優れた翻訳会社を発注する前に見分ける5つのポイント

優れた翻訳会社を発注する前に見分ける5つのポイント

 

普段あまり接する機会がなく不慣れであるにもかかわらず、ある日突然やってくる「この書類を翻訳しなければならない」という瞬間。

自分ではとても手に負えないのでどこか専門の会社に外注することに決め、限られた時間のなかでいろいろと調べてみたが本当にこれでいいのだろうか…

そんな風に悩んだり困ったりした経験のある人は少なくないでしょう。

初めての翻訳外注で、優れた翻訳会社を選ぶことは簡単ではありません。なぜなら翻訳は納品されるまで、もしくは納品された翻訳を使ってみて初めて、良いかどうかの結果が出るからです。

翻訳する目的に合った、期待する成果につながるものが良い翻訳ですが、そのような翻訳をする翻訳会社はどのようにして見分ければよいのでしょうか?本記事では優れた翻訳会社の見分け方を説明します。

レスポンス

優れた翻訳会社

翻訳会社にかぎりませんが、優れた会社のレスポンスはとにかく早いものです。なぜならレスポンスは相手のリクエストに対する反応であり、「理解しましたよ」という合図だからです。

翻訳会社への問い合わせは、初めての翻訳外注に不安でいっぱいななかで行なっていることが多いものです。そんな不安を最初にわずかでも和らげてくれるのは、問い合わせた相手からの反応なのです。

  • すぐに回答できるものはすぐに
  • 少し時間がかかるものはそうであることを
  • できることならできますよ
  • 対応が難しいものならその旨を

とにかくスピーディーに回答してくるのが優れた翻訳会社です。

そうでない翻訳会社

一方レスポンスの遅い翻訳会社は残念ながら、優れているとは言えません。

気付くのが遅れた、外出、会議、その他もろもろを理由に、決して早くはないレスポンスを詫びながら連絡をしてくるような翻訳会社は、その時点で見切りを付けておいたほうがのちのちのため、と言っても過言ではありません。

翻訳会社には、

  • 問い合わせ主の不安を払拭する
  • 知らないことを教えて差し上げる
  • もっと良い方法について提案する

といった奉仕の精神が求められます。なかなか返事をしてこない翻訳会社のスタンスはその(発注)後の工程やサービス全体に於いても同じ、と考えて間違いありません。

よって痺れを切らして問い合わせ主が連絡しなければならなくなるような翻訳会社に、ふたたび連絡する必要はありません。最初の連絡にスピーディーに反応してこなかった時点で、翻訳の外注先としては不適合ということです。

ヒアリング

優れた翻訳会社

優れた翻訳会社の担当者は、初めての問い合わせにはもちろん、継続的に利用いただいている顧客にも案件の都度、しつこいくらいにいろいろと聞いてくるものです。

  • なんのために翻訳するのですか?
  • 翻訳したものをどう使うのですか?
  • どこの国に向けたものですか?
  • 読み手はどのような方ですか?
  • どのようなかたちで社外(または社内)に出すのですか?
  • ご予算は?
  • 納期は?

など、そのあまりのしつこさに、時には問い合わせ主を辟易させてしまうこともあるかもしれません。

しかしこのようにしつこく、細かく、いろんなことを聞いてくるのは、「最適な方法で」「最適な翻訳を」お届けしようという気持ちの現われであり、そのために必要な情報を収集しようとしているからなのです。

翻訳は、誰がやってもどこの翻訳会社でも同じ、ではありません。各人、各社によって仕上がり(品質)はバラバラであり、また品質についても明確な基準値があるわけではありません。

翻訳する目的に合った、成果につながる翻訳が良い翻訳ですが、文章というその特性上、評価者(発注者)の好き嫌いによっても評価が大きく分かれる曖昧なものです。

ホームページに例えるとわかりやすいかもしれません。

ホームページを作る最大の目的は集客です。よってデザインがどうであっても、コンテンツがどうであっても、集客を実現するのが良いホームページであり、そのようなホームページを作ることができるのが良い制作会社です。

いくらデザインが良くても、いくらコンテンツ量が豊富でも、集客につながらないホームページでは意味がありません。

良いホームページを作るには精密な要件定義が必要です。精密な要件定義には入念なヒアリングが必要です。そうしなければ集客につながる良いホームページを作ることができないからです。

この例からも、翻訳におけるヒアリングの重要性がおわかりいただけるかと思います。

そうでない翻訳会社

残念ながら優れているとは言えない翻訳会社は何も聞いてきません。問い合わせ主が提供したドキュメント(文書)、何語への翻訳が必要なのか、だけを聞いて自動的に見積もってくるだけです。

  • 翻訳が必要なドキュメント(文書)
  • 言語に関する情報

この2つがあればもちろん、見積もることも、翻訳することも可能です。しかしそれはただ、ある言語の文章を別の言語の文章に置き換えているに過ぎません。

前述のとおりわざわざコストを掛けて翻訳を外注するのは、翻訳する目的と翻訳に期待する成果があるからです。そのような翻訳の背景を知ることなく、ただ言語転換を行なった結果の翻訳が良いものであるはずがありません

先のホームページの例に沿って言えば、問い合わせ主の業種やサービス内容、PRしたいところなどなにも聞かずにただテンプレートに文章の載せただけのホームページに、集客力が期待できるでしょうか?

  • こちらはプロなんだから
  • すべて任せておきなさい
  • 素人は黙っていなさい

そんなスタンスが垣間見える翻訳会社は要注意です。本当のプロなら、自身の経験にあぐらをかくことなく、より良いものに仕上げるために真摯にマーケットの声に耳を傾けるはずです。

訴求ポイント

優れた翻訳会社

優れた翻訳会社は、「バランス」を訴求しています。

翻訳サービスの評価基準の代表的なものは「価格」「品質」「納期」の3つですが、翻訳においてこれら3つの要素は密接に関係しています。「どれかを重視するためには、ほかのどれかを犠牲にせざるを得ない」ということです。

「早い、安い、旨い」は飲食業界でよく聞くフレーズですが、翻訳サービスにおいてはこれは成立しません。翻訳サービスに置き換えた場合、言えるのは次のようなフレーズです。

  • 早い、安い、旨くはない
  • そこそこ早い、そこそこ安い、まあまあの味
  • 遅い、高い、でもとても旨い

要は、すべてはバランスなのです。

早くて安くて旨くないものが悪いのではありません。「腹の足しにする」という目的であればこれは十分、お腹をいっぱいにしてくれるという成果に導いてくれるのです。

「普段使いができてお財布にも優しい」ことが目的であれば、価格、品質、納期すべてがそこそこであることがもっとも良いのです。特別な日や自分へのご褒美であれば、遅くとも高くとも、とにかく旨いものが必要なのです。

優れた翻訳会社が追及し、訴求しているのはこの「バランス」つまりお客様が翻訳する目的や、翻訳に期待する成果に最適な翻訳をお届けすることです。

販路拡大、売上向上、ブランド浸透、契約成立といったさまざまなお客様の特別な目的に最適な翻訳、それを創り出すことこそが自身の使命と捉えているからです。

そうでない翻訳会社

優れているとは言えない翻訳会社は、とにかく「価格」を訴求しています。

「業界最安値」「他社より1円でも安く」。家電販売業界などでよく目にするフレーズですが、翻訳会社にも同様の文言で広告を掲載しているところは少なくありません。

価格は他のどの要素よりも汎用性のある、訴求力の高い要素です。よってどの業界でも安易に使われがちですが、その大前提は「一定のスペックが保証されること」です。

言い換えれば、どこで購入しても同じ製品、サービスであって初めて通用する要素です。テレビ、冷蔵庫、洗濯機は誰が売ってもメーカーが同じなら同じ性能が期待できます。目的地が同じであれば、どこの旅行会社を使ってもその目的地に行って過ごすことはできます。

しかし翻訳サービスにおいてこれは通用しません。なぜなら前述のとおり「良い翻訳と呼べるものに一定の基準がない」からです。

スペックの異なるもの同士で、価格を基準に比較することはできないからです。野球選手と棋士では勝負のし様がなく、また勝者を決めることなど到底不可能であることと同じです。

しかし、優れているとは言えない翻訳会社は「価格」を推してきます。悪質なところは「品質保証」というおまけを付けるところさえあります。

「業界最低価格、最高品質」といった広告をモニターの隅に見かけたことのある人も多いと思いますが、このようなことを謳っている時点で翻訳依頼先の選択肢から外すことが賢明です。

説明責任

優れた翻訳会社

優れた翻訳会社は説明責任を果たします

  • 安く対応するためには品質を多少犠牲する必要がある
  • 納期を短くすると割増料金が必要となる
  • 良いものに仕上げるためにはこれくらいの時間的猶予はいただきたい

など、問い合わせ主にとってはあまり耳心地の良くない情報で、場合によってはそれを伝えることによってご注文いただけない可能性のある、自社に不利な情報でも、それが必要であればきちんと問い合わせ主に伝えます。

  • 「他社と比べて高い」と言われればなぜ高いのかを
  • 「ほかはもっと早くしてくれる」と言わればそれに伴うリスクを
  • 問い合わせ主にとっての利益最大化だけを考え
  • 常に中立的な立場で包み隠さず意見を述べ、説明する

それが優れた翻訳会社です。

そうでない翻訳会社

優れているとは言えない翻訳会社は、自社の優位点ばかりアピールします。それもほとんどの場合「価格」を訴求します。

お客様にとって価格は重要な要素、それもほとんどの場合「他の要素と比べても、もっとも重要な要素」であると言っても間違いないでしょう。しかし翻訳において価格とほかの要素はトレードオフの関係にあります。

「価格」をとるなら「品質」または「納期(スピード)」を犠牲にせざるを得ないのです。逆も然りです。

しかし、優れているとは言えない翻訳会社は、「価格」を筆頭に自社の優位点をアピールし、トレードオフの必要がある要素、自社にとって不利な要素、ご注文いただくことの障害となる情報については曖昧にするか、場合によっては伏せたりしがちです。

問い合わせ主にとって耳心地の良いフレーズばかりが流れてくる翻訳会社は要注意です。

そのような翻訳会社に外注して期待どおりの翻訳を受け取ることができなくても、修正など十分な対応が望めるはずはなく、結局は依頼主が泣き寝入りするはめになるので十分な注意が必要です。

見積内容

優れた翻訳会社

優れた翻訳会社の見積もり内容は、項目が細かく分かれていて、いずれも小さな数字までしっかりと記載されています。また、数字だけでなく、備考欄などにも条件や注意事項がふんだんに盛り込まれています。

なぜならそれらは、問い合わせ主への入念なヒアリングを元に行なった精密な要件定義と計算に基づくものであり、かつ何も隠すことなくすべて明確に開示しているからです。

また、見積もりの時点であらゆる事態を想定した上でしっかりと条件付けしているので、あとで見積もり内容を変えたり、見積もりどおりの対応をしてくれない、といった事態になることはありません。

見積書は契約書であり、お客様と自社の約束事です。どこまで約束できるかどうか、どこまで約束したか、すべてきちんと守ることを前提に作成された見積書を提示してくるのが優れた翻訳会社です。

そうでない翻訳会社

優れているとは言えない翻訳会社の見積書はざっくりとした内容です。「一式」といった文言に要約され、「何に、いくらかかるのか」が明確ではありません。

備考欄への記載事項も極めて少ない、密度の低い見積書を提示されたら要注意です。なぜならそこには、「できるかぎり約束しない」「自社に不利となり得ることに触れない」といったスタンスが垣間見えるからです。

ざっくりとした、曖昧な内容の見積書は、あとでどうとでも解釈することができます。そしてその多くは、翻訳の納品後にその内容に満足できずに修正など対応外注した場合、翻訳会社からの反応で問題として露呈するのです。

「言った、言わない」「聞いた、聞いてない」「約束した、していない」といった水掛け論から、のらりくらりとかわされ続けた挙句、音信不通、着信拒否といった事態はこの業界ではよく聞く話です。

価格が圧倒的要素である行政機関の一般競争入札案件などでは特に顕著で、悪質な業者による落札であっても資格をはく奪しないかぎり翌年もまた発注せざるを得ない、といった本末転倒で滑稽なやりとりが繰り返されているのも事実です。

内容が乏しく責任感の見えない見積書が提示されてきたら、その時点で翻訳外注先の選択肢から外しておいたほうが良いでしょう。

まとめ

以上、「優れた翻訳会社を発注する前に見分ける5つのポイント」でしたがいかがでしたでしょうか。

繰り返しますが、「翻訳する目的あった、期待する成果につながる翻訳」を提供するのが優れた翻訳会社です。そしてそのような翻訳をお客様に届けるために必要なのが、本記事にまとめた5つのポイントなのです。

いずれも特別なことではありません。良い翻訳をお客様にお届けしようとするのであれば、考えていたり、行なっていたりして当然のことばかりなのです。

次回翻訳の問い合わせをする際は、これら5つのポイントについての翻訳会社の対応はどうか、ぜひ確かめてみてください。ほぼ間違いなく記事の内容どおりの結果になると思われます。

それでももし自分ひとりでは心もとないと思われる方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

コラムフッター