【徹底比較】自動(機械)翻訳神話とプロ翻訳者不要論

翻訳外注ノウハウ

AI技術を利用した自動(機械)翻訳(ニューラルAI機械翻訳)の技術進歩が目覚ましく、自動(機械)翻訳を用いて文書を翻訳をするケースが増えてきました。また、それによって翻訳者の作業内容にも大きな変化が起きています。

自動(機械)翻訳の普及にともない翻訳者の存在は不要になるのでしょうか?

本記事では、自動(機械)翻訳の概要やその精度について説明した上で、いくつか有名なソフトウェア(サービス)を紹介します。

自動(機械)翻訳とは?

コンピュータを介して言語の変換を行うことを自動(機械)翻訳(Machine Translaiton – 略してMT)と呼びます。日本では、1980年代から研究がなされてきました。

この自動(機械)翻訳は、人間の脳のニューラルネットワークを模したAI技術「ニューラル機械翻訳(Neural Machine Translation – 略してNMT)」が開発されてから飛躍的な発展を遂げました。

NMTを利用すると人間が文章を理解するのと同じように、ソフトウェアが文章を読み取り翻訳することが可能と言われています。

自動(機械)翻訳に適した分野は?

自動(機械)翻訳は、マニュアル(取扱説明書)や契約書と相性が良いと言われています。なぜなら、これらの文書には定型文が多く、自動(機械)翻訳の学習機能が効果を発揮し易いためです。また、分野では医薬・金融・法務等との相性が良いと言われています。

自動(機械)翻訳はこれらの分野における文書を(プロ翻訳者に頼らず)高い精度で翻訳することができるため、翻訳にかかる料金や工数の削減につながります。

翻訳者は不要になるか?

NMT技術の発展により、専門文書でもかなり高い精度で翻訳することが可能になりました。それにともない翻訳者の業務内容も従来から大きく変化しつつあるのが実情です。

翻訳者は今後不要な存在となってしまうのでしょうか?私たちは次のように考えます。

概要を理解するだけなら自動(機械)翻訳だけでもOK

前述のとおり医薬・金融・法務分野など、自動(機械)翻訳と相性の良い分野の文書であれば、かなり高い精度で翻訳することが可能です。

よって、「内容を大まかに理解したい」という用途であれば、自動(機械)翻訳を用いた結果だけでも問題はないでしょう。

ただし、英文の「機械マニュアル(取扱説明書)」を試験的に自動(機械)翻訳してみた結果、以下のようなエラーが見受けられましたので、その利用にあたっては十分な注意が必要です。

自動翻訳(機械翻訳)のエラー例

  • 複数の意味がある単語では、もっとも適切なものとは異なる意味で翻訳されていることがある(=誤訳)
  • 原文では箇条書きになっているものがそうなっておらず、書き方の統一が取れていない
  • 翻訳結果の和文に「である」調と「ですます」調が混在している

対外的な文書の場合はプロ翻訳者による修正(校正)が必須

自動(機械)翻訳の精度が高いといっても、前述のとおり「単語の意味の取り違え=誤訳」というクリティカルなものや「書き方の不統一」など、課題は残されています。

自動(機械)翻訳と相性の良い機械マニュアル(取扱説明書)の翻訳においてもこのような状況なので、(相性が良くないと言われる)ほかの、たとえばニュースリリースやプレゼン資料などマーケティング分野の文書翻訳においては、自動翻訳(機械翻訳)だけに頼るのは危険かもしれません。

尚、このような品質面でのリスク回避策として、「自動(機械)翻訳した文書に翻訳者が修正(校正)を加える」ことが近年、翻訳業界でも大きな流れになりつつあります。

このような、翻訳者が自動(機械)翻訳後の翻訳を修正する作業を「ポストエディット(ポストエディティング)」と呼びます。

自動(機械)翻訳ソフトウェアについて

個人用と法人用のソフトウェアの違い

自動(機械)翻訳ソフトウェアには個人用と法人用がありますが、個人用の方が安価です。よってコストの点で考えると個人用の方が良いのですが、ビジネスで使用する場合は法人用を使用するのが良いでしょう。

「用語のカバー率」「セキュリティ対策」がその主な理由ですが、個人用の自動(機械)翻訳ソフトウェアが主に日常生活で使用する用語を搭載していることに対し、法人用はビジネスで使用する専門用語を幅広くカバーしています。これにより、法人用の自動(機械)翻訳ソフトウェアを使用することでより信頼性の高い翻訳結果を得ることができるのです。

尚、自動(機械)翻訳ソフトウェアでは翻訳が必要な原稿(原文)をクラウド上にアップロード、保存する必要があるため、セキュリティ面への注意が必要です。

セキュリティ面で信頼性の低いソフトウェアを用いて翻訳してしまうと、情報漏えいに繋がる恐れがあるということです。

この点でも法人用自動(機械)翻訳ソフトウェアにはセキュリティ面での不安をやわらげる機能が十分に搭載されており、安心して翻訳作業に取り組むことができます。

自動(機械)翻訳ソフトウェア(サービス)3選

自動(機械)翻訳ソフトウェアサービスには次のようなものがあります。

COTOHA Translator

NTTコミュニケーションズ株式会社が提供している自動(機械)翻訳ソフトウェア(サービス)です。単位や年号、人名など、日本人独特の表現も流暢に翻訳できるのが強みです。レイアウトが複雑なドキュメントでも、デザインを崩すことなく翻訳することができます。また、英語だけではなく大陸式(簡体字)中国語の翻訳にも対応しています。

T-400

株式会社ロゼッタが提供している自動(機械)翻訳ソフトウェア(サービス)です。「専門分野データベース」と「御社専用データベース」という2つのデータベースを有していることが特徴です。「専門分野データベース」は各分野の専門用語を多数収録しています。「御社専用データベース」は、企業別の翻訳結果を蓄積してくデータベースです。レイアウトが複雑なファイルに加え、URLを入力することでWebサイトと同じレイアウトで翻訳することも可能です。

Zinrai

富士通株式会社が提供している自動(機械)翻訳ソフトウェア(サービス)です。OutlookやSkype for Businessなどのコミュニケーションツールと連携できるのが大きな特徴で、海外とやりとりするメールなども簡単に翻訳することができます。また、チャットボットと連携させることで、顧客対応の多言語対応も可能になります。

まとめ

本記事では自動(機械)翻訳について説明しました。

近年では自動(機械)翻訳技術が飛躍的に向上しており、それだけでも内容を理解する分には十分な翻訳結果を得られることが多いです。

よって翻訳する目的や翻訳が必要な文書に応じて、自動(機械)翻訳とポストエディット(自動(機械)翻訳+翻訳者による修正)上手く使い分けると良いでしょう。

ただし、読み物的要素が大きく、文章としての質が問われるマーケティング分野などの文書翻訳においてはまだ、自動(機械)翻訳には課題が多く残されていることを忘れないようにしましょう。

以上が「【徹底比較】自動(機械)翻訳神話とプロ翻訳者不要論」ですが、詳細確認がご必要な場合はお気軽にお問い合わせください!