世界には多くの国があり、たくさんの人が暮らしています。

そしてそれぞれの地域では似通った言語が使われていたり、隣国にもかかわらずまったく異なる体系の言語が使用されていたりとさまざまです。

方言まで含めると世界で流通している言語の数は膨大のものとなり、俯瞰すると驚きとともにその背景や歴史、発祥に思いを馳せずにはおれません。

本コラムでは「世界の人と言語の数」など、外国語や外国人と接する際に役立つ視点を養うことを目的にお届けします。

世界の国と人の数

世界の国の数

外務省のサイトによると、2021年現在、日本が承認している世界の国の数は196です(日本が承認している195か国+日本)。

そのなかで国連に加盟している国は193ですが、未加盟はバチカン市国コソボ共和国クック諸島ニウエの4か国です(日本が国家承認していない朝鮮民主主義人民共和国は国連に加盟しています)。

地域別の国の数は次のとおりです。

地域国の数
北米2か国
中南米33か国
ヨーロッパ44か国
アジア48か国
オセアニア14か国
アフリカ54か国

尚、世界195の国に日本の大使館が設置され(うち42は第三国にある日本大使館が管轄)、日本国内には157の世界の大使館と91の領事館が設けられています。

  • 大使館:相手国と自国の政治問題を処理
  • 領事館:相手国に居住する自国民の保護や、自国通商の促進などを目的とした業務を行う
    • 出典)「大使館」「領事館」「公使館」の意味と違い

つまり日本企業には世界195もの国でビジネスができる可能性があり、現地には心強い味方がいるということです。

世界の人の数

国際連合(国連)のサイトによると、2020年の世界人口は約78億人で、前年より約8,000万人(約1%)増加しました。地域別の人口は次のとおりです。

地域人口構成比
北米約3.7億人約4.7%
中南米約6.5億人約8.3%
ヨーロッパ約7.5億人約9.6%
アジア約46億人約59%
オセアニア約0.4億人約0.5%
アフリカ約13億人約17%

つまりアジアだけでも日本の約35倍の巨大なマーケットがあり、それに北米、ヨーロッパを加えると約44倍のマーケットとユーザーが世界に存在するということです。

世界の国別人口ランキング

Worldometerのサイトによると、世界の国別人口第1位は中華人民共和国で約14.4億人、2位はインド共和国の約13.8億人で、この二国で世界人口の約18%を占めます。

中国、インドを含む世界の国別人口順位TOP10は次のとおりです。

順位人口
1位中国(中華人民共和国)約14.4億人
2位インド(インド共和国)約13.8億人
3位アメリカ(アメリカ合衆国)約3.3億人
4位インドネシア(インドネシア共和国)約2.7億人
5位パキスタン(パキスタン・イスラム共和国)約2.2億人
6位ブラジル(ブラジル連邦共和国)約2.1億人
7位ナイジェリア(ナイジェリア連邦共和国)約2.1億人
8位バングラディシュ(バングラディシュ人民共和国)約1.6億人
9位ロシア(ロシア連邦)約1.5億人
10位メキシコ(メキシコ合衆国)約1.3億人

尚、日本の人口は約1.26億人で世界11位です。

つまり、人口1位の中国、2位のインドにはそれぞれ日本の約11倍、3位のアメリカには日本の約2.6倍、4位のインドネシアには日本の約2倍ユーザー、お客様がいるということです。

世界の地域別話者数、言語数

Ethnologue(エスノローグ)のサイトによると、世界で使用されている言語は7,139あります。地域別の言語と話者(その言語を使用する人の)数は次のとおりです。

地域話者数使用言語数
北米約3.7億人254
中南米約6.5億人782
ヨーロッパ約7.5億人289
アジア約46億人2,314
オセアニア約0.4億人1,323
アフリカ約13億人2,154

世界の言語人口ランキング

文部科学省のサイトによると、世界の言語別人口第1位は中国語で約8.9億人、2位は英語で約4億人、3位はスペイン語で約3.3億人です。中国語、英語、スペイン語を含む世界の使用言語別人口順位TOP10は次のとおりです。

順位人口
1位中国語約8.9億人
2位英語約4.0億人
3位スペイン語約3.3億人
4位ヒンディー語約2.4億人
5位アラビア語約2.0億人
6位ポルトガル語約1.8億人
7位ロシア語約1.7億人
8位ベンガル語約1.7億人
9位日本語約1.3億人
10位ドイツ語約1.0億人

つまりサービスや製品について中国語で情報発信すれば約9億人、英語では約4億人、スペイン語なら約3.3億人という巨大な市場に自社の存在を宣伝できる、知ってもらう可能性があるということです。

外国人入国者数について

出入国在留管理庁のサイトによると、2020年に日本に入国した外国人の数は約431万人で、前年より約2,688万人(約86%)減少しました。

その内訳は新規入国者数が約358万人、再入国者数が約73万人ですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止対策が開始された2月から大幅な減少に転じ,さらに強化された4月以降は前年比99%以上の減少となりました(※外国人入国者数:新規入国者数と再入国者数の合計)。

国別の外国人入国者数

国別にみた外国人入国者順位TOP10は次のとおりです。

人数構成比
中国(中華人民共和国)約84万人約19%
台湾(中華民国)約65万人約16%
韓国(大韓民国)約43万人約10%
香港(中華人民共和国)約32万人約7.4%
タイ(タイ王国)約21万人約4.9%
アメリカ(アメリカ合衆国)約20万人約4.6%
オーストラリア(オーストラリア連邦)約14万人約3.2%
フィリピン(フィリピン共和国)約9.6万人約2.2%
ベトナム(ベトナム社会主義共和国)約9.1万人約2.1%
マレーシア約7.3万人約1.7%

つまり、日本国内だけでビジネスをしていても、アジア圏を筆頭に世界から来日する外国人を意識し、情報発信すれば、2020年だけでも約431万人、2019年以前には約3000万人にアクセス可能だったということです。

今しばらくのあいだの見通しは明るくありませんが、このデータからもアフターコロナの外国人入国者への備えの大切さがわかります。

在留資格別の外国人入国者数

在留資格別にみた外国人入国者順位TOP10は次のとおりです。

在留資格人数構成比
短期滞在約336万人約78%
技能実習1号(ロ)約7.5万人約1.7%
留学約5万人約1.2%
技術・人文知識・国際業務約2万人約0.5%
家族滞在約1.7万人約0.4%
  • 技能実習1号ロ
    • 商工会などの営利を目的としない団体(管理団体)が技能実習生を受け入れ、その傘下の企業などの実習実施機関で実習を実施する「団体監理型」の受入れ方式によって来日した技能実習生
  • 技術・人文知識・国際業務
    • 大卒程度の学歴要件を満たし、自然科学分野の専門技術職、人文科学分野の専門職に従事する外国人の方及び母国の思考・感受性を生かして国際業務に従事する外国人
  • 家族滞在
    • 「就労ビザ」及び「留学ビザ」の在留資格を以て在留する者の扶養を受ける配偶者または子

注目すべきは、旅行者(観光客)である短期滞在者以外の存在とその数です。これら外国人入国者はある程度日本に慣れ、旅行者ほどの手厚いサービスは不要かもしれませんが、日本人と同等の待遇を享受できているとは言えません。よってこの層へのアプローチは、大きなビジネスチャンスと言えるでしょう。

日本人出国者数について

出入国在留管理庁のサイトによると、2020年に日本から海外に出国した人の数は約317万人で、前年より約1,691万人(約84%)減少しました。

在留邦人数

外務省のサイトによると、2019年10月時点で海外に在留する日本人の数は約141万人で、前年より約2万人(約1.4%)増加しました。

その内訳は長期滞在者が約89万人、永住者が約52万人であり、うち男性が約67万人、女性が約74万人です。同資料では1989年から30年間続けて増加しており、1989年からは3倍近い伸び率です。

  • 長期滞在者
    • 3か月以上海外に在留している邦人で、いずれわが国に戻るつもりの人
  • 永住者
    • 3か月以上海外に在留している邦人で、生活の本拠をわが国から海外へ移した人

国別の在留邦人数

在留先の国別にみた邦人数順位TOP10は次のとおりです。

人数構成比
アメリカ(アメリカ合衆国)約44万人約31%
中国(中華人民共和国)約12万人約8.5%
オーストラリア(オーストラリア連邦)約10万人約7.1%
タイ(タイ王国)約8万人約5.7%
カナダ約7.5万人約5.3%
イギリス(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)約6.6万人約4.7%
ブラジル(ブラジル連邦共和国)約5万人約3.5%
韓国(大韓民国)約4.6万人約3.3%
ドイツ(ドイツ連邦共和国)約4.5万人約3.2%
フランス(フランス共和国)約4.1万人約2.9%
※在留邦人)海外に3か月以上在留している日本国籍を有する者(アメリカにグアム在留者数は含まない)

つまり、世界には約141万人もの日本人が在留し、彼らは現地事情や文化、歴史的背景に精通しているため、日本企業が各国へアプローチする際の橋頭保となってもらえる可能性があるということです。

在留外国人について

出入国在留管理庁のサイトによると、2021年6月末時点で日本に在留している外国人の数は約289万人で、前年末より約4.7万人(約1.6%)減少しました。

その内訳は中長期在留者が約258万人、特別永住者が約31万人であり、うち男性が約143万人、女性が約147万人です。

  • 中長期在留者
    • 「日本人の配偶者等ビザ」や「定住者ビザ」など日本人と結婚している方や日系の方、「技術・人文知識・国際業務ビザ」など就労している方、「留学ビザ」や「永住者ビザ」の方など
  • 特別永住者
    • 戦後の歴史的背景から日本で出生し、引き続き日本に在留している方

つまり、日本に住む約289万人の外国籍人の存在を意識、認識し、彼らへの情報発信を強化、日本人相手と同様のサービスを提供することで、お客様になる可能性があるということです。

国別の在留外国人

国籍別にみた日本在留外国人数順位TOP10は次のとおりです。

人数構成比
中国(中華人民共和国)約79万人約27%
韓国(大韓民国)約44万人約15%
ベトナム(ベトナム社会主義共和国)約42万人約15%
フィリピン(フィリピン共和国)約28万人約10%
ブラジル(ブラジル連邦共和国)約21万人約7%
ネパール(ネパール連邦民主共和国)約9.5万人約3%
インドネシア(インドネシア共和国)約6.6万人約2%
台湾(中華民国)約6万人約2%
アメリカ(アメリカ合衆国)約5.7万人約2%
タイ(タイ王国)約5.3万人約2%

在留資格別の在留外国人

在留資格別にみた日本在留外国人数順位TOP10は次のとおりです。

在留資格人数構成比
永住者約80万人約28%
技能実習約40万人約14%
特別永住者約31万人約11%
技術・人文知識・国際業務約29万人約10%
留学約28万人約10%

つまり、日本人としてさほど差し支えのない永住者や特別永住者以外だけでも、これほどの市場規模があるということですが、彼ら彼女たちは一定期間日本で過ごしたのち、帰国または他の国に移りますが、それは日本滞在時に知った、利用した日本企業の製品やサービスを記憶に留めて日本を離れるということです。

居住地別の在留外国人

居住地別にみた日本在留外国人数順位TOP10は次のとおりです。

居住地人数構成比
東京都約57万人約20%
愛知県約28万人約10%
大阪府約25万人約9%
神奈川県約24万人約8%
埼玉県約20万人約7%

つまり、在留外国人が多く住む地域には、他の地域と比べてそれだけ大きな外国人向け市場が眠っているということです。

最後に

世界の国の数および、それぞれの国や地域で使用されている膨大な数の言語を目にし、「言葉は国や地域で単純に区別できるものではない」ことがよくおわかりいただけたのではないでしょうか。

これらの数字から読み取れるのは、グローバルビジネスを成功に導くためには「あの地域ならこの言語」といった思い込みを捨て、俯瞰力が必要ということです。

どの国の人が、どの地域に、どれくらいの数居るのかを知ることで、身近な外国籍人の存在を意識するだけでなく、その人々の暮らしに思いを馳せるよいきっかけにしていただければと思います。

コラム【世界の言語】使用人口と使用状況もぜひお読みください。

まとめ

以上、「【解説】世界の人・世界の国・世界の言語の数」でしたがいかがでしたでしょうか。

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