【低品質な翻訳が納品されたとき】5つの対処法

翻訳外注ノウハウ

翻訳者、翻訳会社から納品された翻訳の品質が、期待したものとは違うことにがっかりした方は少なくないと思います。初めての経験で、慣れないなかようやく依頼先を見つけて発注したものであれば、残念なだけでなく裏切られた、悔しいといった思いを抱くこともあるかもしれませんが、なぜそのような事態に陥ったのでしょうか?

本コラムでは、品質に満足できない翻訳を受け取ったときの対処法と、再発防止に向けた対策をご紹介します。

翻訳の修正を依頼する

品質に満足できない翻訳が納品されたときにまず行なうべきは、翻訳者、翻訳会社にその修正を依頼することです。以下のように満足できない理由を具体的に伝え、遠慮なく修正を依頼してください。

  • なぜ満足できないのか?
  • どの部分に納得がいかないのか?
  • どのように修正(改善)してほしいのか?

修正については「何度でも無料」「二回まで無料」といった条件付きで対応している翻訳者、翻訳会社がほとんどだと思いますが、翻訳は文章ですので「評価する人の嗜好(好み)でその評価が変わる」ことは翻訳者、翻訳会社も経験から織り込み済みです。継続的に長く付き合うことが翻訳者、翻訳会社を育てることになり、それに伴ない翻訳の品質も向上するので、品質に満足できない翻訳が納品されたときも「クレームを付ける」というスタンスではなく、「より良いものに仕上げるため議論を交わして共に研鑽する」といった姿勢で臨むと、期待以上の成果につながることは間違いありません。

尚、翻訳の修正依頼には、「その対応によって翻訳者、翻訳会社の品質に対する姿勢が垣間見える」というメリットもあります。何も言わずにただ、言われたとおりに修正してくる翻訳者、翻訳会社には要注意です。なぜなら、そこには翻訳の品質に対する自負や自信がうかがえないからです。翻訳の品質を重視している翻訳者や翻訳会社は、たとえお客様のリクエストであっても「それが翻訳する目的や期待する成果につながらない」と考える場合はきちんと意見を述べるものです。

絶対にしてはならないのは、満足できない品質の翻訳を納品してきた翻訳者、翻訳会社に早々に見切りを付け、何も伝えずに自社内で対処する、もしくは別の翻訳者、翻訳会社に修正や新たに翻訳を依頼してしまうことです。なぜなら、これをすると社内ランニングコストや新たな翻訳料など、翻訳に掛かるコストが増えてしまうだけでなく、満足できない品質の翻訳を納品してきた翻訳者、翻訳会社にもお客様自身にも、経験値が蓄積されないからです。

翻訳の修正を依頼することをオーダーメードの服に例えると、製作工程の最後に行なう寸法合わせのようなものです。大量生産の既製服ではない翻訳は、一点一点がカスタムメードなので「修正は当然必要なもの」と考えましょう。また、修正の必要のない、十分満足できる品質の翻訳を最初から納品してきた翻訳者、翻訳会社はかなりの腕利きですので、満足した旨を伝え、継続的な取引を念頭に、良い関係を築くようにしてください。

参考資料や情報を提供する

翻訳の品質改善にながる資料や情報は本来、最初に翻訳を依頼するときに提供しておくべきものですが、もしそれができていなかった場合は納品後であっても提供した上で、翻訳の修正を依頼してみましょう。ただしこの場合、(最初にきちんと提供しなかったという点で)落ち度はお客様側にあるので、翻訳者、翻訳会社が納得のいくような姿勢、態度で臨むべきです。「最初からご提供いただいていれば…」と場合によっては追加費用を求められるかもしれませんが、それでも他の翻訳者、翻訳会社で翻訳し直すよりは低コストで、翻訳品質を確実に改善できるので、善処したほうがよいでしょう。

翻訳の品質改善につながる資料や情報を最初に提供しておくべき理由には、それが「翻訳コストダウンにつながる」ということもあります。有益な資料や情報は、スムーズな翻訳作業と高品質の翻訳に仕上げることにつながるため、翻訳者や翻訳会社によってはその作業負担の軽減分を見積もりに反映する、すなわち値引きすることもあるのです。ただし、案件と直接的に関係しない資料や情報まであれもこれもと提供して参照、準拠を求めると、それが手間になりかえってコストアップする可能性もありますので、十分に吟味、選別した、有益な資料や情報だけを提供するようにしてください。

別の翻訳方法に変更する

品質に満足できない翻訳が納品されてきた場合、もしそれが自動翻訳(機械翻訳)したものであれば、実績と経験豊富な翻訳者や翻訳会社に人間翻訳で依頼し直すことで、翻訳品質の改善は大いに期待できるでしょう。「自動翻訳(機械翻訳)の品質の低さを補う新たな翻訳方法」として最近注目されているポストエディット(MTPE、Machine Translation Post-Editing、自動翻訳(機械翻訳)したものを翻訳者が手直しする翻訳方法)で行なった翻訳の品質に満足できなかった場合も同様です。

また、安さを売りにする翻訳者、翻訳会社に依頼した翻訳の品質に満足できなかった場合も、コストを追求し過ぎたことがそのような結果を招いたと素直に反省し、相応のコストを掛けて新たな、信頼できる翻訳者、翻訳会社に人間翻訳で依頼し直すことを考えましょう。

相応にコストを掛けて依頼した翻訳者、翻訳会社から納品された翻訳の品質に満足できない場合は、前述のとおり修正を依頼すべきですが、場合によっては理屈を付けて対応してもらえない可能性もあります。このような場合は新たな翻訳者、翻訳会社を探すほかありませんが、同じ轍を踏まないためにも最初から十分な情報や参考資料を提供した上で、それまでの経緯を含む「なぜ新たに翻訳を依頼することになったか」をできるだけ正確に、細かく伝えましょう。

「品質に対する姿勢に大いに期待しています」と伝えて意気に感じる翻訳者、翻訳会社ほど信頼に値するものです。「品質要求レベルが高い」「そのためにきちんと予算は確保している」という品質に関する希望や翻訳外注の背景とともに、新たな翻訳者、翻訳会社に紳士的に翻訳を依頼してください。

別の翻訳者、翻訳会社に修正を依頼する

翻訳者、翻訳会社から納品された翻訳の品質に満足できず、かつその修正対応が上手くいかない場合は、まったく別の翻訳者、翻訳会社に修正を依頼するという手もあります。別の翻訳者、翻訳会社にとっては初めての依頼になりますので当然有料ですが、納期が迫っていて急いでいる場合は、進展の見込めない修正対応に時間を費やすよりも効果的です。

ただし、翻訳料金の安さを売りにせず、翻訳品質の高さを自負している翻訳者、翻訳会社にとって、このような依頼は実はあまり嬉しいものではありません。なぜなら、最初の翻訳内容の品質によって作業負担が大きく変わり、場合によってはすべて始めから翻訳し直したほうが短時間で翻訳が済み、品質の改善も見込める可能性があるからです。

別の翻訳者、翻訳会社に依頼する場合「修正するだけなのだから安く済むだろう)」と思っている人は案外多いものですが、「良い料理は良い素材からしか生まれない」のと同様、翻訳の修正もその元となる翻訳の出来具合に大きく影響を受けるものです。「コストを重視した結果、品質が低下した翻訳の修正」に対し、「他者または、他社の尻ぬぐい」といった思いを抱く翻訳者、翻訳会社もないとはかぎりませんが、それは人として当然のことだと思います。別の翻訳者、翻訳会社に修正を依頼する際は、正直に事情を伝えた上で「困っているのだ」「助けてほしい」という姿勢が必要です。

原因を探って再発防止に備える

翻訳品質を改善するための修正対応にひと区切りついたら、「なぜ品質に満足できない翻訳が納品されることになってしまったのか」考え直してみてください。次のようなことはすべて、品質に満足できない翻訳を受け取る原因になり得るものです。逆を言えば、これらを防止するだけでも、受け取る翻訳の品質を改善することが可能なのです。

  • コストを重視するあまり、料金だけで翻訳の依頼先を決めませんでしたか?
  • 急ぐあまり、無理な納期での対応を依頼しませんでしたか?
  • 十分な情報を提供することなく、翻訳を依頼しませんでしたか?
  • 過去に翻訳したものや資料など、参考資料を与えずに翻訳を依頼しませんでしたか?
  • 翻訳する目的や、期待する成果に適していない方法で翻訳しませんでしたか?
  • 翻訳者や翻訳会社に丸投げしませんでしたか?

コラム【翻訳の品質を決める】6つの要因もぜひお読みの上、品質に満足できない翻訳が納品されたときは、それを良い機会とし、しっかりと原因を探った上で再発防止策を練り上げましょう。

最後に

意外かもしれませんが、品質に満足できない翻訳を受け取る要因は、翻訳の依頼したときを含む、プロセスの始めに潜むことが多いのです。コスト、納期、情報提供や打ち合わせ、これらのどこかに無理や不足があればあるほど、納品される翻訳の品質が低下するのです。

無理や不足のあったものの改善をあとから図るのは、非効率であること以上に、想像をはるかに超える労力と心労が掛かるものです。「始めよければ終わりよし」のことわざのとおり、翻訳する際はその最初にもっとも力を入れるべきであることをご理解いただき、修正する必要のない、良い翻訳を受け取ってください。

まとめ

以上、「【低品質な翻訳が納品されたとき】5つの対処法」でしたがいかがでしたでしょうか。

当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界120か国語で行ないます。

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