【翻訳を依頼するとき】絶対にすべき10のこと

翻訳外注ノウハウ
  • 海外から問い合わせが入った
  • 海外企業と取引することになった
  • 外国語の契約書が送られてきた
  • 説明書やマニュアルが外国語だった
  • 外国人スタッフを雇用することになった
  • 外国語で報告しなければならない

そんなときにまず必要になるのが、外国語を日本語にしたり、日本語を外国語にしたりする「翻訳」という作業ですが、どう対処していますか?

「とりあえずインターネットで検索 → 数社に見積もり依頼 → 一番安い業者に発注」では成果につながる良い翻訳を得ることはできません。

本コラムでは、翻訳依頼に失敗しないために必要なノウハウをご紹介します。

What、Why、Howを伝える

What(何を翻訳するのか?)を伝える

ビジネスレター、契約書、取扱説明書、マニュアル、チラシ、パンフレット、ホームページ、プレゼン資料など、一概に翻訳といっても対象となる文書はさまざまで、その種類を挙げればきりがないほどです。

さらに、マニュアルを例にとってもIT・工業分野と医療・医薬分野ではその内容がまったく異なるであろうことは簡単に想像できます。

しかし翻訳を依頼するときに依頼先に提供されるのは「原稿だけ」、というケースがとても多いのです。

「何を翻訳するのか?」という情報がないと翻訳会社は経験と予想に基づいて翻訳することになりますが、それでは成果につながる良い翻訳にはなりません。

翻訳を依頼するときは、対象の文書がどの産業分野に属すものなのか、その分野に於ける何という文書なのか、見積依頼のタイミングで翻訳会社に伝えましょう。

Why(何のために翻訳するのか?)を伝える

翻訳を依頼するときには「何のために翻訳するのか?」をしっかりと自問するか社内コンセンサスをとった上で、翻訳会社に情報共有することが大切です。

翻訳するのは理由があるはずです。ただ単に外国語にすれば良い、日本語にすれば良い、といったものではなく次のような事情があるはずです。

  • 契約書を外国語や日本語に翻訳するのは、海外企業と取引契約を交わす必要があるから
  • 海外企業と取引契約を交わすのは、海外進出や海外製品を日本市場で拡販する、という目的があるから
  • そしてその先には、自社の売上、事業の拡大やサービスの普及といったさらに大きなゴールがあるから

このように先々のことを含む翻訳を依頼する背景を、見積もり依頼するタイミングで、できるだけ細かく翻訳会社に伝えましょう。

How(どれくらいの量なのか?)を伝える

「量」というのは文書に含まれる文字数や単語数のことですが、この情報は納期やコスト、翻訳の体制に直結するとても重要なものです。

翻訳業界ではこの「量」を「ボリューム」と呼びますが、これは必ずしも一案件だけを指すのではなく、長期に渡って何度も依頼する場合の総量も含まれます。

翻訳料金はボリュームに比例しますので、ボリュームが多いほど翻訳料金の総額は上がり、納期も長くなりますが、案件規模も大きくなるので翻訳会社の対応は好意的、積極的になります。

よって「どれくらいの量なのか?」という情報は、納期だけでなく値引きや特別サービスなどを翻訳会社に促すことになりますので、きちんと伝えるようにしましょう。

翻訳の仕上げ方を伝える

文章というものは同じ内容でも書き手によって大きく変わるものですので、読者や目的によってその仕上げ方を調整する必要があるのは、翻訳にかぎらずあらゆる文書に共通することです。

翻訳に於いては、日本語の場合は「文体(ぶんたい)」、外国語の場合は「スタイル」、その他言語の別なく「訳調(やくちょう)」といった「どのような翻訳に仕上げるか」をあらかじめ決めておくことが重要なのです。

文体の代表的なものは「ですます調」や「である調」ですが、契約書の場合は「である調」、ニュースリリースの場合は「ですます調」を使用するのが一般的ですが、なぜその必要があるかは日本人であれば想像がつくと思います。

外国語に翻訳する場合も同様で、「誰に読んでもらう」「どのような文書なのか」によって、スタイルをきちんと調整しなければ成果につながる翻訳にはなりません。

英語には、「英国式」と「米国式」があり、中国語には「大陸式簡体字」と「香港・台湾式繁体字」があります。スペイン語には本国で使用されるものとメキシコで使用されるものがあり、ポルトガル語も本国と南米では異なります。

さらに、文章としてとしても「格調高い」必要があるのか、「平易な表現」もしくは「簡潔な表現」が必要なのかは読み手や目的によって変わるものです。

それらを念頭に「どのような翻訳に仕上げるか」を翻訳会社に共有し、すり合わせを行ないましょう。

最適な翻訳方法・翻訳会社を選ぶ

無料のGoogle翻訳から経験と実績が豊富なプロ翻訳者による人間翻訳まで、現代ではさまざまな翻訳方法を選択することができます。

これらのなかから最適な翻訳方法を選択することは、決して簡単ではありません。なぜなら次のような単純な使い分け方では、成果につながる翻訳を得ることができないからです。

  • 品質を最重視するから、翻訳会社のプロ翻訳者
  • 品質はそれほど求めておらず、コストを最重視するからGoogle翻訳

ホームページを例に挙げると、代表メッセージや経営理念、規約などはメッセージ性が高く、翻訳したものが原稿と乖離していると大きなダメージにつながりますが、製品番号やスペックの羅列である製品案内などにはそれほどの危険性はありません。

つまり、前者にはプロ翻訳者による人間翻訳が必要で、後者にはGoogle翻訳など機械翻訳(自動翻訳)でも十分ということもあることから、適切な翻訳方法を選択する必要があるのです。

同様のことはプロ翻訳者を多数抱える翻訳会社間でも同様で、工業系文書の翻訳が得意な翻訳会社、医療系文書の翻訳が得意な翻訳会社、特許書類専門の翻訳会社など、翻訳が必要な文書によって翻訳会社を使い分けることが肝要なのです。

ただし、どの翻訳方法を用いて、どの翻訳会社に依頼するのが最適なのかを判断することは容易ではありませんので、翻訳会社への事前相談や、場合によっては翻訳会社が無料または、有料で対応している「トライアル翻訳(試訳)」を利用して、あらかじめ品質を確認しておくことも大切です。

納期は正直に伝える

「いつまでに○○をしなければならないので、翻訳をいついつまでに仕上げてほしい」といった情報も重要です。

翻訳に必要な作業日数(納期)は文書の量によって決まりますが、なかには急ぐ必要があったり、逆に余裕がある場合もあるはずです。

いずれの場合でも、翻訳を依頼する際は「これくらいの文書量なのだが、翻訳されたものを使って○月○日に次のアクションを起こすので、それに間に合うようにしてほしい」といった正確で正直な情報を翻訳会社に伝えるようにしましょう。

良くないのはそのような情報を共有することなく、自社側に納期的余裕を確保して翻訳会社に短納期対応を強いることです。

複数名の翻訳者による作業同時進行など、翻訳にかかる納期を物理的に短縮することは可能ですが、無計画または、不必要に負荷を掛けるとその悪影響を受けるのが翻訳の品質です。

翻訳の品質が思わしくないとやり直しなどその修正作業に時間をとられるため、「こんなことなら最初から納期の余裕を翻訳会社に与えておけばよかった」という結果になりかねません。

だから余裕あるスケジューリングと正確な情報共有で、このような問題は未然に防ぐことが肝要なのです。

参考情報・資料を提供する

社内の人間にしか通用しない社内用語や業界特有の専門用語がある場合は、その情報を事前に翻訳会社に共有しておきましょう。

できれば「用語集(社内用語または、専門用語とその意味の羅列)」や「対訳集(日本語と同じ意味の外国語の羅列)」などを普段から整備しておき、翻訳の度に翻訳会社に共有した上でアップデートしていくことで、用語の統一された、美しい翻訳を得ることができます。

前述の「スタイル」も同様ですが、ホームページなど過去に翻訳したものがある場合は、そこで使われている訳語を踏襲する必要があるのかないのか、改善する必要があるのか、などもよく検討した上で、参考情報として翻訳会社に提供することをお勧めします。

もしそのようなものが社内に無い、または整備されていない場合で今後も継続的に翻訳の機会がありそうな場合は、翻訳会社に用語集や対訳集の作成を依頼しても良いでしょう。いずれにしても、より成果につながる翻訳を得ることに役立ちます。

ファイル形式やスタイルを指示する

現代では翻訳が必要な文書は電子ファイル形式で作られたものがほとんどです。Microsoft社のWord、Excel、PowerPointやAdobe社のPhtoshop、IllustratorまたはInDesign、PDFなどが代表的ですが、ホームページはHTMLなどで記述されています。

翻訳を依頼するときは、文書がどのような状態にあるのか、冊子など紙媒体の場合もあるでしょうが、具体的なファイル形式などをあらかじめ伝えるようにしましょう。

その上で、翻訳をどのようなかたちで行なって納品してほしいのかを伝える必要があります。

  • 元の文書の体裁(レイアウト)を崩さないように翻訳を上書きするのか
  • フォントやそのサイズなど書式はどうするのか
  • 図表などが含まれている場合はどう処理するのか

これらはすべて翻訳作業に必要な翻訳料金に影響するので、できるだけ正確な情報と要望をあらかじめ翻訳会社に伝えることをお勧めします。

原稿が完成した後に翻訳を依頼する

翻訳の品質にもっとも大きく影響するのは実は、「翻訳者の実力」よりも「原稿の品質(文章としての出来具合)」なのです。よって成果につながる翻訳を得たいのであれば、翻訳を依頼する前のプロセスに細心の注意を払うことが肝要です。

急ぐあまり原稿作成段階から翻訳を依頼されることもありますが、これは後で「原稿の差し替えによる翻訳のやり直し」などにつながる可能性が高いため、もっとも避けたいケースです。

翻訳をやり直すと当初の翻訳料金に加算されてコストが上昇するだけでなく、最初に行なった作業とやり直した後に行なった作業で、用語や文体など翻訳の内容が微妙に異なる、など翻訳品質が劣化する原因にもなります。

原稿作成だけにかぎりませんが、翻訳を依頼する際は事前準備をすべて終えてから行なうようにしましょう。

自動翻訳(機械翻訳)や知り合いで済ませない

「外国語が得意=翻訳できる」ではありません。もちろん言語を別の言語に単純に置き換えることはできると思いますが、プロ翻訳者の行なう人間翻訳はそのような単なる言語転換ではないのです。

翻訳には高い外国語能力に加え、表現力や知識と経験がなによりも求められます。最近ではクラウドソーシングサービスにより「外国語が得意な人」への翻訳依頼は簡単になりましたが、それらがした翻訳では成果につながらない可能性が高まります。

  • プロ翻訳者 VS 外国語が得意な知り合い(非翻訳者)
  • プロ翻訳者 VS 自動翻訳(機械翻訳)

Google翻訳など自動翻訳(機械翻訳)も同様ですが、上記のような単純な対立構造で良し悪しが決まるのではなく、翻訳はその目的に最適な方法で行なう必要があるということです。

繰り返しますが、翻訳には外国語能力に加え、さまざまな知識や経験、そしてなによりもクリエイティビティが求められます。

最近では翻訳(Translation)と創造(Creation)からTranscreation(トランスクリエーション)という造語(表現)が使用されるようになりましたが、プロ翻訳者が行なう人間翻訳にはそのような要素が含まれていることを理解しましょう。

翻訳品質がその後に及ぼす影響を考える

成果につながる翻訳を行なうにはどうすればよいかを考えるのと同時に、翻訳の出来具合である品質がその後どのような影響を自社に及ぼすのかを考えることも重要です。

たとえば契約書の翻訳に於ける間違いは、あとで自社にとって甚大な不利益につながる恐れがあります。「誤訳(ごやく)が歴史を変えた」とインターネットで検索すれば、多くの例を目にすることができるでしょう。

また、メッセージを伝えたいターゲットにミスマッチな文体の翻訳では成果が期待できるはずもありませんので、翻訳したものがどのように世に出るのかを考えておくことも重要です。

一対一のものであればあとでお詫びするだけで済むかもしれませんが、広告媒体など多くの人が目にするものは一度公開してしまうと取り繕うことは困難です。

よって翻訳を依頼する際は、「依頼先や翻訳方法によっては大きな影響を受けるかもしれない」といったことも考えておく必要があります

料金だけで翻訳外注先を決めない

翻訳料金とは、実は見積書に記載された金額だけではありません。翻訳料金を「あなたが翻訳に掛けたすべてのコスト」として考えれば、事前にインターネットで翻訳会社を検索したり、問い合わせや見積もり依頼および、打ち合わせに掛かった時間、原稿の準備に掛かった時間などのコスト、つまり翻訳依頼前のランニングコストもそれに含まれるのです。

また、翻訳会社が提示する見積料金は「翻訳会社内で行なう作業」だけを対象としたものですが、依頼主であるあなたには、翻訳が納品された後もやらなければならないことがたくさんあります。

  • 納品された翻訳の品質チェック
  • (場合によっては)翻訳会社への差し戻しと修正依頼
  • 再納品された翻訳の再チェック
  • 自社内での使用
  • 印刷会社やウェブサイト制作会社など次の工程への依頼
  • お客様への成果物納品

これら納品後のランニングコストも翻訳料金のうちなのです。

そのようななか、もし翻訳の品質が期待を下回っていたらどうでしょうか?逆に、翻訳品質はもちろんそのサービス内容や対応スピードが期待を上回る素晴らしいものだったらどうでしょうか?

これらの差が、翻訳の依頼前、依頼後のランニングコストに大きく関わってくることがおわかりいただけるのではないでしょうか?

翻訳料金と翻訳品質(サービス含む)は比例します。翻訳品質を維持したまま翻訳コストを下げることは容易ではありません。なぜなら、翻訳コストを下げるには翻訳工程を省くなどして変更せざるを得ないからです。

  • 翻訳料金とランニングコストは反比例する
  • 安さを求めれば求めるほど、後で掛けざるを得ないランニングコストが増大する

つまりこういうことなのです。大切なのは、期待する成果や目的に最適な翻訳方法や翻訳依頼先を選択することなのです。

最後に

普段あまり接する機会がなく、その必要性も感じづらい翻訳という作業ですが、その機会はある日突然訪れるものです。そして突然であるがゆえに付け焼き刃で対応しがちです。

結果として「期待するような翻訳が得られなかった、失敗した」と、より良い翻訳会社を求めて点々とされるお客様もよくお見かけます。

本コラムを参考に、翻訳依頼時だけでなく、翻訳依頼前からしっかりと準備し、翻訳会社と一緒に翻訳に取り組むことで、成果につながる翻訳をぜひ得てください。

まとめ

以上、「【翻訳を依頼するとき】絶対にすべき10のこと」でしたがいかがでしたでしょうか。

当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界120か国語で行ないます。

高い品質が求められる外国語対応や翻訳についてもしお困りでしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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