良い翻訳者を見つけるにはまず、「翻訳は簡単なものではない」ということを認識する必要があります。そして、良い、速い、安いという三つの要素の中から選べば良いのです。
ただし、選ぶことができるのはこのうち「二つ」だけです。本コラムでは良い翻訳者の見つけ方を具体的に説明します。
※本コラムはMotaWord社のコラムを元にお届けしています。
良い翻訳者の条件とは?
個人、企業、政府機関、法律事務所、eコマースサイトなど、様々な場面で良い翻訳者を選ぶことは必要不可欠です。翻訳が不適切だと何億円もの損失を与えたり、個人のビザや市民権が取得できなかったりする可能性があります。
これらのような高いリスクを考えると、ニーズに合った翻訳者を見つけるだけでなく、特定の分野に精通した翻訳者を見つけることが重要なことがおわかりいただけると思います。
そして、良い翻訳者の見つけ方を知る前に、良い翻訳とは何か?その要素や種類を知る必要があります。
良い翻訳の要素とは?
悪い翻訳を見抜くのは簡単ですが、良い翻訳を見抜くのは難しいものです。
質の高い翻訳とは、メッセージ、語調、言語が調和しているものです。対象とする読者にとって自然な文章であり、スペルミスや文法的な誤りがないことです。
自分のニーズに合った翻訳者を見つけるにはまず、「翻訳という行為が複雑で多様である」ことを認識する必要があるのです。
翻訳の種類
近年、翻訳の種類は無限であり、それは人間の知識の幅と同じくらい広くなっています。しかし、どのような翻訳が必要かはその業界特有のものです。
それぞれの業界には独自の用語、構造、言語規則があります。質の高い翻訳者は、何でもできる人ではなく、業界の専門家であるべきです。最も一般的な翻訳の種類には、以下のようなものがあります。
- 文芸翻訳
- 詩、小説、詩歌、物語、戯曲などの文学作品を翻訳すること
- 歴史上、文化の起爆剤となった文学翻訳を紹介する「著名な翻訳家」シリーズはこちら
- 技術翻訳
- 報告書、財務諸表、議事録など、翻訳する前の言語と翻訳した後の言語の、両方の業界知識を必要とする技術文書の翻訳
- ソフトウェア翻訳
- 法律・法務翻訳
- 法律文書の翻訳は、法的機関または、政府機関に提出するために証明書を必要とすることがよくある
- 条約、遺言書、出生証明書、覚書などが含まれる
これら以外にもたとえば、SEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)翻訳に長けた翻訳者は、医学研究の翻訳には力を発揮しないでしょう。
ただし、一般的に言われる「優れた翻訳者」の特性に変わりはありません。
良い翻訳者の特徴
翻訳する前と翻訳した後の二つの言語を知っているからといって、その人が有能な翻訳者であるとは限りません。
優れた翻訳者の資質は翻訳する前と翻訳した後の両方の言語に精通していることから始まりますが、ただ文法規則を知っているだけでは十分ではありません。
良い翻訳者の条件は、両方の言語に対する文化的な認識と、メッセージとトーンを伝える能力です。
イタリア語で「traduttore, traditore」という言葉がありますが、これは「翻訳者、裏切り者」という意味で、翻訳者を選ぶ際に注意すべきこととして気に留めておいたほうが良いでしょう。
そして、良い翻訳者の資質とは主に次の六つです。
- 翻訳した後の言語のネイティブであること
- 翻訳する前の言語に堪能で、翻訳した後の言語のネイティブである翻訳者は、どんな翻訳にも必要不可欠です。それによって聴衆にとって自然な翻訳を実現することができます。
- 情熱的であること
- 翻訳者は対象物に情熱を持ち、利用可能なすべてのリソースを使う必要があります。原文の意味に忠実な翻訳をすることに集中しなければならないのです。
- ボキャブラリーが豊富であること
- 専門用語の翻訳は翻訳者の仕事であることが多く、翻訳者は自分の選んだ翻訳業界で豊富な語彙を持たなければなりません。
- 資格を有すること
- 翻訳の学位は品質を保証するものではありません。翻訳の学位と経験年数の両方に目を配る必要があり ます。20年の経験を持ち、豊富な顧客を持つものの学位はない翻訳者が最良の選択となることもあります(ただし、日本には公的な翻訳の資格はありません)。
- リソースを活用できること
- ひとりの人間があらゆる用語や文化的慣用句を知っているわけではありません。優れた翻訳者は、辞書や参考書あるいは、他の翻訳者といったリソースを持ち、活用します。
- 書くことに長けていること
- 翻訳者は文章を読み、その意味を正しいスペルや文法で翻訳する必要があります。これを効果的に行なうにはまず、翻訳者が優れたライターでなければなりません。
これらが良い翻訳者の資質ですが、ひとりの翻訳者にすべてを頼るのは間違いであることが多いのです。ただし翻訳会社に翻訳を依頼すれば、一人ひとりの翻訳者をスカウト、審査しているので心配する必要はありません。
翻訳会社の見つけ方
最高の翻訳会社は、人間による翻訳をベースとした翻訳サービスを提供しています。
技術的な資料に関しては特に、機械翻訳が人間に勝る時代ではまだありませんが、人間の翻訳者が協力することにより、コストと時間を削減し、品質を向上させることが可能になりつつあります。
翻訳会社を選ぶ際には、以下のような点を確認する必要があります。
- 良い顧客を抱えている
- 良い翻訳会社は、あなたの業界やニーズに関連する有名ブランドやクライアントを抱えている必要があります
- 業界知識が豊富である
- 翻訳会社には多くの場合、専門とする業界や分野があります。法律、マーケティング、医療などの専門的な翻訳が必要な場合、これらの分野で実績のある会社であることが望ましいです。
- 人間翻訳を行なっている
- 人間が翻訳することで、ネイティブスピーカーにとって自然な翻訳が実現できます。人間に専門特化したサービスは、最高品質の翻訳を提供できます。
最後に
良い、速い、安いという三つの要素のうち同時に手に入れられるのは二つだけというのは、人生の不変のルールのひとつです。
あなたが得るものは、あなたが払ったお金に値するものです。良い翻訳を得たいのであれば、相応の費用を掛ける必要があるということです。
まとめ
以上、「【良い翻訳者・良い翻訳会社】の見つけ方」でしたがいかがでしたでしょうか。
当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界120か国語で行ないます。
高い品質が求められる外国語対応や翻訳についてもしお困りでしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。