国際市場への参入を目指す、国内よりも海外市場の方が魅力的な製品やサービスを持っている、あるいは単に新しいビジネス環境を利用したい、など海外でビジネスを始める理由はさまざまです。

海外企業との取引は非常に有益なものですが、問題がないわけではありません。それらがどのようなものなのか、本コラムでご説明します。

国際ビジネスに潜む落とし穴を知ることで、自社を正しい軌道に乗せましょう。

※本コラムはEntrepreneur Media社のコラムを元にお届けします。

トリッキーな税制

海外で事業を行うと、当然ながら国内での事業運営に加えて新たな税制上の複雑な問題が生じることになります。

たとえば、米国を拠点とした企業が海外でビジネスを展開する場合、米国での所得税の一部が免除される制度であるFEIE(Foreign Earned Income Exclusion、海外役務所得控除)の適用を受けられる可能性があります。

一方、外国に拠点を置く企業は、通常、米国のFICA(Federal Insurance Contribution Act、連邦保険拠出法)や社会保障税を支払う必要がありません。

しかし国によっては租税条約を結んでいるため、これらの支払いを行う必要がある場合もあります。

また、ビジネスを行う国によっては現地で税金を支払う必要がある場合もありますので、税務の専門家に相談して深刻な法的トラブルに巻き込まれないようにしましょう。

事業者登録やその他の規制

海外進出の際に注意しなければならないのは、税金の問題だけではありません。国によっては、外国人の財産権を制限しているところもあります。

ほかにも、ビジネスに関わる現地のパートナーがいることを条件とするものもありますが、規制について学ぶことで、海外に於ける会社設立に必要なすべての準備段階を踏むことができるのです。

また、たとえ現地に住まなくてもその国の住所でビジネスを登録する必要がある場合も多いのですが、その場合は登録した住所でビジネスに関する法的文書を受け取ることのできる人が必要になります。

このような規制や他にも現地特有の規制に従わなければ、実際にビジネスを始める前に会社を閉鎖されてしまうかもしれません。

外資系企業に関するその国のルールを十分に理解して、罰金や財産の差し押さえなどの法的処罰を回避しましょう。

ターゲット国の経済情勢

経済的に同じ国は二つとありません。

多くの新興国には大きなビジネスチャンスがありますが、所得格差や高インフレの可能性といった問題もありリスクは高まります。

一方、経済が安定している国は一般的に、ビジネスを始める上でより安全な環境を提供してくれます。

Investopedia(インベストペディア、金融メディアウェブサイト)は、GDPのような指標に注目するのではなく、その場所のGPI(Genuine progress indicator、真の進歩指標)を評価することを勧めています

この指標は、所得分布、教育率、犯罪率、さらには公害や余暇時間の変化などの要因に基づいて、個人消費データを調整するものですが、地域の経済情勢をより詳細に把握し、市場動向やターゲットとなる市場が自社との取引に必要な資金力を持っているかどうかを見極めるのに役立ちます。

言葉の壁の可能性

国際的なビジネス活動に於いては、注意しなければ翻訳が上手く機能しないことがよくあります。

KFCがそのスローガンを中国語に翻訳した際に誤って「Eat your fingers off(指を食べろ)」となったことや、ブラニフ航空(1928年から1982年まで営業していたアメリカの航空会社)がメキシコで「fly naked(裸で飛べ)」という意味の言葉に翻訳してしまったりと、現地の言葉への理解が不十分だった例は歴史上たくさんあります。

広告の失敗はユーモラスな場合もありますが、ターゲットとする読者を不快にさせる可能性もあります。

政府の規制やビジネスに於ける交渉に関することを扱うものであれば、それらはさらにトリッキーなものになります。

言葉を理解しないと、たとえあなたは上手く契約できたと思っていても、実際には取引先がまだ考える時間を欲している可能性もあります。

もしあなたがビジネスをしたい国の言葉をまだ話せないのであれば、資格を持ったビジネス通訳を雇うか、バイリンガルの従業員を雇うことが絶対条件となります。

また、その人材は外国語と母国語の両方に堪能なだけでなく、ビジネス用語をきちんと理解していることが必要です。

【海外でビジネスを始める際に注意すべき】5つのポイント

文化の違いを忘れてはならない

外国でビジネスを展開する際に生じ得る違いは、言葉だけではありません。同じ言語を話す国でも、文化的には大きな違いがあります。

ジャマイカ、サモア、カナダはすべて英語を公用語としていますが、同じマーケティングメッセージや製品ラインアップでアプローチすることはほとんど不可能です。

文化に合わせて適応していかなければならないのです。

Harvard Business Review(ハーバード・ビジネス・レビュー)でNataly Kelly(ナタリー・ケリー)氏はこう述べています。

「お客様を第一に考える。私が見てきた中でグローバルな成功を収めている企業は、共通してこの重要な使命を持っている。」「彼らはグローバルマーケティングとローカライゼーションを"負担"としてではなく、競合他社に対する"優位性"として捉えており、それによって外国市場の顧客を引き付け、より良いサービスを提供し、自社ブランドの支持者に変えることができている。」

海外で成功している企業は、マーケティングだけでなく製品やサービスにも積極的に取り組んでいます。

多くの場合、製品やサービスも現地の市場により適合するように調整しています。

最後に

海外でビジネスを始めるにはそれなりの困難が伴ないますが、国内市場だけに目を向けていたのでは味わえないようなユニークなチャンスもあります。

海外進出に踏み出す前にこれらの重要な要素を考慮することで、海外市場への参入を成功させるための態勢を整えることができます。

まとめ

以上、「【海外でビジネスを始める際に注意すべき】5つのポイント」でしたがいかがでしたでしょうか。

当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界120か国語で行います。

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