翻訳の方法は大きく分けて「翻訳会社に依頼する」と「Google翻訳などの自動翻訳(機械翻訳)を使う」の二通りあります。
しかし「とにかく急いで翻訳したいが自動翻訳(機械翻訳)だと品質が不安」「翻訳を依頼したいが予算があまりない」など、翻訳会社や自動翻訳(機械翻訳)のどちらも適していないという状況が発生する場合があります。
そんなときにおすすめしたいのが「クラウドソーシング翻訳」という方法です。本コラムでは、クラウド翻訳とは何か、またそのメリットやデメリットについて解説します。
目次
クラウドソーシング翻訳とは?
クラウドソーシング翻訳とは、「インターネット上のプラットフォームを介して翻訳者に翻訳を依頼するシステム」です。
「クラウド」は、クラウドコンピューティングの「Cloud」ではなく、クラウドソーシングの「Crowd」を指しますが、プラットフォームを介して翻訳を依頼すると、その案件に対応できる翻訳者が随時翻訳してくれます。
つまり、翻訳の発注側と受注側をオンラインでダイレクトにマッチングさせるサービスが「クラウドソーシング翻訳」なのです。
翻訳会社に翻訳を依頼した場合は次のように工数が掛かりますが、クラウドソーシング翻訳ならひとつのプラットフォーム上ですべてが完結する、というのがその大きな特徴です。
- Eメールなどで原稿を翻訳会社に送付
- 見積書内容を確認する
- 発注連絡する
- 翻訳会社からメールで成果物が送られてくる(納品)
クラウドソーシング翻訳のメリット
翻訳コストを削減できる
翻訳会社に翻訳を依頼すると営業担当者や翻訳コーディネーターが間に入るため、営業経費やコーディネーション料が見積金額に含まれています。
しかしクラウドソーシング翻訳では、翻訳者に直接翻訳を頼めるため比較的安価に翻訳を依頼することができます。
プロ翻訳者による翻訳が得られる
クラウドソーシング翻訳サービスでは、実力レベルが採用基準に達している翻訳者のみ登録されいます。
よって翻訳者探しに困ることなく、自動翻訳(機械翻訳)のように手軽にプロの翻訳者に翻訳を依頼できるところがポイントです。
納品が速い
プラットフォーム上から翻訳を依頼すると、対応できる翻訳者がすぐに翻訳作業を開始してくれるので、短い時間で翻訳を受け取ることができます。
内容や量によっては、マッチングに掛かる時間を含み、一時間以内で納品されることもあります。
24時間365日受付可能
翻訳会社はたいていカレンダー通りのスケジュールで稼働しています。そのため休日や祝日に見積もりを依頼しても、回答を休み明けまで待つことになります。
しかし翻訳者はフリーランスが多いため、休日や祝日など翻訳会社の休業日、操業時間外でも稼働しているケースが多いのです。
このミスマッチを活用し、翻訳の依頼主と翻訳者をダイレクトに結ぶクラウドソーシング翻訳では、曜日や時間を気にせず翻訳を依頼することができます。
ウェブ上ですべて完結できる
クラウドソーシング翻訳ではメールや電話でのやり取りは必要ありません。
オンラインのプラットフォーム(ウェブサイト)を通して依頼すれば、同じプラットフォームで翻訳を受け取ることができます。
これにより依頼に掛かる工数を減らすことができるのです。
クラウドソーシング翻訳のデメリット
メリットが多いように思えるクラウドソーシング翻訳ですが、注意すべき点もいくつかあります。
翻訳者を指名できない場合があるので、翻訳の品質が安定しないことがある
原則的にクラウドソーシング翻訳はプロ翻訳者による翻訳を提供していますが、翻訳者によって得意・不得意な分野があるため、翻訳を依頼しても必ずしも期待した品質レベルに達しないことがあります。
翻訳会社に翻訳を依頼する場合は「○○分野の経験がある翻訳者」のような希望を伝えたり翻訳者を指名することもできますが、クラウドソーシング翻訳では「依頼したタイミングで対応できる翻訳者」が翻訳するため注意が必要です。
翻訳後のチェック工程がない
翻訳会社に依頼した場合は、翻訳者による翻訳のあとプロのチェッカーによる翻訳チェック、コーディネーターによる最終(QA)チェックを経て納品されます。
しかしクラウドソーシング翻訳ではチェック工程は省略され、翻訳者の翻訳がそのまま納品されるため、ミスがそのままになる可能性があります。

クラウドソーシング翻訳を利用する際に注意すべきこと
クラウドソーシング翻訳を利用するときは、期待する翻訳品質に近づけるために次のような情報を提供するとよいでしょう。
スタイル(体裁)やレギュレーション(決まりごと)
希望する文体やフォントを指定したい場合は、依頼時にかならず指示するようにしましょう。
たとえば日本語の場合は「である調」または「ですます調」の指定、英語の場合は「アメリカ英語」または「イギリス英語」といった指定です。
翻訳の用途
自社内のスタッフだけが見る文書なのか、クライアントにも見せる文書なのか、など翻訳の用途によって翻訳の仕方も変わります。
翻訳の用途をあらかじめ翻訳者に伝えておくことで、期待する翻訳を得やすくなるでしょう。
主語を省かず、わかりやすい文章の原稿を提供する
同じ組織内の人間ならわかることでも、外部の人間である翻訳者から見れば理解しづらい内容もありますので、翻訳を依頼するときは、主語を省いたり社内用語を使ったりせずにわかりやすい文章の原稿を提供するよう心がけましょう。
クラウドソーシング翻訳に向いているケース
前述の通り、クラウドソーシング翻訳にはメリット・デメリットがあるため利用するときは注意が必要です。クラウドソーシング翻訳に向いているのは、次のような場合です。
急いで翻訳されたものを受け取りたい場合
翻訳依頼にあまりコストをかけられないが、自動翻訳(機械翻訳)の品質では不安な場合
例)ビジネスメール、チラシ、パンフレットなど専門性と難易度の低いドキュメント(文書)
最後に
クラウドソーシング翻訳は基本的にプロ翻訳者がする翻訳ですので、ある程度の品質は見込めるものの結果にばらつきが生じる可能性があります。
ゆえに品質にばらつきがあっては困るような大切な文書の翻訳は、翻訳会社に依頼されることをおすすめします。また、クラウドソーシング翻訳以外にもさまざなな翻訳方法があるのでぜひご検討ください。
まとめ
以上、「【クラウドソーシング翻訳】メリットとデメリット」でしたがいかがでしたでしょうか。
当社は翻訳の目的や、翻訳する文書の特徴、性質などを正しく理解、見極め、相手国の文化的背景を念頭に、ホームぺージや契約書、取扱説明書、プレゼン資料、リリース、ゲーム、アプリその他あらゆるビジネスで必要なドキュメント、テキストの「プロ翻訳者による翻訳」を、英語を中心に世界120か国語で行います。
高い品質が求められる外国語対応や翻訳についてもしお困りでしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。