翻訳会社の”なかの人”が内緒で教える翻訳会社の選び方

翻訳会社の”なかの人”が内緒で教える翻訳会社の選び方

 

「もし自分が翻訳外注先を探すとしたらどうするだろう?」

翻訳業界の”なかの人”として、己の思考を辿ってみました。数多くの選択肢から消去法で話を進めたいと思います。

企業規模では選ばない

「大きな会社なら安心だろう」と思われがちですが、私なら企業規模では翻訳外注先を選びません。なぜなら、

  • 対応力を決めるのは翻訳会社が持っているリソース(翻訳者)の数
  • 翻訳の品質を決めるのはリソース(翻訳者)のレベル

であるため、これらは必ずしも企業規模とは紐づかないからです。

「大型の案件は企業規模が大きくないと対応できない」

そのように思われるかもしれませんが、規模の大きな企業に依頼しても結局、そこから他の翻訳会社に再委託されるケースもあります。

これらのことを考えると、中小規模の翻訳会社のほうがかえってその動きも把握し易く、丁寧に対応してくれそうな印象があるので、私なら企業規模では翻訳外注先を選びません

操業年数で選ばない

翻訳業界は意外に人の出入り(入社・退職)が激しい業界です。

創業時からずっと在籍している”業界の生き字引”と呼ばれるような方が在籍して対応してくれるのであれば、そのノウハウを活用するという点で検討の余地はありますが、実際にはそのような方は(創業者ののぞけば)ほとんど居ません。

つまり「操業年数=蓄積資産の量(経験・知識)」ではないこともあり、私なら操業年数では翻訳外注先を選びません。

参考になるのは操業年数より、「翻訳業界での勤続年数が長い(経験と知識が豊富な)人がどれくらい居るか」だと思います。

実績で選ばない

特定の業界に特化した翻訳だけを行なっている翻訳会社であれば、経験も豊富で、組織全体としてもある程度の”共通認識(蓄積資産)”を持っていると思いますが、これも操業年数同様「その実績を作り上げた方が担当者として対応してくれるのであれば」という条件が付きます。

翻訳業界の業務は総じてマニュアル化が進んでおらず、在籍者それぞれ(個人)の職人技に依存しているところが少なくありません。

よって、掲載されている実績を鵜呑みにして翻訳を外注(依頼)しても、その実績を作った経験と知識が豊富な担当者はすでに在籍しておらず、経験年数の浅い担当者が対応する可能性もあることから、私なら実績では翻訳外注先を選びません。

対応言語(数)で選ばない

スワヒリ語やトンガ語といったニッチ(使用人口が少なくて希少)な言語の翻訳を外注(依頼)する場合は、そもそも対応できる翻訳会社や翻訳者がかぎられているため、対応してもらえるのであればどこであっても、誰であっても頼むほかありません。

しかし、日本の翻訳市場で流通している言語は、そのほとんどが日本語と英語の組み合わせです(当社の場合8割方は日本語と英語のペアです)。

この組み合わせの場合、日本に存在するほとんど翻訳会社は対応可能であり、対応言語(数)は翻訳外注(依頼)先を決定する際の判断基準にはなりません。

対応言語(数)よりもむしろ特定の分野、たとえば「○○分野の○○語に自信あり」という翻訳会社のほうが翻訳の品質に期待ができるように思うことから、私なら対応言語(数)では翻訳外注先を選びません。

対応分野で選ばない

「特定の分野を得意としており、その分野における実績が豊富」なのであれば、それは翻訳外注(依頼)先を決定する際の参考に値すると思いますが、それも繰り返し述べているように「その分野を得手とする担当者が実際に対応してくれるのであれば」です。

総花的にあらゆる分野に対応しているよりも、ある分野に特化している翻訳会社のほうがその翻訳品質には期待できますが、多くの翻訳会社はその企業規模を維持するためにもあらゆる分野に対応しているのが実態であり、私なら対応分野で翻訳外注先を選びません。

料金で選ばない

翻訳は「料金と品質が完全に比例する」ものなので、料金で依頼先を選ぶとあとで苦労することになるのは間違いありません。

なぜなら、低料金で請け負うと、低コストで翻訳を行なうこととなり、それが品質の低下を招くからです。

ただし、翻訳に於いて必要とされる品質は必ずしも一定ではありませんので、

  • 品質を多少犠牲にしてもコストを追求する
  • 品質をとにかく重視するので相応のコストを掛ける

のあいだで如何にバランスのとれた翻訳外注(依頼)をするかが決め手になります。

いずれにせよ料金はひとつの要因でしかないため、のちの問題発生を防ぐ上でも私なら料金で翻訳外注先を選びません。

まとめ

「もし自分が翻訳外注先を探すとしたらどうするだろう?」

翻訳業界の”なかの人”として、ここまで己の思考を辿ってきましたが、結論として私ならコンタクト(問い合わせを)したときの「対応の良し悪し」で翻訳外注先を決めると思います。

「対応の良し悪し」の判断基準とは、次のようなものです。

1)対応スピード
どれだけ素早く反応してくるか
2)ヒアリングへの姿勢
  • なぜ翻訳しないといけないのか
  • どんな希望や制約があるのか
  • そのなかでどんな風に翻訳するのがベストなのか
  • 私(依頼主)の背景になにがあるのか

といったことまで、一生懸命聞いてくるかどうか

3)提案力と提案内容

「あくまでも依頼主であるこちらを立てた上で、自社のノウハウを提供しつつ最適なかたちに導いてくれる」対応だと安心して任せることができます。

「この人(担当者)はきっと期待以上に応えてくれる」と思えるかどうか、ということですが、これは別に翻訳の外注にかぎったことでなく、汎用品など完全に均質なスペックが保証されるモノ、コト以外のあらゆる製品やサービスにすべて適合する話です。

結局最後はやはり「人」だと思います。

  • どれほど一生懸命対応してくれそうか
  • どれほど感謝の気持ちを以て依頼する仕事に取り組んでくれそうか

それが仕事の結果につながるのだと思いますので、私ならそんな期待ができそうな翻訳外注先を選ぶと思います。

以上が「翻訳会社の”なかの人”が内緒で教える翻訳会社の選び方」ですが、詳細確認がご必要な場合はお気軽にお問い合わせください!

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