翻訳業界の未来予想図

翻訳商社社長ブログ

はじめに

このページをご覧いただきありがとうございます。

【翻訳商社】というサービスブランドで世界120か国語対応、高品質な外国語ご提供専門、圧倒的なスピード対応力が特長の外国語サービスを提供しているノーヴァネクサス株式会社 代表の福角(ふくずみ)と申します。

外国語対応ノウハウでは、外国語の対応にお困りの方に役立つ情報を真面目に、少々堅苦しくご提供していますが、こちらではもっとカジュアルに私自身の理念や気持ち、そして外国語サービス業界やお客様に対する思いなどを、少し肩の力を抜いて、率直にお伝えしています。

尚、当社がどこにある、なんのサービスを提供している、どんな会社なのかは企業情報を、また当社の経営理念、ミッション、スローガン、経営哲学や行動指針などについてはわたしたちについてをお読みいただけると嬉しいです。

さて、今回は「翻訳業界の未来予想図」です。

翻訳業界は未曾有の大不況

業界関係者から伝え漏れてくるところによると、翻訳業界は今大不況なのだそうです(2021年12月現在)。たしかに、翻訳者や翻訳会社など翻訳業界に携わる人たちがSNSで発信している投稿に元気な内容はあまり見られません。また、同業他社の知人たちから聞こえてくる声はいずれも「厳しい」というものが多いです。翻訳業界に上場企業が少ないため翻訳会社各社の業績についてはくわしく知る由もありませんが、あの人が辞めたらしい、あの人はどこそこに移った(転職した)といった風聞や、あの会社がどこそこグループに入った、買収された、あの会社が社員を解雇した、などの業界ニュースから推測するかぎり、少なくともアップトレンドではないようです。

また、第三次AIブームという追い風により業界では唯一勢いが感じられる自動(機械)翻訳市場とその開発・提供を行なっている会社や自動(機械)翻訳を用いた翻訳サービス提供各社の動きも、自動通訳機の活況は来日外国人観光客の激減により影を潜め、自動(機械)翻訳サービス提供会社のアグレッシブな連日の電話営業をみるかぎり、さほど余裕があるわけではないように思えます。いずれにせよ翻訳という言語転換を生業とする関係者のどこからも「状況が良い」という話を聞かないということは、やはり巷で囁かれているとおり翻訳業界の景気は良くないのかもしれません。

翻訳業界景気推移

さて私は翻訳業界に携わって15年ほどですが、自身の体験を振り返ってみると最初の5年間(2007年-2011年頃)は市場全体に活気があり、グローバル、グローバライズ、グローバリズムや海外進出、国際化という言葉を聞かない日はありませんでした。スマートフォンの発売と普及によりプラットフォームが世界標準化し、コンテンツを提供するIT企業を中心に世界市場で勝負するチャンスが訪れたことが大きかったように思われます。

次の5年間(2012年-2016年)は国策によるインバウンドブームに火が点き外向きから内向きに流れが変わりましたが、市場は来日外国人観光客、爆買いといった言葉で埋め尽くされ、その前の5年間ほどではありませんがそれなりに動きがあったり動くためのネタが溢れていたように思います。商談も地方自治体や観光・宿泊・小売・旅行会社や交通機関を相手とするインバウンド対応に関するものが多く、「旅マエ、旅ナカ、旅アト」といった言葉を多用していました。

しかしその活気は次の5年間(2017年-現在)に入ると徐々に失われ始め、2018年にはすでに業界の先行きに一抹の不安を抱くようになったことは今でも鮮明に憶えています。 お客様の翻訳への投資は、例えると生活必需品より嗜好品(または贅沢品)が近いように思います。つまり不景気になるとまっ先に絞られ、景気が好転しても需要が顕在化して活気を取り戻すまでに時間が掛かるのが翻訳業界です。ゆえに日本の経済市場の動きから時期的に少しズレているかもしれませんが、私の過去15年間の肌感覚としてはそのようなものです。

ちなみに当社は今月(2021年12月)で設立三期目をようやく終える、業界では新参中の新参の翻訳会社ですので、売上不振を不況だけのせいにはできません。大手海外調査・翻訳会社の営業部門をその起源としているため知見やネットワーク、サービス体制は老舗の翻訳会社同様と自負していますが、業績好調と言い切れないのは営業努力不足が原因でしょうし、競争が激化している市場での信用力の乏しさもあるでしょう。もちろん業界全体を覆う不況の波はしっかりと被っていますが、市場占有率から考えればその悪影響は大手よりも軽微なはずであり、経営努力で何とかすべき範疇なのだと自らを戒めています。

なぜ翻訳業界が不況なのか

前述のとおり個人的には2017年頃から鈍化の兆しが見え始めた翻訳業界ですが、とどめは昨年2020年3月の緊急事態宣言で間違いないでしょう。その影響はもちろん翻訳業界にかぎったものではありませんが、それ以前からすでに弱り始めていた体に世界的に猛威を振るう悪性ウイルスの悪影響はことのほか大きく、あらゆる産業分野で幅広くニーズが発生する翻訳サービスの間口の広さが災いし、市場全体の縮小と共に翻訳サービス提供会社間での熾烈なパイの獲得競争が生じたように思います。

お客様から各翻訳会社に個別にある問い合わせ状況はわかりませんが、官公庁の一般競争入札では従来あり得ないほどの数の翻訳会社が参加したという話も聞きました。元より低価でないと落札できない薄利の入札案件に高品質を売りとする翻訳会社がこぞって参加する姿は、地上波からYouTubeへのプロ芸人の民族大移動を彷彿とさせるものです。翻訳業界からの風聞に加え、そのような緊急事態宣言発出以降の市場の生の動きもみるかぎり、翻訳業界はやはり不況下にあるのだと思います。

しかし緊急事態宣言による三密回避とオンライン化、巣ごもり需要の拡大は、EC(電子商取引)の活性化に大きく寄与したとも聞きます。それによる流通業者の多忙さとその下請け構造や薄利な体質、失職者を中心に急増したギガワーカーによる宅配サービスの質などは社会問題化し連日ニュースを賑わせていましたが、テレワークや家庭内需要の急拡大は単なる消費対象の移転であり市場の縮小とは無関係なようにも思えます。実際「EC拡大で翻訳業界は景気が良いでしょう?通訳や人材派遣といった現場型でなくて良かったですね。」と初対面の方に言われることもあります。しかし、繰り返しますが翻訳業界は今、不況下にあるのです。なぜでしょうか。

翻訳業界で不況が叫ばれる原因

これは翻訳業界を十把一絡げで語っていることに一因があるように思います。新型コロナウイルス感染症の大流行により世界経済市場が麻痺、人流が抑制されることによってマーケットが(一時的に)縮小したことは間違いありません。動くことで得てきたものを動かず得るにはどうすべきか、新しい手法を模索するために一定の時間が必要だったこともあるでしょう。しかしそのようななかでも、翻訳業界以外では過去最高益を叩き出し、経営者が節税方法を模索する会社もあると聞きます。

また、新型コロナウイルス感染症の発生状況や対処法は世界の各国それぞれであり、日本に於ける緊急事態宣言も複数回に渡って発出、解除を繰り返してきました。よって今翻訳業界を覆う不況の原因がすべて新型コロナウイルス感染症にあるのであれば数か月遅れとはいえ景気、不景気の波が繰り返したはずですが、実際にはずっと厳しい状況が続いているようです。

つまり翻訳業界が不況と呼んでいるものは世界の経済状況やマーケットだけに直接起因するものでなく、また翻訳業界といってもそこに携わるすべてを覆うものでもなく、「翻訳業界内のパラダイムシフト」が原因ではないかということです。乱暴な言い方をすると、翻訳業界に生じているパラダイムシフトによって敗者となりつつある翻訳サービス提供会社を覆うものを、その関係者が「翻訳業界の不況」と呼んでいるのではないかということです。

翻訳業界内の4大プレーヤー

翻訳業界のプレーヤーとして挙げられる翻訳サービス提供会社は現在、次の4つに大別できます。

  1. 翻訳サービス提供会社(従来型)
  2. 翻訳サービス提供会社(クラウドソーシング型)
  3. 自動(機械)翻訳サービス提供会社
  4. 個人翻訳者

 

1)は従来型の翻訳サービスを提供する会社で、業界でも大手と呼ばれる翻訳会社にはこのタイプが多いです。翻訳に加えて通訳や外国語人材紹介・派遣も行なっている場合が多く、会社によっては2のクラウドソーシング型の翻訳サービスがメニューにあるところもあります(ちなみに当社もこの1)の末席に位置しています)

2)のクラウドソーシング型の翻訳サービスを提供している会社には大きく二種類あります。ひとつは前述のとおり、1)の翻訳会社がサービスメニューのひとつとして提供している場合、もうひとつはランサーズやクラウドワークス、比較サイトや一括見積サイトのようにクラウドソーシングサービスメニューのひとつとして翻訳サービスを提供している場合です。

3)の自動(機械)翻訳サービス提供会社も大きく二種類あります。ひとつはエンジンと呼ばれる自動(機械)翻訳のコアを開発、提供している国立研究開発法人、半官半民の超大手民間企業や独自に開発提供する国内・海外の大中小規模民間企業、そしてもうひとつはそれらエンジンの共有を受けて独自サービスを展開している企業群です。

翻訳業界内のパラダイムシフト

このなかで比較的元気に見えるのが3)の自動(機械)翻訳サービス提供会社で、これはおそらくそこにIT系の新進、新規参入事業者が多く、関わる人間も若くエネルギッシュであること、またその積極的な営業・宣伝手法から市場で目にする機会が多いことに起因していると思われます。前述のとおり第三次AIブームの元となったディープラーニングという新しい手法により自動(機械)翻訳がその精度(翻訳の品質)を飛躍的に向上させた功績は大きなものであり、それにより自動(機械)翻訳がそれまでの「ほとんど使えない」から「かなり使えるようになった」ことでその技術をコアとするさまざまなビジネスが生まれました。よって3)の自動(機械)翻訳サービス提供会社の関係者はもしかしたら翻訳業界が全体的に不況下にあるという実感はないかもしれません。 しかしこの3)の自動(機械)翻訳サービス提供会社のシェア拡大は、2)のクラウドソーシング型の翻訳サービス提供会社のシェア縮小に繋がっているのではないかと思われます。

「AIに奪われる仕事」「AIによってなくなる仕事」という刺激的なタイトルで耳目を集める手法は個人的にあまり好きではありませんが、そこに記載されている内容同様2)のクラウドソーシング型の翻訳サービス市場は徐々に3)の自動(機械)翻訳サービスに取って代わられています。4)の個人翻訳者をその実力や実績、経験数や仕事の量で分けると、コンスタントに仕事の依頼がある人気翻訳者は全体のごく一部、まさに氷山の一角に過ぎませんが、3の自動(機械)翻訳サービス提供会社のシェア拡大はそれらごく一部の実力者の下に位置する大勢の翻訳者も厳しい状況に追い込んでいると思われます。なぜなら、彼ら彼女達が従来主戦場としてきたのが2)のクラウドソーシング型の翻訳サービス市場だからです。

そしてこのパラダイムシフトは1)の翻訳会社(従来型)にとっても他人事ではありません。業界では老舗・大手と呼ばれるところの多い1)翻訳会社(従来型)にはそれなりに規模のあるところが多く、取り扱う言語や分野も多岐に渡っています。数十名から場合によっては数百名いる従業員の雇用を守りつつ業績を維持、拡大するためにはあらゆる分野、品質レベルの翻訳を手掛ける必要がありますが、その取扱商品のなかにもやはり3)の自動(機械)翻訳サービスに容易に取って代わられるものがあります。業界では「平易な内容」「重複の多い内容」とされる文書ですが、1)の翻訳会社(従来型)にとっては比較的処理し易く妙味のある大型案件を3)の自動(機械)翻訳サービスに奪われ、手間とコストの掛かる難易度の高い中小規模の案件を寄せ集めて売上を維持せざるを得なくなっているのです。 つまり「3)の自動(機械)翻訳サービス提供会社に徐々にそのシェアを奪われつつある他の翻訳サービス提供者( 1)、2)、4))が直面している状況」、それを翻訳業界が不況と呼んでいるものではないかと思うのです。

翻訳業界の今後

結局、今翻訳業界が不況と呼んでいるのは、翻訳業界内に於けるパラダイムシフト、平たく言うと覇権争いの過程にある自らの状況に過ぎないのではないかということです。人口減少により日本企業の多くが海外市場に販路を求めざるを得なくなることは周知の事実です。また、少子高齢化で海外から(外国人の)働き手を招かざるを得なくなることも同様です。いずれもここ10年~20年でさらに加速し、日本企業の国際化はもはや選択する段階になく、生き残りには海外取引、海外進出、外国人雇用が不可避になりつつあることは紛れもない事実です。そしてそこに大きく立ちはだかるのは言葉の壁です。つまり、翻訳を筆頭にこの、言葉の壁を打ち破るための外国語サービスのニーズは今後ますます高まることは確実ではないかと思うのです。

そんななか3)自動(機械)翻訳サービスの精度(それが生み出す翻訳の品質)がすでになかなかのレベルに達していることは業界関係者としてだけではなく、ひとりのユーザーとして認めざるを得ません。ゆえにこのままコンスタントにその精度が向上していくのであれば、「ある言葉を別の言語に置き換える」という作業のほとんどは3)の自動(機械)翻訳サービスが担うようになるでしょう。たとえ精度がある一定以上は向上しない(上げ止まった)場合でも、「(自動(機械)翻訳の)使い方を変える」という逆転の発想で用いられるようになるかもしれません。

一方、TranslationとCreationの合成語(造語)である「トランスクリエーション」と呼ばれる、コンテクストを読める人間にしかできない、創造性が求められる翻訳ニーズは今後も根強く残ることに間違いないでしょう。過去のデータベースから無限の組み合わせを経て一見それらしいものを構築するということはできても、無から有を生み出すことは自動(機械)翻訳では不可能です。さらに言うなら、機械の場合は何をするにもその導入・運用・保守に人間が必要になります。 3)の自動(機械)翻訳サービスについてはその精度(翻訳の品質)を筆頭にすでにさまざまな問題点が露呈しており翻訳業界でも賛否両論です(翻訳業界にとっては黒船なので、耳にするのはほとんど賛否の否のほうですが)が、その精度向上にその道のプロである人間(翻訳者)の存在は今後も必要であり続けます。

また、1)、2)、4)から3)への移行という過渡期の産物の最たるものと言えるでしょうが、人間による翻訳と3)の自動(機械)翻訳サービスの折衷案のような新たな翻訳手法として「ポストエディット(MTPE、自動(機械)翻訳したものを翻訳者が修正する)」なるものが業界を席巻しつつありますが、私が知るかぎりでは「手間の掛かるわりに安く買い叩かれる」と翻訳者からの評判はよくありません。しかしそれも結局は単なる二項対立でしかないため、(乱暴な言い方ですが)「やりたい人はやれば良い」「やりたくない人はやらなければ良い」「やりたい人は、やりたくない人が多い今の内にこの新しい手法のプレーヤーとして存在感を高めて知見を蓄積すれば良い」「やりたくない人でやらなくて済む方法を考えれば良い」というのが自然であり、大きな流れに抗っても仕方がないと思うのです。

翻訳業界はどうしていくべきなのか

ゆえに現在翻訳サービスを提供するすべての関係者(1)、2)、3)、4))に必要なのは、今後ますます高まることが確実な翻訳ニーズのなかに於ける自らの存在意義を確立し、如何にしてその立ち位置を明確化、市場に認知させるかだと思います。「翻訳者 vs 自動(機械)翻訳」「ポストエディット肯定派 vs ポストエディット否定派」といった単純な二項対立軸ではなく、市場に必要とされるシーンやさらに細分化が進むであろうニーズに応じて最適なソリューションプロバイダーになれるかどうかだと思うのです。

個人的には大型案件は今後ますますポストエディット(による翻訳)に移行するため、規模を維持するためにもそれら大型案件の獲得をし続ける必要のある1)大手翻訳会社(従来型)は、今後ますますポストエディットを主体とした翻訳サービスを提供することになると予想します。一方、中小規模の翻訳会社(従来型)は専門特化して同業他社との差別化を進め、適正規模を維持するための中・小型案件を中心に、高品質が要求される、人間にしかできない翻訳サービスの提供によって生き残りを図る必要が出るでしょう。これらを例えるとゼネコンと宮大工のような違いではないかと思いますが、当社がすでに軸足を置いているのも宮大工の世界です。

次に2)のクラウドソーシング型の翻訳サービス提供会社ですが、私の知る限りではすでにクラウドソーシング型の翻訳サービスの提供だけで経営が成り立っている翻訳サービス提供会社はありません。前述のとおりクラウドソーシング型の翻訳サービスを提供しているのは翻訳会社とクラウドソーシングサービス会社の二つですが、翻訳会社はクラウドソーシング型の翻訳サービス以外の分野の比重を高めていくことになると思われるため、今後はクラウドソーシングサービス会社がそのサービスメニューのひとつとしてのみ、クラウドソーシング型の翻訳サービスが生き残ることになるのではないかと考えます。

3)の自動(機械)翻訳サービス提供会社については、自動(機械)翻訳のコアとなるエンジン開発会社は今後もその精度とマーケットシェアを巡って開発競争を続けることになるでしょう。また、その技術をベースとした翻訳・通訳関連サービスはすでに、ウェブサイトの多言語化やポータブル通訳機、オンライン会議の自動翻訳や自動通訳、動画サイトの自動翻訳テロップなど多くが世に出ていますが、今後も数多くのサービスが登場してくることは間違いありません。自動翻訳、自動通訳されることによって一定の言葉の壁は簡単に乗り越えることができるようになるため、ニーズは世界規模でありサービスの数は無限大のように思います。

4)個人翻訳者については、まずは自動(機械)翻訳の精度がどこまで向上するか、がもっとも大きな環境変動要因になると思われます。その精度向上が想像以上に早ければ、残念ながらそれに反比例して現在個人翻訳者が活躍する市場は急速にその規模を縮小していかざるを得なくなるでしょう。また、その際も最後まで根強く求められ、生き残るのは「1)、2)、4)から3)への移行という過渡期の産物」としてお伝えした「ポストエディット(MTPE、自動(機械)翻訳したものを翻訳者が修正する)」という翻訳手法ですが、ここにいち早く対応し、経験と知見を積み重ねた翻訳者はその分だけ長く仕事を得ることができるのではないかと思います。

まとめ

以上、「翻訳業界の未来予想図」として個人的な見解を備忘録的に書いてみましたが、まとめると次のようになるのではないかと考えています。

  1. 翻訳サービス提供会社(従来型)のうち大手はそのサービスのほとんどをポストエディットで賄うようになる。また、中小規模の翻訳会社はニッチな分野に於ける人間翻訳で生き残りを図ることになる(その過程で中小翻訳会社同士か異業種との合従連衡や大手による吸収合併が進む)
  2. 翻訳サービス提供会社(クラウドソーシング型)は自動(機械)翻訳のシェア拡大と反比例してそのシェアを縮小し、やがて消滅する(クラウドソーシングサービス会社のメニューからも翻訳サービスは消える)
  3. 自動(機械)翻訳サービス提供会社は開発会社とサービス提供会社がそれぞれ独自に成長を続けていく。開発会社は精度によって市場評価が分かれ、より高精度なエンジンを開発した会社の市場占有率が高まっていく(もしくは専門分野による各社の住み分けが進む)。サービス提供会社はIT企業を中心に次々と新しいサービスが登場しては消えていく。そのなかでの自動(機械)翻訳または自動通訳はすでにサービスの特長ではなく完全にプラットフォームの一部となり、当然装備されているものとなる。つまり自動(機械)翻訳や通訳自体がサービスの差別化要因ではなくなる。
  4. 個人翻訳者は、ごく一部の人気・実力翻訳者がニッチ市場でしばらく生き残るが、それら以外の翻訳者は当面ポストエディット案件もしくは、(動画テロップなど)極端に低単価な案件を獲得しながら生き永らえることとなる。しかしながら自動(機械)翻訳の進化に伴ない人間翻訳の市場は徐々に縮小、やがて消滅する。

さて、現実にはどのようになるでしょうか。個人的な予想ではありますが、毎年読み返しながら現実と照らし合わせていきたいと思います。

最後に、あらゆるものが工場で大量・均質・低コスト生産され、あらゆるサービスがオンラインで世界中に瞬時供給される現代でも、非効率ながら温かさや真心の伝わる手作業による製品・商品・サービスが一部根強いファンを得ていますが、人間翻訳はやがてそのようになっていくように思います。「生産者の顔写真が印刷されたPOPとともに販売される、数量限定の無農薬野菜」のようなものでしょうか。規模を追わず、宮大工のように限られた分野に特化、その技術を高めながら継承していくことによって生き残りを図る必要があるのは翻訳業界だけの話ではないことを考えると、未来のサービスはプラットフォームを牛耳るごく一部の世界規模大手とその上に次々と現れては消える無数のソリューションプロバイダーたち、そんな構図になっているように思います。すべての産業分野のなかで翻訳業界がどのようなかたちで残っていくのか、当事者としても傍観者としても今後注視していきたいと思います。

最後に

これからも定期的に 私自身の理念や気持ち、そして外国語サービス業界やお客様に対する思い などをお伝えできればと思いますので、お付き合いいただけますと嬉しいです。

尚、冒頭で触れましたが、当社の提供する外国語サービスに関係するもっと専門的な内容については 外国語対応ノウハウ を是非ご参照ください。

また、もし外国語対応についてお悩みやお困りごとがありましたら、どうぞ気軽に、遠慮なくご相談ください。ご相談対応、お見積もりなどはもちろん無料ですが、なによりも「ご相談いただけること」をありがたく思いますので、「外国語対応に関する便利な相談相手」としていつでもご連絡いただければと思います。

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