【必読】翻訳方法を食事に例えると

翻訳外注ノウハウ

AI技術の進歩に伴なう自動翻訳(機械翻訳)の精度向上により、「外国語を読んだり」「外国語にしたり」はとても簡単になりました。

「安心してビジネスに使うレベルにはまだ達していない」といった厳しい声はありますが、(日本人の場合は特に英語以外の)外国語の文章の意味が(ざっくりとでも)わかるようになったり、外国人と意思疎通を図るきっかけづくりへの貢献度は決して小さくないと思います。

言語(げんご)、平たく言うと言葉(ことば)はコミュニケーションの道具です。そしてコミュニケーションの方法や内容は、その目的やシーンによって変わるものです。

さらに、目的やシーンに最適なコミュニケーションを図るためには、コミュニケーションの道具である言葉、つまり翻訳の方法も使い分ける必要があります

それではどのように使い分ければ良いのでしょうか。わかりやすく飲食店に例えてご説明します。

自動(機械)翻訳はファストフード店

Google翻訳DeepLまたは、その他無料・有料の自動(機械)翻訳で翻訳することを例えると、ファストフード店での食事のようなものです。

その最大の特長は、いつ、どこで、誰が、どんな目的で利用しても、見た目も味も(同一国内であれば)価格も変わることのない一定の料理(翻訳)が安定的に提供されることです。

メリットやデメリット、利用目的や利用シーンなど、類似点は次のとおりです。

ファストフード店自動(機械)翻訳
メリット安い
早い
とりあえずお腹を満たしてくれる
無料(有料もあるが翻訳者や翻訳会社より安い)
その場ですぐに翻訳が完成する
とりあえずある言語を別の言語に変換してくれる

※「翻訳」の定義にもよりますが、ここでは敢えて「翻訳」ではなく「言語変換」と表現しています
デメリット健康への影響が気になる
メニューの数が少ない
マニュアル以上、以外の対応ができない
翻訳の品質に不安がある
特定の言語、分野しか対応していない
言語を変換すること以外の作業は行なえない

※「翻訳」の定義にもよりますが、ここでは敢えて「翻訳」ではなく「言語変換」と表現しています
利用目的とにかくすぐにお腹を満たしたい
財布の中身がさみしい
味にはそれほどこだわらない
とりあえず外国語(または日本語)にしたい
翻訳に予算が割けない
翻訳の品質は高くなくても良い
利用シーン限られた時間内での食事
限られた予算内での食事
飾る(かざる)必要のない食事
品質よりもスピードが求められる場合
品質よりもコスト重視の場合
品質がビジネスに悪影響を及ぼさない場合

翻訳相見積サイト・比較サイトはフードコート

翻訳相見積サイト比較サイトで翻訳することを例えると、フードコートでの食事のようなものです。

相見積サイトや比較サイトにはあらゆる業種、サービスを扱っているものもあれば、翻訳など特定の業種、サービスに絞っているものまでさまざまですが、その最大の特長は言うまでもなく、さまざまな種類の料理を一か所で味わうことができる、つまりユーザーに選択肢を与えることができるという点です。

メリットやデメリット、利用目的や利用シーンなど、類似点は次のとおりです。

フードコート相見積サイト・比較サイト
メリット・選べる
・簡単
・便利
・同一事業の複数社から選ぶことができる
・簡単な登録ですぐに見積もりが依頼できる
・一度の問い合わせで済む
デメリット・限られたスペース、メニューしか提供できない
・運営コストが価格と品質に影響する
・店舗間の競争によりサービスの質が低下し易い
・サイト運営者の方針や力によって選べる範囲が変わる
・サイト運営者へのマージンが価格に上乗せされる
・マージンと同一事業者間のコスト競争が品質に影響する
利用目的・たくさんの種類から食べるものを選びたい
・店を求めてあちこち歩き回りたくない
・そのときの気分によって選びたい
・(同一事業の)複数社から選んで決めたい
・何度も見積もり依頼したくない
・そのときに求めるもので発注先を決めたい
利用シーン・ファストフードは避けたいが、食べたいものが決まっていないときの食事
・あちこちの飲食店を覗く時間がないときの食事
・環境にこだわる必要のないときの食事
・自動翻訳(機械翻訳)では品質面で不十分な場合
・手続上、相見積もりを取る必要のある場合
・翻訳品質をさほど問わない場合

クラウドソーシング翻訳は街の定食屋

クラウドワークスランサーズまたは、専門サービス会社が提供している翻訳マッチングサービスといったクラウドソーシングサービスで翻訳することを例えると、街の定食屋での食事のようなものです。

メニューはもちろん、店舗の面積や外観、営業年数、評判、衛生状況までさまざまなお店が立ち並ぶ街中の定食屋さんはまさにクラウドソーシングサービスと同じであり、その最大の特長は、行きつけの良いお店を数軒知ってさえいれば、そのときの気分によって使い分けながら、常に美味しい料理を堪能できることです。

ただし、出張先や引越先といった初めての街で訪れる定食屋の場合は、結果はお店を出るまでわからないというところもクラウドソーシングサービスと似ています。メリットやデメリット、利用目的や利用シーンなど、類似点は次のとおりです。

街の定食屋クラウドソーシング
メリット・(和食、洋食、中華など)大きなくくりの中から選ぶことができる
・良い店を知っていれば美味しい料理を味わえる
・チェーン店ほど安くはないが、付加サービスを享受できることがある
・作業内容によって分類された登録者から選ぶことができる
・腕の良い依頼先を知っていれば、価格以上の品質が期待できる
・同一依頼先との関係継続、強化によって品質向上や付加サービスが期待できる
デメリット・店に関する情報が少ない
・店が小さい、店員が少ない
・仕入によって味が変わる、経営悪化により店が無くなるなど安定性に欠ける
・初めての利用の場合、お店のサービスや質が期待どおりではないことがある
・自己PRと評価を参考にせざるを得ない
・キャパシティが小さい
・個人事業主やフリーランサーがほとんどであるため、品質や取引の安定性に不安が残る
・かなりの数の登録者から選ぶため、依頼結果が博打的になり易い
利用目的・雰囲気や味など、価格以上のなにかを求めたい
・いろんなお店を巡って楽しみたい
・常連になって味の調整など特別対応に期待したい
・直接取引によって外注コストパフォーマンスを上げたい
・いろいろ試してこれはという外注先を探したい
・固定化して自社専属のような関係を築きたい
利用シーン・味やサービスを大目に見る余裕があるときの食事
・個性的な店主や店員でも気にする必要のない食事
・美味しいお店を知っているときの食事
・品質面や納期面など、多少の不利益は自分または、自社側で吸収できる場合
・依頼先の管理、育成など自分もしくは、自社にディレクションの能力や時間がある場合
・知人または、紹介など依頼先の実力があらかじめわかっている場合

翻訳会社は高級レストラン

翻訳会社で翻訳することを例えると、高級レストランでの食事のようなものです。

オーナー、シェフ、メニューはもちろん店舗の内外装から醸し出す雰囲気まで、といったサービス全体を通して強いこだわりがある高級レストランと同じように、翻訳会社も得意とする分野や対応できる言語、翻訳の品質や抱えている翻訳者というリソースの数、キャパシティ、対応スピードやサービス力などで他社との差別化を図っています。

そしてその最大の特長は料理の美味しさ、つまり専門、特化している分野や言語における力量つまり、翻訳の品質の高さです。

先述のとおり翻訳会社間では得手とする分野や言語は異なりますが、自動(機械)翻訳、翻訳相見積サイト・比較サイト、クラウドソーシング翻訳と大きく異なる点はこの品質という、高級レストランに例えると料理の味の部分で勝負しているところです。

翻訳をパスタに例えるとそれはファストフード店でも、フードコートでも、街の定食屋さんでも注文することはできますが、三ツ星イタリアンと同じ立場である翻訳会社は、その味を含むサービスすべてを以て同じ高級レストランである同業他社はもちろん、同じ料理を提供できる他の飲食店との差別化を図っています。

メリットやデメリット、利用目的や利用シーンなど、類似点は次のとおりです。

高級レストラン翻訳会社
メリット・料理が美味しく、サービスが優れている
・清潔で雰囲気や環境が良い
・料理その他に関するさまざまな情報を得ることができる
・安心してくつろげる
・翻訳の品質が高く、問い合わせ対応から納品後のフォローまで優れたサービス力を持つ
・信用面を重視するため、安定的でシステマティックな対応をしてもらえる
・翻訳に関する最新情報はもちろん、それ以外の外国語や海外に関する情報を得ることができる
・品質、納期面など安心して翻訳を依頼、任せることができる
デメリット・価格が高い
・専門外の料理を頼むことができない
・こだわりが強いため融通が利きにくい
・他の翻訳サービスと比べると料金が高い
・特定の言語、分野以外は対応していない場合がある
・大手になると営業時間外や短納期対応などへの対応力が低下する
利用目的・美味しく体に良い料理を味わいたい
・特定の分野における最高級が求められる
・絶対に失敗しないひとときにしたい
・成果につながる翻訳が必要である
・とにかく高い翻訳の品質が求められる
・ビジネスに絶対に悪影響を及ぼしてはならない
利用シーン・健康面に考慮が必要な食事
・メニューに強くこだわる食事
・大切な人との大切な食事
・読者であるネイティブの心に響かせる必要がある場合
・専門的な分野や内容である場合
・翻訳の出来具合が成否に大きく影響する場合

翻訳者は知人・友人宅の食事

翻訳者個人に直接頼んで翻訳することを例えると、知人または、友人宅での食事のようなものです。

街の定食屋さんに例えたクラウドソーシング翻訳と同じように、その最大の特長は、料理の上手な知人または、友人を知っていれば美味しい料理に低コストでありつけることです。

それはつまり、良い翻訳者を知ってさえいれば、直接取引を行なうことで翻訳会社に依頼する場合とほぼ同様の品質が期待できる上、翻訳会社に依頼するよりもコストを抑えることができるということです。

ただし、こちらも街の定食屋さんに例えたクラウドソーシング翻訳同様、初めての翻訳者に直接依頼するときは、主に翻訳の品質面における良し悪しの結果が最後までわかりません

メリットやデメリット、利用目的や利用シーンなど、類似点は次のとおりです。

知人・友人宅翻訳者
メリット・相手によってはプロ顔負けの料理を堪能できる
・手土産や心付けが必要な場合もあるが、高級レストランより費用が掛かることはない
・くつろいだ雰囲気のなか、料理や会話を楽しめる
・作業内容によって分類された登録者から選ぶことができる
・腕の良い依頼先を知っていれば、価格以上の品質が期待できる
・同一依頼先との関係継続、強化によって品質向上や付加サービスが期待できる
デメリット・料理の味を求めると当たり外れがある
・大勢で押しかけるわけにはいかない
・気を遣う
・結果によっては気まずい関係になることがある
・初めての依頼では期待通りの結果にならない可能性がある
・翻訳者個人で作業するため、キャパシティが小さい
・翻訳者個人の仕事、体調、家庭環境などが品質や納期に影響する可能性がある
・期待通りでない場合もクレームしにくい、別の翻訳者に変えづらい
利用目的・料理よりもまずは関係性を強化したい
・少人数でくつろいだ時間を過ごしたい
・外では話しづらいことが話せる環境が必要
・コスト、品質面などの将来性から、まずは翻訳者個人とのネットワークを構築したい
・翻訳者個人との関係強化により、自社案件に適したなんでも相談できる翻訳依頼先が欲しい
・翻訳の依頼先を最小化することで、情報漏洩のリスクを下げたい
利用シーン・関係性の強化が主目的であるときの食事
・懇意のメンバーで集いたいときの食事
・何らか環境要因により飲食店ではできない食事
・長期計画に基づき、翻訳者を自社案件にフィットするよう育てる余裕がある場合
・阿吽の呼吸で翻訳を依頼でき、対応してくれる依頼先が欲しい場合
・セキュリティ上、他の翻訳依頼先を選択できない場合

まとめ

以上、「【必読】翻訳方法を食事に例えると」でしたがいかがでしたでしょうか。

余談ですが、自分で翻訳することを飲食に例えると、自分で作った料理のようなものです。スキルがあれば時間をかけるだけで、自分以外の誰に頼むよりも自分の好みの美味しい料理を味わう(目的に最適な翻訳を得る)ことができます。

今回食事を例にして翻訳方法や依頼先の使い分け方をご説明したのは「どの方法、どの依頼先なら良い、またはその逆といった「良し悪し」ではない」「どの方法、どの依頼先も一長一短あるので目的やシーンによって使い分けることが大切」ということをお知らせしたかったからです。

接待にファストフード店は不向きです。仲の良い友人と語り明かしたい夜に、こだわりのレストランを選ぶことは少ないでしょう。友人や知人宅に大勢の仕事仲間を引き連れていくことも非常識です。

しかしコミュニケーションの目的やシーンは日々刻々と変わります。朝と夜でも違う方法で、異なる内容を以て行なう必要が生じることのあるのがコミュニケーションです。

つまり、その道具である翻訳の方法や依頼先も、目的やシーンによって細かく使い分ける必要があるということですので、本コラムを参考に、コミュニケーションの目的やシーンに最適な翻訳という道具を使い分け方についてぜひ考えてみてください。

そして、大切な日の、大切な方との、大切な食事はぜひ、高級レストランである翻訳会社をお使いください

最後に、翻訳外注先についてもしお悩みでしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。