【翻訳外注先】料金で選ぶときに注意すべき5つのこと

翻訳外注ノウハウ

初めて翻訳の見積もり依頼をした際に、提示された見積書に記載された料金をみて驚かれた方は少なくないでしょう。

そして、その感想は「高い!」であり、「思っていたより安かった」と感じる方はほとんど居ないのではないでしょうか。

普段接する機会もなく相場感も無いため、翻訳料金を初めて目にした際にそう思われるのは仕方のないことだと思います。

また、翻訳しなければならない状況にはある日突然陥ることが多く、それに伴なって発生する翻訳コストは予想外の出費以外のなにものでもなく、となると予算に対する決裁権者の理解もきっと得にくいでしょう。

結果的に、より低コストな翻訳調達方法を求めてネット空間を彷徨い、一括見積サイトや複数の翻訳会社から相見積もりをとって…といった流れになるのも致し方ないと思います。

しかし、本当にそれで良いのでしょうか?

もっとも安い翻訳料金を提示した業者に発注することが、発注者であるあなたやあなたの会社を期待する成果に導いてくれるのでしょうか?

残念ながら答えは「否」です。

本記事では、翻訳外注先を翻訳料金で決める際に、大失敗しないための注意点についてご説明します。

どこで翻訳しても品質は一定ではないことを知る

まず最初に知るべきは、「翻訳は誰がやってもどこでやっても同じ、ではない」ということです。

「翻訳料金と翻訳品質は完全に比例する」と当社は事あるごとにお伝えしていますが、「腕の良い翻訳者や翻訳会社は料金が高く」「そうでない翻訳者や翻訳会社は料金が安い」のが翻訳の世界です。

量産品や工業製品のように一定の規格や性能(品質)が保証されるものであれば、誰から買ってもどこから買っても製品に対する満足度は同じでしょうが、翻訳に於いてはそうではありません。

安い方法や安い業者から仕入れたものは間違いなく「それなりのものでしかない」ということです。

しかしながら幸い、翻訳する目的や翻訳に期待する成果というものはお客様によって異なります。求めるものが違うので翻訳に必要とされる品質も一定ではない、ということです。

これはつまり、「安かろう悪かろうがお客様にとってかならずしも悪いわけではない」ということに他ならないのです。例えると、近所のコンビニやスーパーに行くのに高級外車で乗り付けたり世界的ブランドの衣服で身を固める必要はなく、逆に冠婚葬祭の場にカジュアルな恰好では行けないことと同じです。

要はTPO(Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場面))である、翻訳する目的や翻訳に期待する成果に合わせて、最適な方法や外注先を選択することが翻訳外注では大切なのです。

ゆえに翻訳料金で外注先を選ぶ場合は、「どこで翻訳しても品質は一定ではない」ことを忘れないようにしてでください。

事あるごとにお伝えしていても、よくわからないがために「翻訳は誰がやってもどこでやっても同じ」だと思われる方、またそう思い込んでしまっている方は多いのです。

そしてそう思うがゆえに、もっとも低料金の翻訳者や翻訳会社に外注して失敗されるケースが実に多いのです。

他社と比べて安い理由を聞く

それでは翻訳の外注先を料金だけでは決めることができないのか、というと決してそうではありません。なぜなら、そこには企業努力による値差やサービスの違いがあるからです。

一般的に「翻訳料金」は翻訳に掛かる費用すべての和である総額を指しますが、翻訳料金を比較する際は翻訳単価が用いられることが多いのです。

日本語から英語への翻訳の場合、A社の翻訳単価は20円、B社は19円、といった具合です(※翻訳単価について詳しくは、【超簡単】翻訳単価の意味と決まり方もお読みください)。

翻訳単価とは、翻訳が必要なドキュメント(文書)に含まれる文字または、単語あたりの料金のことです。つまり、「翻訳単価x総文字数(または総単語数)」が翻訳料金なのです(実際の翻訳料金にはこの積以外の要素も加わります)。

相見積もりをとればすぐにわかりますが、きちんとした翻訳会社が提示する翻訳単価はある一定のレンジに収まるものです。

ここで生じる1円や2円(最大でも5円程度まで)の差は前述の企業努力の範囲と捉えることができますので、そのなかでもっとも低料金を提示した業者に発注しても、他に発注した場合と比べて大きく結果が異なることはないでしょう。

しかしこの翻訳単価が「相見積もりの相手の半値である」または「数十パーセントも安い」となると注意が必要です。なぜなら、そのような翻訳料金を提示することは、企業努力だけでは実現できないからです。

ゆえにそこにはなにか、物理的な背景が作用していると考えて間違いありません。わかり易く言うと、「なんらかの方法で制作コストを下げている」と推測することでもできるのです。

よって翻訳料金で外注先を選ぶ場合は、次のようなことを事前に確認しておくことをお勧めします。

これらの質問に対する答えが納得できるものであれば、信頼に足る翻訳外注先として一度試しに利用してみても良いかもしれません。

  • なぜそんなに安いのか?
  • その料金でお客様の品質要求を満たせるのか?
  • 品質要求を満たすことを保証できるのか?

最後に、見積書に翻訳単価や文字数、単語数が記載されておらず、すべてまとめて「一式料金」とされている場合、さらにその総額が他と比べて極端に低い場合は要注意です。

なぜなら「記載されていないことは約束できない」つまり「何も書かれていなければ何の保証もしない」と同義だからです。

翻訳工程を確認する

相見積もりをとった際にほかと比べて極端に安い見積もりを提示された場合は、翻訳工程がどのようなものか確認してみることもお勧めします。

品質を売りにしている翻訳会社の翻訳工程は、一般的に次のようなものです。

1)翻訳者による翻訳 → 2)チェッカーによるチェック → 3)QAによる二次チェック

つまり、翻訳という成果物が納品されるまでに、その品質管理上は3名の者が携わることが多いのです(問い合わせ対応ステージの営業や窓口担当者は省きます)。

品質要求の高いドキュメント(文書)であればさらに1名、場合によっては一旦翻訳したものを再度、元の言語に翻訳し戻すというバックトランスレーションと呼ばれる先祖返りのような翻訳作業を行ない、究極までのその品質高めることもあるほどです。

このことからおわかりかと思いますが、もっとも簡単にコストを下げる方法は、「工程を省く」つまり「関わる人員を減らす」ということです。

労働集約型産業の最たるものである翻訳に於いては、原価はほぼ100%人件費です。よって工程の削減によって関わる人員を減らせば、簡単にコストダウンできるのです。

また、1)の「翻訳者による翻訳」を自動(機械)翻訳で代替することも翻訳コストの削減につながります。

極端な例ですが、無料のGoogle翻訳を使ってざっと翻訳したものを、短時間で最低限のチェックだけ行なって納品すれば極端なコストダウンが実現できます。しかし言うまでもなくこれらはすべて、翻訳品質の低下につながります。

最初からその旨断わりがあった場合は別ですが「一定の品質に期待して翻訳を外注したのに納品されたのは使い物にならなかった」というのは翻訳の外注先を料金だけで選んでしまった場合の失敗例として枚挙に暇がありません(Google翻訳など無料の自動(機械)翻訳サービスを使用した場合はセキュリティ上の問題も生じます)。

ゆえに翻訳料金で外注先を選ぶときは、「どのような工程で翻訳を行なうのか?」事前に確認しておくことをお勧めします。

修正対応について確認する

翻訳は納品されたらそこで終わり、ではありません。納品後はお客様による検収、つまり検品作業に合格して初めて完全納品となるのです。

そしてこの、お客様による検収作業の過程で「翻訳内容についての修正依頼が入る」ことが多いのも翻訳サービスの特徴です。

  • 指定した用語に翻訳されていない
  • イメージしたニュアンスではない
  • 意訳(原文の趣旨を汲み取った創作要素の高い翻訳)が過ぎるのでもう少し原文に忠実に翻訳してほしい

このような多種多様なフィードバックがお客様からあり、それに応えて内容を修正または、微調整した上で再度納品してお客様から合格のお知らせをいただき、それでようやく完納、請求書の発行となるのです。

尚、ほとんどの翻訳会社はこの検収(フィードバック、修正依頼)作業が発生することを見込んで見積もりを提示しています。

なぜなら、文章は読み手の好き嫌いによっても評価が分かれるものであり、お客様の気分や好みによって修正対応が必要となるケースがほとんどだからです。

そして、検収対応(フィードバック、修正依頼)には当然ながら人件費が発生しますので、多くの場合「修正は○回まで無料対応」といったかたちで制限を設けているケースが多いのですが、極端に安い見積もりを出した業者はこの人件費が捻出できません。

ゆえに検収対応(フィードバック、修正対応)できない(またはしない)といったケースが発生する可能性もあるのです。

よって翻訳料金で外注先を選ぶときは、「修正対応はしてくれるのか?」と事前に確認しておくことをお勧めします。

信頼性が高いと思える先に値下げ交渉する

ここまでご説明してきた内容を実施しても、その仕事の結果に一抹の不安を抱かざるを得ないのが翻訳外注です。

よって、見積もり価格が近似値であれば、問い合わせた際の対応がもっとも優れていた、信頼できそうな業者に発注するのが無難であることは間違いありません。

しかし予算がある場合など、社内決済上などの理由からどうしてもそうできず、最安値を提示した業者に外注せざるを得ないかもしれません。

そのような場合は是非一度、「問い合わせた際の対応がもっとも優れていた、信頼できそうな業者」に事情を正直に伝えた上で相談してみることをお勧めします。

なぜなら、先述のとおりそこには企業努力の余地がある場合があるからです。翻訳単価が1円や2円違う程度であればなんとか期待に応えたい、受注したい、と思う業者は少なくないと思います。

気を付けていただきたいのは、この方法が見積金額が近似値であった場合にのみ有効だということです。

「他社から半額の見積もりが来ているが」とでも言おうものなら「どうぞそちら様にご発注ください」と返されることは間違いありません。なぜながら、そのような見積もりには裏があることをなによりも知っているのが業者自身だからです。

尚、「安いから頼んでみたが大失敗だった」とお困りのお客様からご依頼いただくことは当社でもよくあります。

繰り返しますが、「翻訳料金と翻訳品質は完全に比例する」のです。翻訳料金だけで外注先を選んだ結果そうなることは、業者自身がよくわかっているから値下げ交渉の相手をしないのです。

よって翻訳料金だけで外注先を選んでしまう前に一度、信頼できそうな業者に値下げ交渉をしてみることをお勧めします。

まとめ

以上、「【翻訳外注先】料金で選ぶときに注意すべき5つのこと」でしたがいかがでしたでしょうか。最後にもう一度お伝えします。

  • 翻訳料金と翻訳品質は完全に比例する
  • 翻訳する目的や翻訳に期待する成果というものはお客様によって異なる
  • お客様によって翻訳に求めるものが違うので、必要とされる品質も一定ではない

ゆえに「翻訳料金が安い=悪い」ということでありません。大切なのは、「翻訳する目的や、翻訳に期待する成果に最適な翻訳方法や信頼できる翻訳依頼先を選択する」ことです。

最適な翻訳方法や翻訳の外注先を選ぶことができれば、翻訳料金は安いほど良いことに間違いはありません。気を付けなければならないのは、闇雲に価格優位性を推してくる業者の口車に安易に乗らないことです。

翻訳業界は泥臭いものです。他の業界ではありそうな、魔法のようなコストダウンの方法はないことをどうぞお忘れなく。

翻訳の外注先でお悩みの方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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