点ではスタッフが必要ですが、現地の法律に準拠した雇用契約が必要な場合もあります。さらに、最低賃金が定められている国では、スタッフの給与体系が大きく異なる場合があります。

企業の業種によっては、規制が厳しい製品や免許を必要とするサービスについては、追加の書類が必要になる場合もあります。

新規市場に参入する企業は、民法上の契約とコモンロー(判例)上の契約の、実務的な違いも理解する必要があります。

米国企業は同国の民法に基づき契約を締結しますが、この民法は取引における偶発事象を判断する上で、特定の契約文言に大きく依存しています。

民法上の契約は、司法救済のための明確な処方箋を提供しており、契約法が立法府で取り上げられることはほとんどありません。

これに対し、世界の多くの国では、より広範に記述され、私の地域や地方の規制とのギャップを埋めたコモンロー契約を使用していますが、この違いは社内の顧問弁護士ではカバーできないかもしれない、法律の専門知識を必要とします。

グローバルビジネス戦略では、企業がどのように税制上の要件を満たすかも説明する必要があり、最終的な戦略文書では、既存の税制と近い将来に予定されている税制改正を考慮する必要があります。

同じ利益に対して繰り返し課税されることを避けるために、自国とターゲット市場との間の条約を調査しておく必要もあります。

国によっては自国内に法人を設立する企業にとってタックスヘイブンとなることで知られていますが、アイルランドは法人税率が低いため、2015年に1060億ドル(約15兆6千億円)の企業利益が同国に移されました。

シンガポール、オランダ、カリブ海諸国も有利な法人税政策で知られています。法律相談と同様に、税務申告や財務開示のために、ターゲット市場内の会計士に依頼する必要がある場合もあります。

成功する【グローバルビジネス】戦略の作り方

財務リスクの低減

既存の収益源だけに頼って国際市場に参入する企業はほとんどありません。成長中の企業は新規株式公開を行ない、グローバルな成長のための資金を調達することができます。

新製品や新サービスの成功で得た利益は、海外市場での事業開始に充てることができます。また、間接費を削減し、現地の組織からの支持を得るために、対象市場からの出資を募ることも必要です。

また、会社のスタッフや外部のコンサルタントによる先行き見通し調査の結果、これまで知られていなかった投資機会が見つかるかもしれません。

海外市場の新たな投資家は、その投資効率の可能性を高めるために新しい参入者を探しているかもしれませんし、既存の投資家も、保有資産の多角化や企業の拡大による新たな投資分野への参入を検討しているかもしれません。

また、調査の過程で需要の高い産業に関わる企業に対する、政府の助成金や税制上の優遇措置が見つかるかもしれません。新市場では複数の資金源を組み合わせることで、事業拡大のリスクを軽減することができるのです。

製品に柔軟性をもたせる

市場調査によって特定の製品やサービスが異なる国々でも有効であることが明らかになるでしょう。

そうした嗜好は製品の価格設定、店舗の環境、文化的な信念、強力な地域ブランドなどと関係している可能性がありますが、企業が拡張に積極的になり過ぎて、長期的には大きな困難に直面する可能性もあります。

たとえばTarget Corporation(ターゲット、米大手小売)は2013年の10か月間でカナダ全土に124店舗を出店しましたが、2015年から少なくとも2021年までの年間損失が予測されるため、2015年1月までに全店舗を閉鎖する計画を発表しました。

この失敗は、同社の出店先が遠く離れた場所にあることと、同社がカナダにはディスカウントストアが豊富にあることを認識していなかったことに起因しています。

また、アメリカの消費者がオンラインショッピングを圧倒的に好む時代に、Target Corporationは実店舗による販売に多額の投資を行ないました。

一方、マクドナルドやピザハットなどのファストフード小売業は、効果的なグローバル戦略による拡大の好例となっています。

2018年6月現在、マクドナルドは100か国以上で少なくとも36,000の店舗を維持しています。このような充実した世界規模の店舗網は、同社が現地の料理をアレンジして提供しているからこそ可能なのです。

日本では、マクドナルドで明太子味のポテトや豚のしょうが焼きのサンドイッチを買うことができます。また、オランダの「McKroket(マックロッケ)」、インドの「McAloo Tikki burger(マックアルー・ティッキ・バーガー)」などは現地の味をファストフードにした例です。

ピザハットも、世界9,000店以上の店舗で地域密着型のアプローチをとっています。ドバイの店舗では高級感あふれるダイニングにこだわり、オーストラリアの店舗ではダイナーをイメージしてデザインされています。

ピザハットでは、定番のピザトッピングに加え、中東の店舗では「Chicken shawarma pizzas(チキンシャワルマピザ)」を提供しています。

自国市場を強化する

グローバルビジネス戦略では主に新規市場への成長に焦点を当てますが、ビジネスを成長させるために何が必要かを無視してはなりません。

最終的な戦略には、既存市場での目標やイノベーションに関する事項を含めるべきです。国際的な成長に関する研究は、ビジネスがコアビジネスをどのように改善できるかを検討する絶好の機会でもあるのです。

自国市場を強化するためには、事業拡大が財務状況にどのような影響を及ぼすかを理解することが重要です。新市場での成長が期待できるビジネスは新たな顧客を求めて無理をし、本業に十分な財源がないままになってしまうことがあります。

また、グローバル戦略が不完全では研究、開発、マーケティングのリソースを、成長の見込みの低い地域に当てることになりかねません。また、企業が既存の国内取引の上にあぐらをかいていると感じた既存顧客は離れていくかもしれません。

企業のグローバル戦略は、国内外における潜在的な成長分野も説明する必要があり、ターゲット市場の人口統計のレビューでは現在および、将来の製品が見込み客にどの程度受け入れられるかを予測する必要があります。

これらの予測には経済情勢の変化、コスト、競合他社の動向などを考慮する必要があることから、結果によっては国内で大規模な投資を行ない、海外では試験的な投資程度にとどめておくほうが望ましいことがわかるかもしれません。

まとめ

以上、「成功する【グローバルビジネス】戦略の作り方」でしたがいかがでしたでしょうか。

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